恋愛適齢期

恋愛適齢期

私が「小悪魔」と呼ばれるようになった理由・・・


Amebaでブログを始めよう!

刻々と状況が変化する。



たまに街のどこかで

貴方とすれちがう事があったとしても

私は気がつかないかもしれない。



貴方を想う気持ちに嘘イツワリはないけれど

現実に目をそらして生きていけない。



どこで曲がれば良かったのか

どの路を選べばよかったのか

今の私にはわからない。



でも信じていたい、

私の選択は間違っていなかったと。



常に

自分にとってのベストを選んできたと

信じることが唯一私に出来ることだから・・・



今こそ、自分の力で

前に歩き出そう・・・





貴方が「そうしたい」と強く望んで

その望みを叶える条件が整ったとき



約束は守るよ・・・



それがまるで

履行しなければならない義務

であるかのような言い方をするから



私は「気にしないで」と返して

素直に予定を伝えなかった。




貴方の

そんな生真面目なところが



私の

ちょっと意地っ張りなところが



やっと

近くになったかのように感じた

ふたりの関係を

また

蜃気楼にしちゃったね・・・




ちょっと哀しくて

ちょっと滑稽で

涙が止まらなすぎる夜は

「テールレスドッグ」で充分だなんて

知りたくなかったのに・・・・・


急に寒くなって


急に貴方が恋しくなって


急に

この雨の中

傘を差して独りで帰るのが嫌になって


私は自分の体温を確かめるかのように

胸元に顔をうずめる。


朝ワンプッシュしただけの香りは

湿気と共に立ち上ってきて


少しだけ

貴方の腕の中で

眠りたい欲望に駆られる。



貴方の好きな香りを纏った私を

今夜抱いて眠ってくれますか・・・?



貴方は、

いつも、それが

日常であるかのように

メールを送ってくる。


昨日まで

恋人同士であったかのように

何気なく

さりげなく

近況を尋ねてくる。


私には

それが少し苦しく

半ば 『面倒』 に近い気分でもあり


極力

短文で

即返信する。


たとえ

好きな相手からの

メールであったとしても


乱暴に言えば

『面倒』 に感じるあたりは

私が少し男性的なのかもしれない。


『面倒』 なゆえ

シンプルな返信をしたにも関わらず


尚一層熱いこの文面を


そのまま

さらっと受け取る

可愛げのない女が

今夜も

ここに生まれる・・・



スモーキーな空と

同じ気持ちで始まる週末


湿度の高いベランダで

過ごすことも出来ず


大好きなチョコ入りの

クロワッサンとコーヒーを

楽しむ気にもなれず


室内のソファーで


すっぴんのまま

まったりと

時の流れ行くのを

静かに感じる。


私は9月が大嫌い・・・


貴方と

当然のように過ごすその人の

お誕生月だと

何となく知ってしまったから・・・



貴方と

どんな距離で

どんな形で

この気持ちを上手に

操っていけばいいのか


私には

まだ

答えが見つからない・・・

低めの甘い声が

耳をくすぐる。


会話より、

その心地よい響きに

全神経を研ぎ澄ます。


声だけで

既に蕩けている自分を

悟られないようにするため

努めて自然に、

いつもより

トーンアップして話す。



いま、ひとり?


なるほどね・・・

だから電話に出れたんだ・・・


お互いに軽く近況報告を

済ませると

彼が唐突に言った。



会いたい、

会いたいんだ・・・


例の場所へ

一緒に行こう・・・


泊まりで・・・



目の前の携帯が

心地よい音楽を奏でる


それは

あまりに久しぶりの事だったから

電話に出ることさえ忘れて


ただただ

ぼーっと眺めていた・・・


我にかえった頃には


電話は切れ


あの人からの着信を

知らせるランプが点る


あ・・・

メールじゃなかったんだ・・・


メールの着信と電話の着信


その音の違いさえ

忘れてしまうほどの時間が


ふたりの間に流れていた


慌ててコールバックしたその先に

懐かしすぎるあの人の声が響いた・・・



久しぶり・・・

元気にしてたか?


聞くんじゃなかった。


聞かなきゃ良かった・・・



それは

あまりに

予期せぬ言葉だったから、


まさか


そんな台詞が


よりによって


貴方の口から発せられるなんて


聞いてるそばから

信じることなんて出来なくて


私は


壊れたテープレコーダーのように


貴方の台詞を


聞こえたまま素直に繰り返した。




「こわかったんだ・・・」






ギリギリで

スレスレの会話こそ

男と女のエッセンス


実現するか否かは

別問題



瞬時に空気を読む力


言葉にする回転の速さ



どちらが欠けても

スパイスには成り得ない



本気で捉えないで・・・



これは

ただの言葉遊び


ちょっとした

駆け引き



貴方が

一瞬ひるむ時



貴方の中に

貴方の彼女の影を

ふと感じ


その彼女が

駆け引きさえ知らない

小娘だと悟ってしまう・・・







今頃あの人は

どうしてるのだろう・・・


たまに

あの日のことを

思い出すのかな?



二人にしか分からない空間



二人しか知らない秘め事



あの夏の日

確かに存在したキラキラ




あの恋愛はもう完結したもので


既に美しい想い出であり


ふたりの人生は

交差するはずもなく


メマグルシイ日常の中で

思い出すことも無く


記憶の小箱へ

仕舞われていたものだったけど




ひょっとしたら


信号待ちの交差点で


地下鉄のホームで


思いもかけないところで

すれ違って


遠い記憶にしかない

貴方の香りをふと街で感じて


振り返る可能性だって

この先絶対無いとは言えないのに


言えないはずだったのに




東京に

冷たい雪が静かに降り続いた日、


私たちの秘め事は


私ひとりの、


私だけの、


秘め事になってしまった。