大腸がん摘出切除後の便秘:大腸がん治療後の便秘の予防と治し方

 

近年、がん疾患の中でも、大腸がんが急激に増加しております。食習慣の欧米化が増加する大腸がんの原因でもあるといわれていますが、食事の欧米化は、食物繊維摂取量の低下となり、これが大腸がんの原因であると考えられています。食物繊維の摂取量の低下は、腸内環境を悪化させ、病原性の悪玉菌を増やすことになります。大腸がんの発症原因として腸内細菌の関与が注目されています。便秘は、悪玉菌を増加させ、腸内環境を悪化させます。それにより、大腸がんの発症リスクが高まります。また大腸がんの前癌状態である大腸ポリープの発症にも、腸内細菌が関与します。大腸がん及び大腸ポリープの外科治療では、大腸の一部臓器を手術により摘出切除することになりますが、この治療後に排便機能障害として便秘が生じます。このように、大腸がんと便秘とは、密接に係っています。ここでは、「大腸がん摘出切除後の便秘:大腸がん治療後の便秘の予防と治し方」についてお話します。

 

大腸がんと便秘

広義の大腸臓器(長さ約2メートル)に分類される盲腸、結腸、直腸及び肛門に発生するがんを大腸がんといいます。その大腸を構成する大腸組織の中で、日本人の大腸がんは主にS状結腸と直腸にできやすいといわれています。S状結腸と直腸での大腸内容物は、水分がほとんど吸収され、排泄される便のように固化した状態にあります。便秘は、ちょうどS状結腸と直腸に便が滞留した状態にあります。このように、大腸がんの発生部位と便秘での便滞留部位は一致するため、大腸がんの発生原因に便秘が疑われています。

 

大腸がんには、大腸粘膜細胞から生じる良性の大腸ポリープ(腺腫)ががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものの2つがあります。大腸粘膜細胞は、大腸内容物(便の原型)と直接接している細胞であり、便内容物中に含まれる発がん物質が大腸がんを発生させるとの学説があります。また、便内容物中に含まれる特定の腸内細菌が大腸がんを発生させるとの報告も多くあります。大腸がんがどのようなメカニズムで発生するのかについては不明な点が多いですが、最近の研究によれば、特定の腸内細菌が大腸がんを発生させるとの学説が有力となっています。便秘では、いわゆる腸内細菌の悪玉菌が増えた状態となっていますので、大腸がんと便秘との関係においては、悪玉菌となる腸内細菌がその関係の中心にあるといえます。便秘は大腸がん発症のリスク要因となり、腸内環境を整えること(善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を増やすこと)が、大腸がんの予防とその進展抑止に有効であると考えられています。また、腸内環境の改善は、大腸がんの前癌状態である大腸ポリープの形成抑制にもつながります。

 

大腸がんの早期では特に自覚症状はありません。大腸がんが進行しますと、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細くなる、残便感、腹部膨満感、腹痛、貧血や体重の減少などの症状が現れます。大腸がんでは、血便の頻度が高いですが、痔でも血便が生じるために、血便は大腸がん特有の症状とはならないことがあります。このように、大腸がんに特有の症状がないために、大腸がんであっても大腸がんとはなかなか気付かないことが多く、早期発見の障壁となっています。大腸検査は一般化しつつありますが、検査前の腸内洗浄プログラムの苦しさ、肛門から造影剤注入のためのチューブの挿入における恥ずかしさ、造影剤の注入による排便刺激の辛さ等があるために、大腸検査を受けることに躊躇する人も多いのも事実です。近年、がん疾患のなかでも大腸がんの増加がよく知られていますが、大腸がんの減少に結びつかない理由は、このような特徴のない症状や検査のあり方が根底にあるものと思われます。

 

大腸がん手術後の便秘と排便障害

大腸がんの治療には、外科手術、抗がん剤薬物療法、放射線治療などがあります。どのように治療するのかについては、大腸がんの病期(ステージ)、年齢、合併症の有無などによって決定されます。大腸粘膜の表面に発生したがん細胞は、次第に大腸の壁に向かって深く侵入していきます。この病状の進行が拡大していきますと、リンパ節、肝臓、肺などにがん細胞が転移します。大腸がんのがん細胞が他の臓器や全身に転移した場合、外科治療は困難となりますので、抗がん剤を用いた薬物療法や放射線治療が行われることとなります。他方、大腸がんの初期や転移の広がりが少ない場合には外科治療が優先的に選択され、がんが発生している大腸の部分的切除が行われます。摘出される大腸組織の範囲及び同時に行われるリンパ節摘出の範囲は、がんの発生した部位やがんの深さにより決定されます。大腸がん治療の多くに、大腸の部分的摘出が行われることになりますが、このような大腸がん手術後に、排便機能障害が伴うことが多いです。

 

大腸がんの摘出切除術は開腹下で行われます。開腹下での手術では、腸と腸あるいは腸と腹壁との間で癒着が引き起こされます。癒着とは、臓器組織同士が接着(くっつくこと)することをいいます。このため手術後、食べた食物の腸管内での通過が悪くなり、腹部膨満感や嘔吐がしたりします。ひどい場合には腸閉塞になることがあります。大腸がんを摘出切除した場合、腸と腸とを縫い合わせます。そのため、手術後縫い合わせたところを食物がうまく通らず、嘔気や便秘などの排便機能障害が生じます。

 

盲腸からS状結腸までの間でがんが発生した場合には直腸を温存することができますので、一般的に重度の排便機能障害は起こりません。しかし、便秘や嘔気などの一般的な腹部症状は生じます。盲腸からS状結腸までを全て摘出切除した場合には、便に含まれる水分を吸収することができなくなりますので、便は固形化せず下痢便となってしまいます。

 

便をためる直腸にがんが発生した直腸がんの場合、直腸の一部又は全部を摘出切除するために、便秘、頻便、便意頻回、便失禁、下痢便などの排便機能障害が発生します。直腸がんで肛門が温存できる場合、摘出切除されずに残った直腸は結腸と縫い合わせますので、結腸を通過した排泄物はそのまま残った直腸に到達します。がんが肛門に近い部位に発生した場合には、温存される直腸が短くなるので排便機能障害は強く現れます。他方、直腸がんでもがんの発生部位が上方にある場合には、温存される直腸は比較的多くなりますので、排便機能障害も軽度ですみます。がんが肛門の近くにあり、そのため肛門を温存することができない場合には、人工肛門が造設されます。最近の手術では、肛門をできるだけ温存する方法が採用され、肛門と結腸をつなぐことが多くなりましたが、この場合、便秘などの排便機能障害は強く現れます。

 

手術直後は腸の機能が安定せず、便秘、下痢、頻便、便失禁などが引き起こされます。術後2週間以上経過しますと腸の働きも安定化し、排便回数は徐々に落ち着き、固形化した形のある便になっていきます。術後、次第に排便機能障害は回復していきますが、術前と同じ排便機能までは回復しない場合もあり、例えば、慢性便秘となることもあります。大腸がんの摘出切除後の排便管理としては、食物繊維の多い食事を摂ることが排便回数の減少につながります。その他、整腸剤や下剤の使用も有効とされていますが、大腸がんの摘出切除後の排便管理で最も大切なことは食事の管理となります。

 

大腸がん術後の便秘対策

大腸がんを摘出切除した場合、術後直後からは主に下痢便が生じ、その後排便回数の減少とともに便秘が現れることが多いです。大腸がん術後の食事の管理は、排便機能障害の軽減のみならず、がん再発の防止の観点からもとても重要となります。大腸がんが再発する割合は、大腸がんのステージで異なりますが、一般にステージⅠでは4%、ステージⅡで13%、ステージⅢでは30%であるといわれています。再発した患者さんの80%は、手術から2年以内に再発がみられています。ですので、手術後5年間は、再発のリスク管理がとても重要となるのです。

 

大腸がんの摘出切除術を行い退院後2週間は食事の量をやや減らし、1日あたり1,200キロカロリーを目安とします。大腸がんの術後は、消化機能が弱っていますので、食事の量も減らします。健康な時に食べた食事量の約6割を目安にするとよいでしょう。1日3回に分けて食事を摂るようにします。食事の内容は、炭水化物、蛋白質、脂肪、ビタミン、ミネラル等の各栄養素がバランスよく含まれたものとし、加熱調理することで消化のよいものとします。この時期、食物繊維は控えるようにいわれることがありますが、それは水に溶けないセルロースなどの不溶性食物繊維のことで、逆に水によく溶ける水溶性食物繊維は、術後の大腸に負担をかけることもなく、便秘などの排便機能障害をむしろ軽減しますので積極的に摂ることが大切です。退院から1ヶ月が過ぎますと、徐々に食べる量も増えていきますが、食べ過ぎには注意が必要です。この時期は、便秘や下痢などの排便機能障害が強く現れる時期でもあり、整腸作用の優れた水溶性食物繊維を多く摂るように心がけます。退院後2ヶ月が過ぎますと普段の食事が摂れるようになりますが、暴飲暴食、アルコール類や辛みのある刺激物を含む食事は避けるようにします。この時期になりますと、排便機能障害はほぼなくなりますが、慢性化した便秘が続くことがあります。食物繊維、特に大腸粘膜を刺激しない水溶性食物繊維は、退院後2ヶ月が過ぎましても継続して積極的に摂ることが大切です。

 

水溶性食物繊維にも多くの種類がありますが、便秘の改善や予防及び腸内環境を整えることに優れているのはイヌリン食物繊維とよばれる水溶性食物繊維です。ゴボウ、タマネギ、ニンニク、アスパラなどの根菜類等に含まれる天然の食物繊維です。イヌリン食物繊維は、水によく溶けますので、セルロースなどの不溶性食物繊維とは異なり、大腸粘膜を刺激する作用はございません。また、水分で膨張化することもないので腹部膨満感を与えない特徴があります。

 

イヌリン食物繊維の最大の特徴は、善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を特異的に増やす作用に優れていることです。大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌は増やさず、善玉菌のみを増やすします。オリゴ糖は、善玉菌を増やしますが、同時に悪玉菌も増やしてしまいますので、腸内環境の改善力はオリゴ糖よりもイヌリン食物繊維がより優れているといえます。ですので、イヌリン食物繊維を摂取しますと、腸内環境は大幅に改善され、大腸内の善玉菌が増えることによって、便秘などの排便機能障害が軽減されます。また、それと同時に、腸内環境の改善により大腸がんの再発予防効果も期待されることとなります。このように、イヌリン食物繊維は、大腸がんの摘出切除後の食事管理にとても有効なのですが、根菜類や野菜類に含まれる量がとても少ないという欠点もあります。しかし、今ではスティムフローラのように、不純物を全く含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が健康補助食品として市販されていますので、大腸がんの摘出切除後の食事管理に、このような健康補助食品を活用することも有用です。

 

大腸がん対策で重要なことは早期発見・早期治療です。大腸検査は、とても辛くそのため検査を受けない方もおられるかもしれませんが、勇気を出して積極的に大腸検査を受けるようにして下さい。また、大腸がんや大腸ポリープの発生予防に重要なことは、普段から、腸内環境の改善に努めることです。それには、ビフィズス菌などの善玉菌を特異的に増やす作用に優れたイヌリン食物繊維の摂取がとても有効となります。近年、大腸がんは増え続けていて、食事の欧米化がその原因であるといわれています。食事スタイルを変えることは、現代において容易ではございませんが、その中で、イヌリン食物繊維のような水溶性食物繊維を積極的にとりいれることがとても大切となります。

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