●Kenny Drew trio / Fantasia
1983年録音。ケニー・ドリューのピアノトリオの作品です。
このトリオは音源を多く残していて、当然全てを聴いたわけではないのですが
自分の所持している中ではこれがが一番好きです。
アルバムのタイトル通り、「いつか王子さまが」「Polka Dots and Moonbeams」
「星に願いを」など幻想的な曲を中心に選曲されています。
ただタイトル曲「ファンタジア」はディズニーの曲ではなくケニー・ドリューの
オリジナルです。(しかも結構アグレッシブな演奏。)
ベースのニールス・ペデルセンは「Wishing-Hoping」という美しいバラードを、
ドラムのエド・シグペンは「Children's Dance」という温かみのあるポップな曲を
それぞれ提供していて、このトリオの個性につながっています。
スタンダード曲もいいのですが、やはりどのようなオリジナルソングを入れるか
という所でそのバンドの方向性や人間性が垣間見えるような気がします。
さて、そんなファンタジー選曲なのですがペデルセンのベースは相変わらず凄い。
(いや、相変わらずといっても83年の録音だし最近亡くなってしまったのですが。)
何度聴いても唖然としてしまう迫力。ギニュー隊長になってボディチェンジしたいです。
ベースを普段意識して聴かない人はこの演奏どう思うのでしょう。
ともあれ、全体的にはロマンティックなレコードなので部屋を少し暗くして
聴くのがふさわしいと思います。冬にお薦めの1枚でした。