さて・・・。
実に、蜉蝣峠以来、約7年ぶりの観劇です。
髑髏城の七人 ~season花~
見てきました、体感してきましたよ新生髑髏城!
おニューの劇場!
ついでに東京!
開演してから少しの間は、(私、こんなん見てたんや・・・)(実物の人間がいっぱい動いてるわ・・)
と、変な感慨にふけっていました。
看板を偽らず、”華”とバランスのseason花
よくも悪くもかなりフラットな状態(=期待は特にしていない)で行ったというのもあるが、
非常に、非常に満足して帰ってきました。
とにもかくにも。
バランスは歴代髑髏の中でもピカイチじゃないかと。
いろんな意味でのバランスがね。
役者同士のバランス。スタッフワークのバランス。
あとは各キャラへのスポットライトの当たり方が新鮮、かつ好感がもてる。
特に、
あ、、、こちらは普通ぅーにネタバレしていく場所ですので
(誰かに見ていただくことは想定してはいませんが)
ネタバレNGな方がもし見ておられたら回れ右でお願いしますね。
えーっと、そう、特に、蘭⇔極楽の関係性はこれまでにないもの。
まぁそれは後述しよう。それくらい大きいことだった。
今回、それぞれの演者に対してももちろん、山盛りの感想があるわけではあるが、
見終わってまず思ったのは「かずきさん、仕事しなさったなあ」ですよ。
まあ、実はいいとこばっかじゃない、というのが個人的感想ではあるけど総じてプラスです。
全体を通していうと、正直、1幕は蘭兵衛の殺陣と古田新太以外の見どころは少なかった。
どうなることやらと思っていたら、2幕開始早々から意外な展開が待ち受け、しり上がりに良くなっていった、そんな印象です。
(1幕についても、見どころが少ないってだけで見てていいシーンとかはあるんですが。
どうしてもちょっと薄いし、または唐突感が否めないシーンが散見される)
かずきさんのお仕事の素敵な部分は、今回のキャストへのあてがき的なところで
わかりやすく発揮されていて、中でも多くは天・蘭とその周辺か。
これまでの蘭の中でおそらくダントツに大人な山本耕二さんの魅力をさらに引き出す・・・ことを
蘭兵衛本人というより蘭⇔極楽、蘭⇔天の関係性を新鮮に描き出すことでやってのける。
キャスト布陣を見た時点では、捨天蘭の中で天がとびぬけて小柄なことに不安があった。
それは開幕後しばらくもひきずったまま。
が、2幕でのあの、、、天魔王を、おまえこそが猿面冠者か、というぐらいの狡猾な、それでいて
哀れさももった、強者にすり寄って事を成そうとするかのように見える人間とすることでむしろ活かしている。リアリティのある『新解釈・天魔王』となっていた。
(ゲキ×シネしか見とらんが、ワカの天魔はリアリティのない新解釈だと思っている。説得力もない。)
蘭⇔極楽については、このseason花以前は、小説でほんのりその関係性が垣間見える程度だったのだけど、ここへきて前面に押し出されている。しかし違和感はなく、蘭の花もキーアイテムとして自然に見ていられる。
1幕から非常にわかりやすくこの2人が、男女というより同志、戦友に近い形で描かれ(かといって太夫が女としての気持ちを持っているのも感じられて。男女関係があったかは、、、深追いしない派です)
そこからの2幕への展開、さらにエンディングでの兵庫とのやりとり。太夫がこんなに感情移入対象になった髑髏は初めてだろうね。つらい、つらいね。
逆に、「え、何をしているんですか?」と思わずにいられないのが蘭兵衛の登場シーン。
ホンなのか、いのうえさんの判断もあるのかしらんが、登場シーンであのセリフをいきなりもってくんのはないやろー・・・。
いきなり何?感がぬぐえない。
初見の人でも違和感ありそうやけどなぁ。
あとは、オープニング、捨ノ介の登場、天魔の名乗り、あたりは弱い。物足りない。
あえてかな。
アカアオ見てるとオープニングでの新感線感がすごいからどうしても物足りない。
あとは、役者さん的にそうしたんだろうけど、捨vs兵庫的な構図はない、とかもちょっとさみしいよね。。
このあたりは初見の方にはない問題だろうけどさ。
IHIステージアラウンド。
なかなか面白い。
回ってる体感自体もだし、そこからくる空間移動してる錯覚は普通のトコでは発生しえないこと。
いうて、カテコが一番圧巻だったかもだけど。。。
今回はそもそもステアラ初見なので「おぉっ、いきなり回るんか」とか「えー?入口との位置関係変わってる!?」とかそういう新鮮さがありましたけど、これを鳥、風、月と(たぶん)見ていくとそこへのオドロキはなくなってくるわなぁ。そうしたときに新鮮な何かを見せてくれる準備はあるのだろうか。
演出も毎度変わるそうなのでちょっと期待していますよ、ただ回る以上の何かをね。
あとは中列以降のメリットがはっきりとあるのは間違いないハコ。
今回運のいいことに4列目で見ましたが、映像は近すぎてよくわからない。
ステアラでなくてもそうなんやけど、10~15列あたりがやっぱり一番いいのかな。
あと、新感線にとっては小さいよね、このハコは。
1つの間口あたりをどう切るか次第なんだろうけど、蘭兵衛の殺陣シーンが結構いちいち手狭な印象を受けたんだ。
そこはかとない小劇場臭がたまにする。見慣れていた新感線は、大掛かりで壮大なものだった。
(大掛かりのかけどころが違うのね、今回はね)
バランス
しつこいけど、バランス◎でしたよ。
スタッフワーク。悪目立ちなく、逆にこれだ!という主張もない。いや裏方なんだからそうあってこそですけどね。
例えばアオなんかは、音楽や衣装の主張がほんと強い。個人的にはそこが大好きだったりするんだけど、『花』はなんか、純粋にお芝居、っていうのがテーマなのかしらね。
ワカを深化させて・・と演出自らいってるくらいだからそういう方向性なのかな。
役についても過剰なキャラづけは一切ない。あ、うそついた。贋鉄斎www
いやでもさ、この『花』で古田新太おらんかったら、正直きついもんがあると思うよ。ね。
例えば’97の右近さんとかみたいなね。大好きやったんやけどさ私は。DVD見て痛感したよ。
「だははぁぁぁぁ~~い」(DIE)とかさw
古田新太の贋鉄があまりの濃さで、ぎりぎり物足りなさを回避してくれてる。
ちょっと、髑髏党は弱すぎる。戦闘力じゃなくてね。粟根さんか川原さんがほしかったな。
バランスバランスいうてますけど、殺陣については本職の出演が少なかったのか、だいぶ物足りなかった。メイン3人がなんとかがんばってくれたからまあよかった、ぐらい。
役者陣のバランスもよかったなぁ~。
捨も別に安定してたし、ソンハは達者やし。りょう安定感もものすごかった。場数ふんでるよねあれは。逆に兵庫の場数ふんでない感もすごかったけどwキャラ的にもうおっけ。
バランスというか演出なのかもだけど、人同士のやりとりが今までで一番活き活きしている、いや、リアリティがある気がする。
捨⇔沙霧、蘭⇔天、蘭⇔極楽、極楽⇔兵庫、七人⇔狸穴、、、
やっぱ「純粋にお芝居」だぁな。
風、月が未発表なのでなんとも、だけど、この「花」がやはり王道中の王道、というところか。
次の『鳥』は「ある意味王道」か。
新感線ファン、というか芝居ファンにとってはたまらないいいとこドリの鳥。
殺陣はぞんぶん、ギャグも存分、そして新感線特有のロックサウンドに乗せて?
ちくしょう、楽しみだ。
だがしかし、花、好きだよ。
観劇もblogも久しぶりすぎて、とりとめなさすぎて、ダメですな。。。
最後の兵庫と極楽のシーンではちょっと泣いたよ。
実はこの後、各役についてもまだしゃべるんやで。