昨日、ふと日本で仕事してことを思い出す。


今でもやりきれない気持ちになる。


脳卒中後の認知症の患者さん。


昔から食べることが生きがいだったらしいです。


しかし脳卒中により、嚥下障害で

サイレントアスピレーション(不顕性誤嚥:ムセない誤嚥)…。

一口食べる度に誤嚥して、ごろごろ…SpO2(血中酸素飽和濃度)もみるみるうちに低下。


VF検査するも、経口からの食事はかなりリスクがあるという結果に。


認知症により、背もたれを倒した状態で食べるという指導もなかなかできません。


Drより、経口からの食事はストップがかかりました。


Drから家族に「胃瘻にしますか?」とインフォームドコンセント(IC)がありました。


家族は、

患者さんから食事を奪ってしまったら、何も残らない…

昔から胃瘻は嫌だと言っていました。

苦渋の選択だが…

胃瘻はせず

できるだけ経口から食べてもらいたい…

それで亡くなってしまっても、患者さんは本望だと思います

好きな物を好きなだけ、食べてもらいたい

……先生、私の考えは間違ってますでしょうか?

と泣きながら、話されました。


この時、私は自分の能力・知識がとても無力で

情けなくて、何もできないことが申し訳なくて


私は患者さんを助けるために、言語聴覚士になったのではないのか。

目の前にいる患者さんを助けることができないのか…


IC中にも関わらわず、泣いてしまいました。


Drからは「患者さんたちが選んだことだから、技術云々ではない」と言われましたが。


病院での仕事は、大半は

患者さんが病気になることで

仕事ができます。


学生の時

「病気になって、つらい思いをしたけど、

あなたと会えたから病気になってよかったかなって思う」と考えてもらえるような

言語聴覚士を目指してました。


それは今でも同じです。


昔も今も

知識も技術もまだまだです。


だからずっと勉強し続ける必要があると思っています。


このことを忘れず、一人でも良い人生を送ってもらえるように

手助けしていきたいです。


人も自分も後悔のない人生を送るために。