2023年9月7日、ジャニーズ事務所の会見が行われた。ところどころしか見てないので、正確な描写は出来ないだろうが、今回のことでわからないところ、思うところを書き連ねてみる。
 
 
 ・本橋信宏 著「全裸監督 村西とおる伝」より 1987年の芸能界の話
 
 Netflixでドラマ化されて、大ヒットした全裸監督。その原作本に当たる本がある。
 
 この第11章 6人 村西とおると対峙したメリー喜多川副社長が会議室に乱入させた親衛隊人数 で、1987年当時のジャニーズ事務所の日本の芸能界における影響力についての文章が記されている。
 
 簡単に書くと、1987年くれ、沖縄のリゾートホテルで撮影されたAV作品。そこに出た新人女優が、当時ジャニーズ所属だった田原俊彦に声をかけられて一夜を共にしたとポロッと撮影の合間に村西とおるに話したことから話は始まる。
 
 そして、村西監督はその時の女優の話をもとに、『ありがとうトシちゃん』という、悪ノリビデオを制作した。その女優が、トシちゃんとの情事をトシちゃんそっくりの男優と再現するという内容。まあ、悪ノリビデオだし倫理観的にNGだったかもしれない。
 
 当然、このビデオが発売される・・・よりも先に大問題が発生する。当時、日本テレビの大人気深夜番組『11PM』のレギュラーだった村西監督。当然番組の撮影の合間に、今撮影しているAVについて、といった雑談をスタッフとしていた。そして、タイトル『ありがとうトシちゃん』というタイトルがなんとテレビに流れてしまった。
 
 ジャニーズからの抗議というより、その話をテレビに流してしまった11PMのスタッフはクビになり、当然のように村西監督もレギュラーを降ろされてしまった。どうやら、日テレ幹部に直接メリー副社長が抗議に来たことでこのような事態になってしまったというわけ。
 
 ここで村西監督は報復と言うか、自分で持っていた週刊誌にジャニーズの黒い疑惑を書きまくった。当時の大手メディア、出版社はすでにジャニーズの手が回っていたからだろう。そんな黒い疑惑のネタを集めるために、ネットがない時代にどうしたかというと、タレコミ電話回線を開設して、そこに情報をもらっていた。
 
 そのタレコミ情報の中で最もセンセーショナルだったのが、フォーリーブス北公次がジャニーズの社長、ジャニー喜多川と同棲していたという話だった。
 
 当時の北公次は覚醒剤で逮捕されたこともあってか、芸能界から引退して、和歌山県田辺で土方をして生活費を稼いでいたという。
 
 そんな村西監督の説得もあって、88年に『光GENJIへ 元フォーリーブス北公次の禁断の半世紀』が出版され大ベストセラーになる。
 
 この本には、ジャニー喜多川と出会い、苦労時代、そしてあの問題も書かれている。今回の問題が一般の人にも知れ渡るきっかけになった本と言えるだろう。
 
 当時の北公次氏が書いたこの本が全て真実なのかは正直分からないし、売れるためにかなり盛った可能性はゼロではなさそうなので、ここでは止めておく。
 
 気になるのは、テレビ局に幹部に直伝でスタッフやその他の人事を動かせる権力があったこと。大手メディアの情報統制がなぜ出来たのか?ということ。
 
 ・ジャニーズって派遣会社じゃないの?
 
 ここで、こちらの疑問、ジャニーズが何でそこまでの力があったのか?ということだ。
 
 あくまでも想像だが、ジャニーズは日本のエンタメの派遣会社ではないか?と考えている。
 
 テレビ番組で考えると、テレビ局が考えることは、そのテレビ局にCMを出してくれるスポンサーの望む成果を上げること。ここで言う成果とは、多くの人に、そのスポンサーのCMを見てもらうことだ。
 
 間違えてはいけないが、テレビ番組というものは、お金を出してくれるスポンサー様のCMを見てもらうための撒き餌に過ぎない。その撒き餌の成果を表す一番わかり易いものが視聴率だ。
 
 その視聴率を稼ぐために、どれくらいの予算で、出来るか?ということをテレビ局は考える。
 
 もちろん、大金を使って、ハリウッドスター使ったり、大谷翔平の野球の年俸の何十倍払って大谷翔平の番組を流せばある程度の数字は取れるかもしれないが、予算と視聴率が合うかはわからない。
 
 そんな成果物を出すためには、効率のいい素材を使いたがるだろう。そんな効率のいい人を派遣してくれる会社がジャニーズ事務所だったと考えるのは自然なこと。
 
 元々、民法テレビ局が始まった際に、数字が取れたジャンルは歌番組、そしてドラマだった。当然、人の目を引くスターというものが必要になってくる。そんなスターを効率的に集めて派遣させられる実績を作り続けたのがジャニーズだったり、渡辺プロダクションや、ホリプロ、サンミュージックプロダクションだったんだろう。
 
 こちらが考えるに芸能プロダクションは、数字が効率的に取れるスターを派遣する派遣会社なわけだ。そんな派遣会社と1つの民法テレビ局がいい関係なら問題ないだろうが、どちらかが一方的に力を持ちすぎたら・・・かなり歪な状態になるのは想像に難くない。
 
 ・誰が一番偉いんだ?
 
 また、話が飛んでしまうが、つい最近、市川猿之助が両親を自殺を幇助、自分も自殺を図るというセンセーショナルな事件が起こってしまった。
 
 このきっかけになったとされるのが、猿之助がドラマスタッフにパワハラ、セクハラを行っていてその記事が出てしまうことを知った猿之助が、自殺を図ったというもの。
 
 猿之助が、自殺を図ったことや、両親と一家心中を図ったことは一ミリも肯定しないが、気になるのはそんなパワハラ行為をした一人物をもっと早く、ドラマの現場から切ることは出来なかったのか?ということ。
 
 猿之助がそのドラマに出ないと数字が取れないかもしれない。いや、猿之助が居ることでスポンサーがお金を出してくれたかもしれない。むしろ、猿之助がいなくなるとドラマ自体が制作不可能になったかもしれない。
 
 とはいいつつも、ある意味犯罪行為とも言えるような事をした人物が居たのに、仕事は続けられたことが問題じゃないのだろうか?
 
 この現場では猿之助が一番偉くて、他の制作スタッフ、監督たちはその下に居たのだろうか?いや、もっと言うとスポンサー自体も口を出すことが出来なかったのか?大いに疑問だ。
 
 ここで、一つの実例を紹介する。
 
 アメリカの放送局CBSで放送されているドラマ、クリミナル・マインド FBI行動分析課での話。
 
 このドラマは、2005年からシーズン16まで放送された超大ヒットドラマ。連続殺人犯、シリアルキラーとFBIの行動分析課(Behavioral Analysis Unit、BAU)のメンバーたちが、犯罪者たちをプロファイリングし、犯罪心理を読み解き、事件の解決に挑むという1話完結モノ。
 
 そのドラマでシーズン1の初回からメインとして活躍していた、アーロン・ホッチナー役のトーマス・ギブソンがシーズン12の撮影中の制作スタッフとの意見の食い違いからか、暴行を働いてしまった。どうやら元々制作サイドと意見があわかなった点もあったらしいのだが、その結果、急にホッチはドラマから消えてしまった。
 
 これ日本だったら、簡単に降板になってしまったのだろうか?猿之助もすぐに降板させられていたら一家心中までしてたのか?と妄想してしまう。
 
 
 ・ジャニーさんが生きている間に問題に出来なかったのか?
 
 とまあ、色々と書物や、伝聞情報、あと妄想で書き連ねてきたが、今回の性被害問題、被害者の方々はそりゃ可哀想とは思うが、もっと早く問題に出来なかったのか?と考えてしまう。
 
 そして、テレビ局が手のひら返したようにジャニーズ事務所批判に動いて、自分たちには責任は全く無いような顔して居る気がしてならない。
 
 マスコミは基本的に自称正義の味方であって、叩いても多くの人が文句を言わないモノしか叩かないので、北公次氏の本が出たときには叩けなかったろうし、叩いたところで視聴者が納得しなかったかもしれないが、猿之助の話と今回この話題が盛り上がったのが続いたことでこう考えてしまう・・・
 
 
 ・ジャニーさんはこうなることをわかってたんじゃないか?
 
 さて、最後に完全な妄想を書かせてもらう。
 
 2016年のSMAP騒動で、ジャニーズはかなり世間から叩かれた。あの当時は、
 
 『事務所、辞めたかったら辞めれば良いんじゃね?あの5人は仕事は減ってもそれなりに、活躍するだろ』くらいに思っていたが、体感では、あの当時のほうが1987年の時よりもジャニーズはメディアに対しての影響力があったような気がする。
 
 そして、当時85歳だったジャニーさん・・・いや、すでにこの数年前からある計画を立ててたのではないかということ。
 
 それは、『ある程度食っていける奴らを暖簾分けして、これからのやつの面倒を見てくれ』ということ。
 
 元SMAPの3人が、飯島マネージャーと立ち上げた新しい地図、株式会社TOKIO、山下智久、滝沢秀明その他色々、すでに仕事はある程度困らない、何人かと一緒に個人事務所の一つくらい作ってやっていけそうな奴らを独立させようと。
 
 その話は当然マスコミもわかっていて、ジャニーズという事務所がなくなっても、実績がある者、これから金になりそうな若い奴らをなんとか出来るような計画で動いて、最後がこの問題発覚(のように見せかけた)のタイミングじゃないだろうかと・・・
 
 個人的には、これからの奴らが出てくるのは良いと思うし、性被害を受けたと言っている輩を税金でなんとかしようというのは反対です。