『反倹約のすすめ』
『反倹約のすすめ』
~消費文化が経済、環境、そして人々の精神に良い理由~
ジェイムズ・リヴィングストン著
【この要約書で学べることとは?】
①倹約に対する社会通念はなぜ間違っているのか
②広告と消費者主義はどのようにして世の中の役に立つのか
【3分間で理解する「本書の要点」】
◆社会一般では、倹約と質素が繁栄への道であると言われているが、これは間違いである。経済成長の原動力になるのは、消費者支出である。
◆1930年代の世界恐慌と2008年の金融危機の両方が起こる前、個人の収入が頭打ちになる一方で、企業の利益は急上昇した。
◆経済成長には、企業と投資家から一般の消費者へ収入を再分配する必要がある。
◆消費者主義は、常に社会変化の大きな力となって来た。
◆アメリカの公民権運動が起こる前、音楽業界は、白人に黒人のライフスタイルを教えることで、人種差別廃止への道を切り開いた。
◆共産主義の東ヨーロッパでは、ジーンズとロックンロールへの憧れが革命を引き起こした不必要なものを売り込んでいると批判されているが、広告は社会の発展を予測し、後押しすることが出来る。
◆現代の従業員は、仕事と複雑な関係性を持っている。仕事を立派なものであると同時に、うんざりするものだと見なしている。
◆消費文化は、人が自分のアイデンティティを選べるようにすることで、自由を生み出している。
<本書の推薦>
世界の経済について、2007年のサブプライム問題を切っ掛けとした世界金融危機に次いで、2008年のリーマンショックで世界同時不況へと陥ったということは誰しも記憶に新しいものと思います。
無論、その影響は日本経済にとっては大打撃となり、現在に至るまで不況の傾向は続いています。
特に日本経済の根幹を支える中小企業は、国内の全企業数の99%以上を占める為、昨今ではデフレスパイラルのあおりによる、消費の悪化から企業倒産へ直結することも少なくありません。
このような状況に於いて生活そのものに危機感を抱く消費者のほとんどは、ますます財布の紐を硬く締めることで、社会情勢に適応し生活を守ろうと努力していきます。
その為、このような事態にその他の方法を用いて生活を安定させる明確な策を知っている人の方が皆無に等しいということが実情だと言えるでしょう。
では、不景気を物ともせず、消費文化を向上させる方法とは?
また、飛躍的に経済成長を遂げる為に企業が取り組む適切なアクションとは一体どのようなものがあるのでしょうか?
本書『反倹約のすすめ』は、一見型破りだとも思える大胆な方法で、好景気の回復へと導く知識とその方法について歴史上の事実を織り交ぜ理論的に解説しています。
また、世に蔓延る経済情勢の真実についても包み隠さず触れています。
著者ジェイムズ・リヴィングストンの経験と分析に裏打ちされた史実に基づく本書は、「贅沢は敵」だと根拠なく固定観念をお持ちのすべての方に自信を持ってお薦めする一冊です。