「気が早い!」
「また、適当に・・・」と、
笑わないで欲しい。
科学は、ホタルが乱舞する日を予想できるまでになっているのだ。ゲンジボタルを地道に研究されている方の成果だ。ホタルが舞っているところを見るとウキウキするボクには、今日か今日かとあせらなくてもいいなんて、なんてうれしいことなんだ。ちなみに、産卵日が分かると孵化日も予想できるのだが、それは後日にでも。
## 画像の▲(黄色)の上にポチッと白く光っているのが、
## ゲンジボタルの幼虫です。
さて、ここ数日、朝に昼に夕に夜に、地面の温度を測っています。もちろん、ゲンジボタルが上陸して、土繭を作っているだろうあたりの地面の温度です。
ホタル百科*1を読むと、上陸から羽化までの期間は、地面の温度が関係しているらしいです。それは、『地面の温度』と『上陸から羽化までの日数』を掛け算すると『680』というマジックナンバーになるそうです。
この数字は、今後、いろいろな温度によって検証されれないといけないそうですが、ホタルの羽化がいつごろなのかを予想するため、ひとつの目処を立ているのに利用させていただこうと思います。
ゲンジボタルは、地下1cmから6cmあたりで、土繭を作るそうなので、4cmほどの深さの土壌温度を測定しました。ついでに、気温と水温も測定しました。
表. ゲンジボタルの観察場所の温度
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測 定 日 時 St.1 St.2
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2005.04.12 21:00 9.8 / 12.1 / 13.9
21:30 9.4 / 12.0 / 13.4
2005.04.13 11:30 17.9 / 15.8 / 17.6
19:30 11.1 / 14.1 / 15.4
21:00 9.8 / 12.4 / 13.7
2005.04.14 08:00 10.4 / 11.1 / 11.2
2005.04.15 14:55 23.8 / 18.5 / 19.0
15:50 23.4 / 16.7 / 17.7
2005.04.17 08:30 14.0 / 11.2 / 11.1
2005.04.18 07:15 12.4 / 11.8 / 11.4
07:45 14.8 / 14.0 / 13.6
21:15 16.0 / 15.2 / 14.1
2005.04.19 21:30 16.7 / 16.9 / 17.2
21:50 16.4 / 16.8 / 15.8
2005.04.22 07:30 13.7 / 13.3 / 12.1
2005.04.29 21:30 20.6 / 19.2 / 20.5
22:00 20.3 / 19.3 / 17.9
2005.04.30 10:00 26.3 / 22.1 / 19.9
2005.05.02 07:30 19.2 / 18.8 / 17.5
08:00 19.1 / 18.1 / 19.4
2005.05.10 06:40 12.8 / 16.8 / 15.5
07:00 14.6 / 16.9 / 17.1
18:30 18.0 / 18.1 / 20.9
19:00 18.6 / 18.2 / 17.8
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温度は、気温/水温/地温 この表は随時データを加えていきます。
[St.1]では、最低11.2℃、最高17.6℃でした。中央値は14.4℃です。
[St.2]では、夜しか測っていないのですが、中央値は13.6℃です。
(式・1)を(式・2)のように変形して、これらの中央値を土壌温度に代入して日数を求めると、
[St.1]では47日、[St.2]では50日と出ました。
4月12日から日数を数えると、
[St.1]では5月29日、[St.2]では6月1日となりました。このあたりが、ホタルの乱舞を見ることができる日でしょうか?
この後も気温が上昇するのにともなって、土壌温度の上昇するはずですから、ここで予想した日よりも、早いように思います。たとえば、土壌温度が17℃だとすると、5月22日になります。ただ、ホタルの寿命が2週間くらいなら、乱舞もそのくらいの幅で見ることができるのではと思いますので、目安としては5月下中から6月上旬という辺りでしょうか。
そうそう、注意してほしいのは、この話は、ボクが観察して地域の話であって、全国的には九州のほうがもっと早いだろうし、関東のほうがもっと遅いだろうと思います。岡山県内でも、1ヶ月くらい違います。細かく言うと、この観察地点から、1kmほど北にいった場所では、ここよりも2週間ほど遅いのです。
非常に局地的な予想だということです。
はてさて、どうなりますか?ホタルが発生したら、また、ホタルについて書こうと思います。
参考文献
*1: ホタル百科 東京ゲンジボタル研究所著 丸善(株)発行 2004年
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