モテ野菜 紫にんじん編 | 園山一家の幸腹(福)

モテ野菜 紫にんじん編

見かけによらないのは、人も野菜も一緒です。

一見ハードボイルドなのに、実は優しくて、人懐こい笑顔を見せてくれるあの人や、
ほわんとキュートなあの子が、実はバリバリのキャリアーウーマンで年収数億円!とか、
よくありますよね。

よくあるんです。
お野菜でも。

どよんとして「ちょっとちょっと・・・大丈夫?休んできなよ!」と
思わず心配しちゃいそうな、憂いを帯びた外皮の色をしていながら、
むき始めると、「しゃきーん!実はこんなに元気でしたー!」というこの子。

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紫にんじんです。


分かっているのに、ヘタを落とす度、毎回びっくり。

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アバンギャルド!

厨房のまな板の上しか世界を知らない彼らが不憫です。
ぽっけに入れて、原宿にでも連れ出してあげたい!
草間彌生展の会場に、そっと置いてきたい!

そんな想いをぐっとこらえ、せっせと皮をむくと、

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いやはや参りました。
こんな芸術に日々触れられるなんて。

大人びた表情をしているけれど、
いくつになったってやんちゃなのは、野菜も一緒なんですね。

うーん、このギャップ、たまらない。。
モテ野菜ですね、完全に。

騙されないぞ!と思っていても、
こんな風にギャップをチラリと見せられると、
即恋に落ちてしまう、学習能力のない私です。。




一枚いちまい、ベールをはがしていくようで、皮むきは非常に緊張する作業です。
(あんまりズケズケと無断で近づいて行くと、警戒されますからね)
でも、
内に秘めた情熱的なオレンジは、
それなりに距離をつめないと、見えてきません。

そこに、恋愛、もとい、調理の楽しさがあるわけです。

ある種の覚悟を持って野菜と向き合うと、
彼らの変化をすんなり受け入れられるし、
ベストな状態にしてあげたい!という気持ちが高まります。

料理は、愛ありき。

糖度抜群という特長をいかして、
お塩とオリーブオイルのみで、シンプルにサラダにして、
メインのハンバーグにがっつり添えておりますので、
ぜひお試しくださいね!


それにしても、野菜が見せてくれる表情は、本当に面白いです。
いちいち時めいて、すぐにギャップにやられてしまいます。
こんなに惚れっぽくて大丈夫かな。。

野菜業界きってのナンパ師になれそうな、五味渕かぐみがお送りいたしました。