着物好きとしては、染織の現場を見てみたい!
当然の欲求ですよね。

でも、東京近郊にお住まいの方には、
京都や博多や新潟など、ちょっと遠出をしなければ
見学できないのでは???
と、思っている方も多いと思います。

しかし、、、
実は、東京も染織作家さんが活動している
「産地」の一つなんですよ。

江戸小紋や江戸友禅などの作家さんは、
落合や早稲田周辺に結構いるし、
今回お邪魔した藤山工房は大井町という
住宅街にあるんです。

というわけで、今回の産地見学ツアーは、
品川区大井町の「錦霞染織工房」です。

工房を訪ねる前に、まずは腹ごしらえ。
京急線の立会川にある江戸時代からの老舗の蕎麦屋、
「吉田屋」さんで蕎麦会席をいただきました。
食後に玄関先でパチリ!

$「ご縁の会」事務局長のブログ-吉田屋


撮影の後で、タクシーに分乗し、ワンメーターの
距離の工房へ。

$「ご縁の会」事務局長のブログ-藤山1


池上通りから、ちょっと路地を入ったところに
藤山工房はあります。作業場兼玄関先の庭で
藤山千春先生にお出迎えいただきました。

早速、庭先に植えてある木の実を手に取り、
草木染めのお話の始まり始まり。

$「ご縁の会」事務局長のブログ-藍ガメ


師匠の柳悦孝先生にアドバイスされたという、
土管を利用した藍甕や、藤山さんが良く使う臭木の木
などを、現物を目の前にして説明して頂きます。

$「ご縁の会」事務局長のブログ-機


外での話がひと段落したところで、屋内の機場へ。
憧れの吉野間道がひと織ひと織出来上がっていく
さまを、皆さんジッと見つめています。

$「ご縁の会」事務局長のブログ-お話


作業工程を一通り見学してから、テーブルに着いて
「吉野間道」の由来などを藤山先生から聞きました。
写真の裂は、もっとも吉野間道らしい色目の作品です。

$「ご縁の会」事務局長のブログ-集合写真1


お茶を飲みながらの楽しいひと時もアッという間。
あまり長居しては、先生のお仕事にも差し支えるので、
最後に先生を挟んで全員で記念写真。
今回の参加者のうち、2名は藤山さんの帯を締めて
来られました。まさに里帰りですね。

$「ご縁の会」事務局長のブログ-集合写真


帰路は、徒歩でJRの大森駅まで。
途中にある大森貝塚公園の桜の木の下で
もう一度、記念撮影。

東京都内でも、純粋な草木染めと手機の工房がある
なんて、皆さん、ちょっとビックリだったのでは?
「ぶらり途中下車の旅」的な、工房ツアーの一日でした。
岩手から、うれしい知らせが
届きました。

宮古の桐たんす工房の生産活動が
再開されたそうです。

お陰さまで、私どもから弊社のお客様への
プレゼント品も含め、
「岩手産 総桐たんす」の発注は、
数十棹になりました。

5月末から、6月初旬あたりに順次お手元へ
お届することができそうです。

プレゼント品以外の各種たんすも
受注できますので、商品群はそめの近江HPを参照してください

$「ご縁の会」事務局長のブログ-浄土ヶ浜


↑の写真は、宮古市の景勝スポットの浄土ヶ浜。
東北地方の復興のお手伝いとして、
岩手県宮古市の桐たんすの受注予約を
始めましたが、「そめの近江」からの
プレゼント品も含め、
順調にご予約をいただいています。

現地の工房は、津波被害を避けられたのですが、
金具屋さんが被災したようで、
納期に関しては、もう少々お待ちくださいとのこと。

で、今日は宮古の総桐たんすのウンチクを一つ。

$「ご縁の会」事務局長のブログ-やしゃとのこ


↑の写真は、「やしゃとのこ」仕上げという工程。

$「ご縁の会」事務局長のブログ-ヤシャブシ


この「やしゃ」とは、ヤシャブシのことであろうと推測します。
(復旧が落ち着いたら、職人さんに確認しますね。)
ヤシャブシは、草木染めにも使われる木で、
その木の実にはタンニン分が多く含まれます。
この木の実の抽出液に、砥粉を混ぜたものが
「やしゃとのこ」の正体であろう。

この仕上げをすることで、桐の柾目がはっきりと出て、
しかも、湿気調節に効果を発揮するらしい。
(これは、確認済み)

天然素材で仕上げる、伝統の知恵ならではの仕事ですね。