夫の勧めで、橋本圭司『リハビリテーション入門』を読んだ。
【リハビリとは】
⚪︎好ましい反応が出たらどうやって継続するか、
好ましい反応が出なかったら深追いして意固地にならずに少し手を変えてみる。
⚪︎語源は、Re(再び)➕habilis(適した)だから、
生まれた時から障害があるときは、ハビリテーション
⚪︎大人の回復は半年とか1年のスパンでリハビリをイメージするけれど、
子供は、2年、5年さらには大人になったときにどうなるかまでをイメージし、
長い期間で考えなければならない。
5年先を考えて今すべきことをする。
今できることをする。
例えば、
動かせない状態の子には、触ってあげる。
立てない子に無理強いするのではなくハイハイするのを目を離さないで見守る。
⚪︎子供はリハビリをしない。
だから、子供のリハビリとは、大人が子供がしたいと思うように仕向けること。
⚪︎本人も家族も頑張りすぎるとロクなことがない。
⚪︎運動発達と心の発達は、ちょうど車輪のような関係で、
片方が遅いと片方も遅くなる。
とくにうまれつきの障害があると、その傾向が強くなる。
⚪︎赤ちゃんや子供では、環境の好き嫌いに理屈がないことが多い。
だから、お気に入りを見つけたら、そこから糸口を探す。
⚪︎大切なことは、専門家のアドバイスを、
どうやって毎日の生活に活かせるかにある。
任せっきりでは効果は望めない。
【なるべく子供を障害児にさせない】
『人は見た目が9割』という本があるように、
無理に歩かせようとして重装備な靴を履かせるより、
【効率的に生きる】という視点を取り入れて車椅子も選択肢に入れる。
【「いい人生を歩んでいるなあ」と思う人の共通点】
⚫️人の心がわかる心を持っている人。
⚫️周りの人が助けてあげたいと思うような人である。
[姿勢]
心拍や呼吸数、体温が不安定にならないならば、
基本は起こして生活する。
〔覚醒が上がる。視野が広がって表情や発生、言語表出がしやすくなるから〕
[靴選びのポイント]
①かかとの後ろの部分がしっかりしている
②足幅がぴったりである
❸本人が気に入っている
[リハビリのポイント]
⚪︎感じることから始まる。
つまり、コミュニケーションをすることから始まる。
言葉や文字だけじゃなくて、緊張や呼吸、におい、姿勢や表情。
⚪︎人に指示するときは、抑揚をつけて7秒以内で。
【さする効果】
ーマッサージは、中心から付け根に向かってするー
①悪い部分だけではなく、全体をさすって、全体のバランスを整えてあげる。
悪い部分は感覚が鈍い場合もあって、そこだけにするとますます過敏になる。
②コミュニケーションのひとつになる。
③手足からの入力情報が増えるとシャキッとする。
この先生、いいなあと思った部分は何箇所もあった。
先生自身が新生児仮死で生まれて、
本人の生活にはさほど支障はないけれど、
「しょうがい」と言われるものを持っているからなのかもしれない。
それに加えて、
本人や家族に寄り添っていると感じるところがいっぱいあった。
例えば、
⚪︎どんな重症の子がきても、「よくなります」と本人と家族に伝えている。
科学的根拠のあるスコアが伸びなくても、
それと向き合った自分自身を認めることでいい方向に進んだという考え方。
⚪︎お母さん、お父さんのいいと思ったことをしてあげてください。
後悔のないようにできることはなんでもやらせてあげてください。
⚪︎全人的復権を目指したリハビリを目指す。
つまりは、一刻も早く、お子さんとご家族が本来過ごすべき地域に、
本人を助けてくれる仲間を作る手伝いをしてあげる。
いつもリハビリ診療で考えていることは、
「いかに早く病院を追い出してあげるか」の一点。
ーこの本の内容を息子の生活に還元してみたー
息子にしていてよかったこと
☆毎朝の手足のマッサージ、ストレッチ
☆経口摂取にこだわらずに、
息子がいつか口から食べられるようにしてあげることを目標に、
体力をつけるための経管栄養をしたこと
息子に始めたこと
☆意識的にベビーカーに座らせたり、座位をとらせたりして、
起こす時間を増やす。
☆気持ちを聞いたり、選ばせたりする話しかけをして、
息子のサインを見つける。