昨日は、浅草21時30分発特急きりふり283号南栗橋行き6号車に乗車しました。300系301F6両(座席定員408名)でした。


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車内は回転クロスシートが並びます。リクライニングはできません。急行りょうもう用1800系を改造して1991年7月に営業運転を開始しました。製造初年は1973年7月ですから、車齢は39年を数えます。


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浅草または北千住から乗車の場合のみ特急料金300円が必要ですが、春日部からの乗車は特急券不要です。池袋からの乗車のみ着席整理券300円が必要で、ふじみ野からは着席整理券なしで乗車できる、東上本線のTJライナーと同じ運行形態を採用しています。


浅草出発時点では、68名が乗車し、乗車率は16.7%でしたが、北千住で127名が乗車し、乗車率は47.8%となりました。


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浅草はJR線と接続しておらず、ターミナル駅としては不利な立地にあることは否めません。1997年3月25日ダイヤ改正より従来は上り列車のみ停車としていた特急列車・急行列車が上下全列車北千住に停車するようになったことからも、浅草の地位低下が伺えます。


きりふり283号の車内は大半が通勤客です。新越谷を低速で通過し、浅草から34分、北千住からわずか22分で春日部に着きます。6号車からは6名が下車し、入れ替わりに21名が乗車しました。春日部から南栗橋までは乗車券・定期券のみで乗車できることもあって、乗客には高校生も多く混じっていました。


6号車は、東武動物公園4名が下車し、8名が乗車しました。当駅から南栗橋まで各駅に停車します。6号車の乗降の状況は以下の通りです。


杉戸高野台-6名+2名 幸手-3名+0名


そして、列車は定刻より5分遅れの22時27分に南栗橋に到着しました。当駅で下車した乗客は約60名、22時31分発区間急行新栃木行きに乗り換えた乗客は約20名でした。


私は区間急行に乗り換え、さらに栃木で宇都宮線東武宇都宮行きに乗り継ぎました。栃木で特急けごん237号新栃木行きの接続を待って、23時12分定刻に東武宇都宮行き最終列車が出発しました。けごん237号からは20名ほどが下車していました。


東武宇都宮駅西口の目の前のビジネスホテルで1泊し、翌朝当駅8時00分発特急しもつけ282号浅草行きに乗り込みます。


朝の東武宇都宮駅は、到着する8000系4両編成から大勢の乗客がホームに降り立っていました。列車の中は多くの立ち客で混み合っています。その多くは高校生でした。地方路線の多くはこうした高校生の通学輸送に活路を見出しているのが現状ですが、少子化が進むと通学輸送がかなり減少することが予想されます。すでに普通列車はワンマン化されており、将来を見据えたコスト削減が実施されています。


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浅草・北千住から特急スペーシア利用で栃木より壬生やおもちゃのまちなどへのビジネス需要が見込めることが、東武宇都宮線を支えていると思われます。しかし、少子高齢化による通学需要の減少を鑑みると、決して楽観視できる状況とは言えないでしょう。更なるビジネス客の獲得と通勤通学輸送の減少を食い止めることが何より重要です。


話しをしもつけ282号に戻します。


しもつけ282号は8時00分定刻に、東武宇都宮2番線を出発します。350系352F4両(座席定員264名)による運行です。クラシックな回転クロスシートが整然と並ぶ車内には、昭和の薫りが漂います。やはり、リクライニングはできません。1号車と4号車にはジュースの自動販売機が設置されています。


全体で67名が乗車しており、乗車率は25.4%です。そのうち、1号車の36名は団体客でした。


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東武宇都宮駅では発車合図を女性助役と駅務係の2人で行っているのを見て、若干の違和感を覚えました。しかもこの2人とも一番後ろの1号車付近に立っているのです。改札口が後方にあるからそうしているのでしょうか。せめて、もう一人は先頭の1号車か2号車付近に立たないと意味がないと感じます。それにしても、明らかに過剰人員ではないでしょうか。既に東武宇都宮線は4両編成の列車しか運行していないのですから、駅ホームの立ち番は1人で十分でしょう。


江曽島には5分程で到着します。ここで早くも3名が下車しました。入れ替わりに4名が乗車してきました。


おもちゃのまちでも1名が下車しました。ここでは15名のまとまった乗車がありました。壬生では下車はなく、4名が乗車しました。


新栃木では下車はなく、6名が乗車してきました。ここで乗務員が交代します。


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栃木でも3名の下車がありました。入れ替わりに20名の乗車がありました。


しもつけ282号の特徴は宇都宮線内利用者が一定数いることです。私が乗車した時には、栃木までを含めると、7名が宇都宮線内のみの短距離利用でした。特急料金が300円と安価なことが利用を促進しているようです。


その後、東武日光線を南下します。沿線の田んぼは実りの秋を迎えて黄金色に輝いています。


利根川を渡ると、埼玉県です。きりふり283号が停車する南栗橋、幸手、杉戸高野台、東武動物公園を通過し、春日部に停まります。ここで、94名が乗車してきました。ほぼ全員が通勤客と思われる人たちで占められていました。


北千住では、4号車から19名が下車し、1名が乗車しました。早速車掌さんがやってきて、特急料金を徴収していました。ただ乗りはまず出来ないようです。


とうきょうスカイツリー(旧業平橋)では1名が下車しました。


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そして、列車は定刻に浅草2番線一般列車ホームに着きました。東武宇都宮から1時間49分の旅でした。36名の団体客はガイドさんに連れられて、浅草の町へと向かっていました。


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きりふり283号としもつけ282号に乗車し、色々と分かったことや、感じたことがあります。


まず、きりふり283号ですが、停車駅を増やして、活性化した方がよいように思います。新越谷に停車させてはどうでしょうか。新越谷までの特急料金を200円とすれば、一定の需要を見込めそうです。


そして、しもつけ282号は、春日部までは空席が目立ちます。栃木出発時点では、全体で110名の乗車で、乗車率は41.7%に止まっていました。東武宇都宮-栃木間に限って、特急定期券を1ヶ月用5,000円程度で発売してみてはどうかと思います。また、板倉東洋大学前に停車すれば、東洋大学の教職員に利用してもらえるかもしれません。あるいは、しもつけ282号を思い切って、「浅草282号」(下り列車は「しもつけ281号」のまま変更しない)に改称し、宇都宮線沿線から浅草へ向かう列車であることを強力にPRするのも一案です。あるいは「スカイツリーライナー282号」でもいいかもしれません。大観光地である浅草・東京スカイツリーに直結していることを宣伝しない手はありません。

このような施策で新たな需要発掘につなげたいものです。


前述した通り、東武宇都宮線の活性化は重要な課題です。少しでも需要を掘り起こし、料金収入確保の方策を講じていただきたいものです。