冬物語⑪

テーマ:
“春待つ花は真っ白な雪の中で蠢いて
雪解けの朝に咲いて見せるのを
待っている”

和馬さんの声がきこえないように必死に抱いた。
何度も...
少しだけ汗ばんだ真っ白な肌に吸い付き、印をたくさんつける。
余裕がなかった...

いつの間にか、和馬さんは帰っていた。

俺に背を向けて眠る紗和...

ギュッと力強く抱き締める。

「ん...くるし...」
『わりぃ、起こした...』
「はぁ...」
『和馬さん...帰ったみたい。』
「そうですか...」
『行かなくて良かったの?』
「行ってほしかったですか?」
『いや...ダメだけど...』
「じゃぁ、聞かないで。」
俺の方を向き、胸筋を指でなぞる。

『ん...はぁ。和馬さんに渡したくないんだけど...どうしたらいい?』
「捕まえててください。どこにも行けないように...」
『上等...俺だけしか見れないようにしてやるよ...』

また覆い被さり、上から見下ろして笑う。
自ら俺の首に手をまわし、自分へと引き寄せてきた。

『愛してる...』
「私も...愛してる。」

“抱き締めたなら始まる冬物語
どんな痛みも溶かしてみせるよ
恋よりずっと温かい
深愛だけをあげるよあなた
幸せな時を一緒に過ごしたいって
ただそんなこと願うんじゃなくて
悲しみや涙も全部受け止めたら
初めて思ったんだ
because  of you”

~完~
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