MDR-NC300D | Standing at the crossroads 趣味に生きる男のブログ

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主にイヤホンやヘッドホンのレビューを中心に書いていきます。



ポータブルオーディオ熱が上がってるうちにレビューを書こう(提案)
そんなわけでMDR-NC300Dのレビューでござんす。
僕は基本的に外出時に音楽を聴く際は、高密閉なカナル型や密閉型ヘッドホンを使うのですが、「昨今流行りのノイズキャンセリング機も試したい!」という思いで随分前に購入したこちら。
理由は後述しますがあまり使ってなかったのでここで陽の目を見せてあげようかと…
公式サイト様はこちら。本機は様々な機能が盛り込まれているので公式サイトに目を通すと機能面についてはわかりやすいかと…

1.外観



NCユニットとイヤホン部をセットでパチリ。



イヤホン部にクローズアップ。後端部にNC機能用集音マイクが付いている以外の特徴としては縦置きで内部に収められている大口径16mmドライバーユニット。こちらも一部に金属が用いられております。



NCイヤホンの心臓部とも言えるNCユニット部。アルミ外装に覆われており、電源は単3電池1本を使用し、ユニット下部の膨らみ部分に収めます。特に騒音のない室内で撮影したため後述の「フルオートAIノイズキャンセリング機能」はCモードになってますね。
裏面には向きを変えられる取り外し可能なクリップが付いており、ポケットの縁などに引っ掛けるとき便利。



ユニット上部のボタン配置はこのような感じ。サウンドモード機能フルデジタルアンプ「S-Master」が搭載されているため、本体電源ボタン以外にモード切り替えとVolボタンが有るのが特徴かと思います。また液晶パネル脇には「MONITORボタン」があり、こちらは集音マイクからの音をアンプを介しイヤホン部から出力する機能となっています。
人に話しかけられた際や、駅のアナウンス等を聞き取りたいときに便利ですね。(モラル的には人と話をする際はイヤホンは取るのが礼儀とも思いますが…w)

2.装着感、使い勝手

装着感はハウジングが大きめな割には良好。ハイブリッドイヤーピースの効果もあって耳への収まりも良く、長時間の使用でも苦になりません。単体での遮音性、音漏れ防止は一般的な国産カナル型イヤホンの水準にあるかと。

使い勝手に関してですが、実を言うとこれが最初に触れたあまり使用していない理由なのですが、あまり良くないのです。
というのも上のNCユニット部の写真を見ていただければ分かりますが、片側からのみ「DAPからの入力用ケーブル」と「イヤホン・集音マイク部への入出力ケーブル」が出ているため、ポケット内などでの取り回しが煩雑になるのです…
またNCユニット自体の重量もそれなりにあるためポケット内での重量物となるためそこもマイナスポイントですね…
頻繁に曲変更をしないでコートのポケットにDAPと共に突っ込んだままであったり、鞄の中にDAPと共に収めているのであればあまり気にならないでしょうが、自分の場合は使用プレイヤーがiPhone5であることもあって、連絡を取り合ったり調べ事をしたりとポケットからの出し入れが多いのです。
これらの点がどうも煩わしくてあまり使ってないんですよね…



付属品として革製のペンケースのようなキャリングケースが付属。これが実に良い質で、所有欲を満たしてくれます。



内部には仕切りがあり替えのイヤーチップや予備の電池を収めることが出来ます。実用に即したデザインですね。

3.NC性能と使用感

本機の最大のポイントであるNC機能の性能についてですが、こちらは極めて優秀です。私は実を言うとNCヘッドホンが少し苦手で逆位相音によるノイズの相殺時に発生する高周波(?)ですぐ頭が痛くなるのですが、こちらはそのようなこともなく実に快適です。現にこの文打つ際も本機を使用しつつ書いていますが、PCのファン音が全くと言っていいほど聞こえません。これは素晴らしいですね。
ただ、NC機能ON時はややホワイトノイズが聞こえますね。音楽流せば気にならない程度のものですが。
先述の「フルオートAIノイズキャンセリング機能」による自動モード切り替えによって騒音環境に合わせて最適なNC効果を発揮してくれるので、騒音の多い電車内から静かな場所に移っても違和感なく使用を続けられのも美点です。
またフルデジタルアンプ「S-Master」による増幅も自然な感じで、本機のように電源が入っていないと音楽再生が出来ないタイプのNCヘッドホンとしては音質的違和感もなく良い出来ですね。
サウンドモード機能BASSモードMOVIEモードがあるのですがBASS モードは個人的にはあまり使用しないものの破綻のない範囲で低域を増幅させてくれるので人によっては有用な機能と思います。
MOVIEモードはダイナミックレンジを下げ、MIDを増幅させることにより人の声を聴きやすくする、といった機能なのですが…こちらもあまり使ってませんw
しかし飛行機で映画を見るときにこの機能を使ってみると快適かもしれませんね。

4.音質
トータルバランス---フラットからややカマボコ型のバランス。どの帯域も破綻なく再生してくれますがやや地味めな感触です。

高域---結構もったりした音でシャープさには欠けますね。目の覚めるような鮮やかさや刺激感はあまり期待できないと言っていいです。
しかし好意的に解釈すれば移動時の騒音ストレス低減としてのNCヘッドホンですので刺激感の少ない音は長時間移動時の使用でも聴き疲れが無いため良いのかもしれませんね?

中域---やや遠目の音ながら大きな癖もなく聞こえてきます。ややミッドハイに山があるのかサ行の刺さりが感じられ、カサついたような感じも。しかしそこまで大きな欠点とは感じない範囲です。

低域---BASSモードなしでも必要充分な量感ですね。重さ、太さはそれなりで割りとタイトめな感触。ここに更なるパワー感を求める場合はBASSモードへ!かなりズンドコな感じになってこれはこれで面白いですね。

解像度---NC機能がメインであるということもあり、イヤホン部の性能はそれなり。よって解像度もあまり良くなく価格から考えると悪く感じられます。しかし1万円クラス程度の解像度はあるため、DAP付属品等とは比較にならないほど良いですが。原音忠実性に関してはやや靄がかかったような音なのもあり、キレ、細部への描写感に欠けあまり良く感じられません。

音場感ーーー音場感はカナル型イヤホンとしてはかなり大口径なドライバーユニットを使用していることもあってか、普通からやや良好といった感じ。しかし定位感はあまり良くなく音場感が良くとも音が混ざりがちでややゴチャゴチャした感覚。惜しいですね。


5.まとめ

総評としては惜しい子!って感じですね。音的にはNCヘッドホンの中ではかなり頑張っている部類だと思うのですが、もう少しシャープさが欲しいですし、肝心のNC機能もその心臓部たるNCユニットの取り回しが良くないあたりが…決して悪い製品ではないのですがもう少し細部まで練られてると良かったのになぁ…と思ったり。
結構自分にしてはこき下ろしてしまいましたが、久々に引っ張りだして使ってみるとNCヘッドホンってのは面白いものですね。電車内でのストレスはかなり低減されますし、なにより根本的な技術はシンプルでも、それを実用レベルとして使うにあたってのバランス調整などはメーカーの個性や努力を感じる興味深い点です。
NCヘッドホン・イヤホンを使ってみたい!しかしヘッドホンはデカイから嫌だ!それに音質も犠牲にしたくない!という御仁は試されてみてはどうでしょうか。取り回しも工夫次第で何とかなりますし、ハマる人にはハマる一品だと思いますよ。

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