太陽光発電は原発の代わりにならない!?
桜も一応は学位を持っているので、理工学全般に対する基本的知識は持っている。
もちろん電気の基本的知識もだ。
ということで、皆さんに問題を出したいと思います。
今、世間を騒がしている話題に関する基本問題ですが、以下、わかりますか?
<問題>
太陽光発電は、原発の代わりになるか?
この問題、高校で物理を選択して、電気のことを学んでいれば比較的簡単である。
テレビや週刊誌などを主な情報源としている文系出身の方は、「代わりになる」と答える方が多いと推察される。
しかし残念ながらこれは間違いである。
太陽光発電では原発の代わりにはならない。
なぜか。
原発は24時間発電可能だが、太陽光発電は昼間しか発電できないからだ。
ここで重要かつ意外と知られていないことは、電気はそのままの形では貯められないという特性だ。だから、時々刻々、必要な分だけ発電しなければならない。
昼間しか発電できない太陽光発電では、夜は真っ暗になる。
そこで、もしも夜を真っ暗にしたくなければ、昼間に発電した電気を電池に蓄える必要がある。
電池は、自動車に載せている鉛電池などいろんな種類があるが、要は電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄積するものだ。
しかし、電池は、現状、小型のものしか実用化されておらず、家庭で使う程度の少量の電気は蓄えられても、ビルや工場などで使うような大量の電気を蓄えられる大型電池は存在しない。
また、小型と言えど電池は値段が高く、充電した分の電気を全て取り出して使うこともできない。10%とか20%とかのロスは必ずある。もちろん電池そのものの寿命もあるので、何年かに一度は交換しなければならない。
ただ、カネに糸目をつけなければ、家庭用のような小規模なら、太陽光発電に電池を併設して、一切、電力会社から電気を買わない、自給自足のシステムを構築することは可能だろう。マスコミでよく出てくるのはこれだ。
遠い将来、大量の電気を蓄えることができる大型電池が実用化すれば、実質的に太陽光発電が原発の代わりになると言えるだろう。
さて、では現時点で原発の代わりをできるのは何か?
それは火力発電しかない。火力発電なら24時間運転できる。
脱原発するなら、その分の火力発電所をつくればよいのだ。
東京都の石原知事などが火力発電所をつくる構想をぶち上げているのは、このためだろう。