先月27日、西武新宿線西武新宿22時00分発特急小江戸43号本川越行き6号車に乗車しました。10000系7両編成による運行です。
西武新宿出発時点では全体で3割程度の乗車率でしたが、高田馬場で多数の乗車があり、6号車(座席定員64名)では54名が着席していました。全体の乗車率は80%~85%程度と思われます。
西武新宿から27分、高田馬場からは23分の所沢で25名が下車しました。着席人数の半数が下車したことになります。12月2日に、池袋22時00分発特急むさし33号飯能行き5号車(座席定員64名)に乗車した時も、28名が所沢で下車していました。西武特急の利用の太宗は、都心と所沢の間を移動する通勤客であることが分かります。
その後6号車は、狭山市で24名が下車しました。狭山市では下車改札が実施され、特急券が回収されていました。
終点本川越には定刻の22時44分より若干遅れて到着しました。当駅でも下車改札があり、特急券が回収されていました。
翌日28日は、本川越8時08分発小江戸8号西武新宿行き6号車に乗車しました。本川越出発時点では、全体の座席定員406名のうち18名の乗車にとどまっていました。
狭山市からまとまった乗車がありました。6号車には20名が乗車してきました。私の隣にもカジュアルな格好をした若い女性が着席しました。
6号車は、所沢で1名が下車し、28名が乗車しました。当駅では乗下車改札が行われていました。
所沢出発後、車掌による車内改札が実施されました。私の隣の若い女性は熟睡していたのですが、車掌に起こされていました。慣れた人たちは、下の写真にあるように、座席背面のテーブルのつまみに特急券を挟んで、叩き起こされないようにしています。この女性はめったに利用しないようですので、このスタイルを知らなかったのでしょう。睡眠を妨げられて、とても気の毒でした。
花小金井駅での非常通報ボタンの扱いがあった影響で、高田馬場には7分遅れて到着しました。当駅で45名が下車しました。
そして、西武新宿には7分遅れの9時08分に着きました。当駅では、6号車から12名が下車しました。
そして、しばらく西武新宿駅で各ホームの様子を観察しました。各駅停車などの一般列車が到着する度に、おびただしい数の乗客が一斉に改札口めがけて押し寄せてきました。
ゆったりと着席しながら移動できる特急列車の利用価値は高いと感じました。
西武鉄道ホームページhttp://www.seibu-group.co.jp/railways/company/business/railway-business/time-table/index.html
によると、2010年度の特急乗車人員は733万人とのことです。1日当たり2万人強ということになります。
現在の特急の運行本数は、池袋線で上り・下り合わせて平日56本、休日50本、新宿線では上り・下り合わせて平日53本、休日46本とのことですので、上下平均102.5本であり、したがって一列車当たりの平均乗車人員は196名という計算になります。座席総定員は406名ですから、平均乗車率は48.3%です。
朝および夕方以降の通勤ラッシュ時間帯の、池袋発および西武新宿・高田馬場発着の特急は満席またはほぼ満席となることが多いものの、平日日中および平日上りの夜の時間帯の利用は少なくなっています。土曜休日は奥武蔵・秩父・川越方面への行楽需要がありますが、それでも通勤需要ほどではありません。近年の西武特急レッドアローは、「通勤ライナー」としての性格を色濃くしています。
今後は、(1)利用の少ない平日日中時間帯の特急の利用促進を図る必要があることはもちろん、(2)新たな需要の掘り起こしが課題となりそうです。
(1)については、平日日中は、思い切って東武特急のような「昼割」、「夜割」を平日日中および平日上りの夜の時間帯の列車に適用することも視野に入れていただきたいものです。現状は空気輸送に近い状況なのですから、利用者に喜ばれる施策を検討してほしいところです。
また(2)については、小江戸号とむさし・ちちぶ号の乗継に対する通算制の導入も検討課題でしょう。現状では、例えば、本川越→飯能間37.5kmを移動する際、小江戸号とむさし・ちちぶ号を乗り継ぐと、それぞれの特急料金350円ずつを合算するため、700円が必要です。これを通算制とすると、37.5kmの特急料金410円で済みます。これまでは、特急料金が別々にかかることから、本川越→飯能間を特急で移動しようという利用者はそれほど多くはなかったものと思われますが、実質値下げすることにより、利用しやすくなり、特急利用が増える可能性があります。
昨年12月12日~18日に続き、今年も8月24日~8月30日に、西武新宿-拝島間で臨時特急が運行されました。おそらく、将来の拝島線直通特急の運行可能性と、田無・小平停車の可能性を探るための調査のようです。西武新宿発拝島線直通列車の場合、半数が小平で、残りの半数以上が玉川上水で下車してしまいますので、特急利用者が多く見込めるのかどうか不透明な面があります。今後も実証実験を繰り返し、拝島線特急の運行の是非を判断することになるものと予想されます。
確かに、西武特急の停車駅を増やすことで、需要を掘り起こせるのではないでしょうか。私個人の意見としては、池袋線特急の停車駅に、小手指、高麗、吾野を、新宿線特急の停車駅に小平と新所沢を加えたらよいと思っています。
小手指は1日乗降客が約48,004人(2010年度)と多いことから、一定の需要が見込めます。高麗と吾野は行楽客をターゲットにしますが、平日は通勤利用も見込めますし、高麗駅周辺の宅地開発にも貢献すると思われます。
新所沢も1日乗降客が56017人(2010年度)と多く需要が見込めます。また、小平は西武拝島線への乗り換え客による一定の需要がありそうです。
来年3月16日からの東京地下鉄副都心線・東急東横線の相互直通運転開始を契機にして、元町・中華街直通特急レッドアローの運行を検討するのも面白いのではないでしょうか。西武秩父・飯能・所沢方面から横浜への行楽需要を喚起することができる可能性があります。また、通勤ライナーとして、渋谷発飯能行き特急の運行可能性も検討してほしいところです。
西武鉄道にとっても、副都心線・東横線直通運転開始を新たなビジネスチャンスですので、積極的な施策を期待しています。