まず頭を悩ませたのが複製しなければならないということ。
1つだけであれば、使う素材に自由度がききます。
もし1つだけでよければ、軽量樹脂粘土を使ったと思います。
割れにくく、軽く、丈夫だからです。
デメリットは、固まるのにえらい時間がかかるということです。
一応ものは試し。一部分でやってみました。
1番厚みがあって乾きにくそうな帽子のツバの部分↓

デメリットもう一個ありました。
相当ぎゅーーーっと丁寧に押し込まないと、せっかくつるつるの型作ったのにこんな凸凹できちゃう。
やっぱり柔らかいテクスチャー(液体系)のものを流し込むのが良さそうですね。
ー 石膏でやってみる ー
意外と水との割合が難しかったのでもうやりたくなかったですけど。笑
試しにやってみました。

すぐ固まるから水多めにして、薄く塗り広げる。

補強のためにハードチュールを入れてみる。
(衣装製作家なので、こういうの家にストックある)

写真だとわかりにくいけど、チュール全体に貼ってる。
そして石膏流すの繰り返し。

できた!
けど、シリコン型(右のやつ)から外したら、鼻折れた🤣

細長いから綺麗に流し込むことが出来ず、空洞できちゃいましたね。
そんな予感はしていた。
していたけど、予想以上に重い😂
こんなの顔につけるとか絶対ムリって重さでした😂

やけくそになって割った。笑
ただ、めちゃくちゃつるんとしてて綺麗!!
これ、顔につけるんじゃなくて飾るとかだったら最適かも!

捨てるからもっと割った。せつない。
断面。

そして石膏のデメリットまだある。
水で洗い流せないので(水道管詰まるから)拭き取って捨てるという面倒さ。
ー UVレジンでやってみる ー

シリコン型に筆で塗り拡げる作戦。
レジンは流行る前から扱っていて慣れてはいるものの、
全体的に流し込んで固形を作るのではなく、薄く均等に塗らなければならないので、正直やり始めた時点でこれ違うな。って思ってました。笑
ただ、常に実験⇨検証の精神でやってるので(どうなるのか知りたい)
とりあえずやってみる。
レジンだけでやろうとするとめちゃくちゃ使うな(レジン液は高い)…と気付き、レジンに半紙を入れてみた。
薄すぎて少しもレジン節約出来てる気がしなかった。

UVランプあてて硬化。

気泡が凄い。
すでにもう絶望。

なにこれwww
抜け殻できた🤣
もう途中で諦めて厚塗りはしなかった。
何度も言うけどレジン液高いからね。
ちなみにユザワヤ高すぎてびっくりしたよ。
皆Amazonで安いの探したほうがいいよ。
ただ、抜け殻みたいな造形したい時こうやって作ればいいんだ😳って思った。こういうやらなくてもいいような失敗の経験もどっかで活きてくるんだよなぁ。抜け殻製作の機会があるかはさておき。
アイデアの引き出しが増えたよ。
さぁここからが本番ですよ!
お待たせしました!ようやくFRP樹脂の登場です!

用意するものはこちら。FRP樹脂、ポリエステル硬化剤、タルク、容器、刷毛、シンナー、ガラスマット(写真に写ってないけど)
この容器ぺらぺらしてる使い捨てのやつなんだけど、一個150円くらいだったかな?本当はセットする専用のケースもあるけど、全然これだけでも使える。とても便利。
タルクって粉は強度を増すために入れます。ライダーマスク作ってる人の動画見て学びました。
最初にFRP樹脂とタルク混ぜます。

混ぜ終わったらポリエステル硬化剤を入れる。
これを入れたら徐々に硬化が始まるのでスピード勝負!!!
分量は、気温によって変わる。暑ければ硬化剤少なめ。
うん、やってみたらわかる。
ほんとにね、だんだん感覚でわかるようになる!

筆で急いでまんべんなく塗って、放置。
まずは1番外側になる一層目。
そしてここで、先程名前だけ出てた材料ガラスマットの登場!

こんな感じの、ガラス繊維がシート状になったものを補強に使います!
こちら…
二度と扱いたくない素材ナンバーワンです😇
ガラス繊維が舞う。
服に刺さる。
体にも刺さる。
しかもあんまり見えない。
めちゃくちゃ大変でした😇
さてさて話は戻って、こちらをちぎって、ちょっと揉んで、柔らかくした状態で用意しておく。ツバメの巣みたいですね。
そしたらもう一度FRP樹脂を塗って(接着剤の役割)
貼り付けていく。

これはちょっと分厚すぎた!
もうちょっと揉んで薄くしたほうがいい!
と、後に気づく。

こうやってガラスマットにFRP樹脂を染み込ませていくので、
分厚いと樹脂の染み込みが悪く、ガラス繊維が浮いちゃうんですよ。
ライダーマスク作る動画見て学んだんですが、こんな凹凸ないのでやりやすそうだったなぁ。
で、これを繰り返す。

3回目のガラスマット。
ほんとこれくらいの薄さで良い。
で、途中で事件起きた。
動画でご覧ください。
なんかパチパチ聞こえるなと思ったら煙でてたwww
硬化剤の割合が多かったのと、プラカップに入れていたために厚みがあって熱がこもってしまい、発火するとこでした危ない😂
サイズ的にプラカップが使いやすかったのですが、最初に紹介したような平たく伸ばせる容器のほうがいいです。
外でよかった…。まじで焦りました😇

どうですか!結構綺麗じゃないですか?内側!
樹脂⇨ガラスマット⇨樹脂⇨ガラスマット⇨樹脂
の状態がこれ!!
お面にするから両サイドに平紐埋め込んだよ!
そして、周りに飛び出た余分なガラスマットを取り除く。

これがまた大変でして。
飛び出たガラスマット、樹脂染み込んでカッチカチなの。
FRP樹脂って車のボディーとかに使われてる素材なんですよ。
放り投げても全然変形しないし、叩いたらコンコンって音なる感じ。
素材感伝わりますかね?笑

そしたらいよいよ、型から外しますよ😳
せっかくなので動画におさめました。
気持ちいいですね😍

では取り外したお面のバリ取りをしていきます。
これ、なかなか大変です。先程も書きましたがとても硬いので!
ガラス繊維が少しでも出てると痛いるので、内側まで気を遣って削っていきます。
え、待って。

気泡が凄い😇
気泡自体はあとで塗装するからいいんだけど、外側が薄すぎて割れるからこれはなんとかしないといけない…
前半に書いた、ガラスマット分厚すぎた問題が影響してますね。
FRP樹脂がガラスマットに浸透しないまま2層目が硬化しちゃったんですよ。

気泡多すぎて辛い🥺
とりあえず縁のガタガタをニッパーで切る
からの、ヤスリでなだらかにする。

外側が薄い気泡は割っちゃう。

レジン流し込んで埋めることにしました!

使いどころがあったねレジン😂
こういう細かいところをささっと補正するにはもってこいだ!
すぐ固まるし!
レジンで埋めた!わかりますかね?

ただ、どうしても少し盛り上がっちゃうのでヤスリでなだらかにしました!
さて、ようやく塗装しますよ!

まずは黒い紐に塗装がつかないよう、
畳んで、ラップにくるんで、マスキングテープで留めました。
凹凸が多いのと、陶器のようにしてほしいという要望だったので、
塗料は刷毛跡がつかないラッカースプレーにしました。
乾かしてます。
夜これ外においてあるの怖いですねw
あ…。

塗装してから気づいたこと。
細かい凹凸が🥺
これ、原因なんだったか覚えてますか?
シリコン型作った時、あんなに気をつけながらシリコン液流し込んだのに
気泡できてるじゃないかー!
ってなって、とりあえず油粘土埋めた。って言ってたやつです。
使ってたらいつの間にか取れてたようです油粘土😇
てことで、削っていきます。これはヤスリより彫刻刀のが早そう。
あぁーーーー!!
刺さった。
安心してください。これさえあれば大丈夫。
凄いんですこれ。
ガーゼのついてないただの防水テープなんですけど、
サクッと切れた傷にはこれが1番。
仕事中カッターでよく指切るんですけど、これ貼っとけば2日くらいで傷治ります。綺麗に切れた傷は綺麗にくっつくんだと思います。
傷跡も残りません👏✨
常備しておくといいですよ!

しかも目立たない☝
さて話を戻しまして、
気になりだしたら止まらない。あっちこっち削っては埋め始める。
このほっぺたひどかったなぁ…👇
また例のガラスマットに染み込んでおらず空洞が出来ちゃったやつなんですが、面積が大きくて😂このお面凹凸が多いからガラスマット馴染ませるの結構大変でした。

ここはレジンではなく、軽量樹脂粘土で盛ってヤスリがけしました。
そうして補正し終わったのがこちら↓
ここからまた3回くらいラッカー塗装重ねる。
からの、最後にニスで仕上げ!
①でも登場したこちら!
ウルトラバーニッシュマット!ほんと、光沢のないマットな仕上がりになるので陶器のような感じにしたいというご要望にぴったり!
テクスチャーも柔らかいので筆でのあとつきません!最高!
あと、こんなこともあった。
紐の付け根割れた😇
中途半端に樹脂の液が染み込んで、固くなってパキッといってしまった。
つなげることは出来ないので、上からもっかい樹脂流してタルク入れて厚塗りしてつけ直した!
そして最後の難題!

こういうプレートを目元につけたいと。
◯何の素材で作って、どうやって接着する?
◯どうやって前が見えるようにする?
これも頭悩ませましたねー。
これのプレート込みで型を作る。っていうのも考えましたが、顔とプレートのつなぎ目とか難し!!と思って別にすることにしました。
そして、最初は細かく穴を開ける予定でしたが、
お面とプレートを別にしたおかげで隙間からちょっと前が見えたため、
穴無しでいくことに!
いいものを見つけました。
ポリプロピレンシート!
柔らかい下敷きみたいな感じですかね!
カッターで切れるので加工しやすいし、お面の形に合わせてカーブさせないといけないのでこの柔らかさちょうどよかったです!
さて、どうやってロゴを描こうか…
とりあえず白くしよう。
ラッカースプレーで白くした。
イラストレーターでロゴデータを作るって、
スキャンカットでカッティングシートをカットする。
慎重に貼ってく。

黄色いラインもスキャンカットで作り、
慎重に貼ってく。

なんということでしょう!!

塗装ごと剥がれました🤣
そりゃそうか。
つるっつるのところに吹いたスプレー。
綺麗にぺろっと剥がれました。
また考え直し。
待てよ。これ、白くする必要あるか?

この半透明の状態のまま、つけてみる。
お?なかなか良いのでは?
問題は着用した時に外から目が見えてしまわないかどうか。
それは避けたいという要望だったので。

お?外から目見えないのでは!?
寄ってみる。

見えないよね!?
むしろお面してる側からしたら前見やすくてよき!
いざ接着!!
はい、剥がれた😇
ことごとくこのつるつる素材にやられる。
てことで、紙やすりで接着部分の4隅に傷をつけて剥がれにくくする。
よし!出来たよ!完璧😍

1つ別のロゴも注文されていたのでそちら!
ちなみに、カーブが多く接着する面積が結構少なかったので、
隙間に補強としてグルーガンつけてます!
写真撮り忘れた🥺
あ!あと、つけてみて気づいたのが、素材が固いからちょっと鼻が痛い。
シールタイプのコスプレボード(ウレタンの板材)貼ってみた。
触感はいいが、クッション性がないな…
スポンジつけてみるか!
いいぞ!これならいろんな鼻の高さの人にもフィットして良い!!
ようやく完成👏
それでは完成写真をどうぞ👇
納品。
擦れると塗装が剥げやすいので、収納袋作った!
家に余ってたベロアなんだけど、高級感あっていいよね!
おしまい🙌
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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