「とべ バッタ」を深読み | Show space

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絵本作家しょうみのりのブログです。

今日は深読み勉強会の日でした。
私は以下の絵本を選びました。

とべ バッタ
作・絵:田島 征三出版社:偕成社絵本ナビ

タイトル通りの内容です。
でも想像を超える展開で描かれています。

茂みの中に一匹のバッタが居ます。
カエルやクモ、鳥などの天敵に囲まれて、ビクビク、おどおど暮らす日々。
草の裏に隠れる毎日がつくづく嫌になって、岩の上に堂々とその姿を見せます。
ヘビに襲われ、カマキリに飛び掛かられ、その瞬間バッタは高く飛び上がりました。
天敵たちを打ち砕きながら空まで飛んで、そして落下してしまいます。
今度は海の魚たちの餌食に…万事休す!
という場面になってバッタはやっと、自分の背中についた4枚の羽根に気づきます。
その羽根を使ったら、下手な軌道を描きながらも、空へ遠くへと喜びの気持ちで、どこまでも飛んでいくことができたのです。

ラストのひと落ちは自信に満ち溢れたものでした。

強い生き物に囲まれ、社会の理不尽を痛感したとき、どう生きることができるのか。
自分の羽根(喜び)で生きていけばいいんだと、だから飛べ!飛ぶんだよ!と言ってくれているような絵本でした。

そしてもう一つ。

きつねとねずみきつねとねずみ
作:ビターリー・V・ビアンキ / 絵:山田 三郎 / 訳:内田 莉莎子出版社:福音館書店絵本ナビ

これはー、
私、絵でも話でも、これ!という人はなかなか知らないし、出会ったことがないんですが、この人の絵はすごく好きだと思いました。
山田三郎さん。
もともと人形劇の分野で活躍された画家さんだそうです。
劇団プークの再建に努めたとあります。

私、人形劇は昔から大好きで、だからこの作品に惹かれたのが分かる気がします。

以前、芸術家になりたくないと書きましたが、正確には「なれないと思ってる」なんだと思います。
このぐらい描けなきゃ画家でも芸術家でもないと思うからです。

絵を専門でやるっていうのは、そういうことだと思います。

私が作りたいのはあくまで物語なんですよね。
しかも文章じゃダメなんです。
やっぱり絵本や漫画。絵があって物語がある。
頭の中のもの、そのものを吐き出したいのです。

できるのなら映像でもいいんですけど、映像のほうが難しい。
一人で出来るものといったら、この道だけだったんですよね…。

そんなことに気づかせてくれる、最高の絵を見つけたって思いました。
山田さんの絵だったらハガキやカレンダーでもほしいですね。

そういうの欲しい絵って無かったんですけど。
ようやく見つけました。嬉しいです。

ということで、
ここに来て下さっている皆さんが、待ち望んでいるものに必ずいつか逢えると信じてます。

今日の時間をありがとうございました。