新宿区ホームレス生活保護裁判を支える会blog
「アパートで安心して落ち着いて暮らしたい」
ごくごくあたりまえの暮らしを求める原告の望みはそれほどに実現が難しいものなのでしょうか。
ホームレスには、施設や宿泊所での暮らしや人生しか保障されないのでしょうか。

この生活保護裁判は、生活困窮から生活保護申請したにもかかわらずホームレス状態のまま放置され続けている原告のいのちとくらしを守り、また安定した住居を持たずに暮らす日本全国にいらっしゃる多くの方たちの生存権保障のあり方を問うことになる大変に意義のあるものです。ホームレス問題、生活保護問題、人権問題、貧困問題にかかわるみなさまの応援と見守りをお願いいたします。

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新宿区ホームレス生活保護裁判(新宿七夕訴訟)全面的勝訴判決の御報告と御礼

新宿区ホームレス生活保護裁判(新宿七夕訴訟)弁護団の戸舘です。

昨日、2011年11月8日、東京地裁民事第2部(川神裕裁判長)は、①新宿区福祉事務所長のした生活保護却下決定の取消し、②居宅保護の方法による生活保護開始決定の義務付け、を命じる原告の請求をほぼ全部認める全面的勝訴判決を言渡しました。

2008年7月7日の提訴以来、合計14回の口頭弁論期日、緊急一時保護センター、自立支援センター、無料低額宿泊所等の施設での進行協議期日、相談を担当した福祉事務所職員の証人尋問、申請同行した支援者の証人尋問、元都内福祉事務所査察指導員の生活保護研究者の証人尋問など、慎重な審理を経ての全面勝訴判決でした。

本件訴訟は、ホームレス状態にあった原告(当時57歳)が、ホームレス総合相談ネットワークの相談会をきっかけとして新宿区福祉事務所に居宅保護を求めて生活保護申請をしたところ、新宿区福祉事務所の職員から自立支援システムの利用等を執拗にすすめられ、原告がこれを拒否したところ「稼働能力不活用」(生活保護法4条1項)を理由に3度にわたり却下されたことから、却下処分の取り消しと生活保護開始決定の義務付けを求めて提訴した事件です。

東京地裁は、生活保護法の基本理念に立ち返り、原告が本件申請当時に置かれていた具体的状況を踏まえて、「その利用し得る能力を、その最低限度の維持のために活用すること」(法4条1項)という要件を充足していたと判断し、新宿区福祉事務所長の却下処分を取り消し、保護の開始を義務付けました。


ホームレス状態にある方の生活保護に関して稼働能力活用要件(生活保護法4条1項)が争われた裁判は、名古屋の林訴訟が先例としてありますが、本判決は、林訴訟判決(第一審、控訴審)で示された考え方を生存権保障の方向にさらに前進させたものと評価できます。

判決のさらなる分析と評価はこれからすすめていきますが、今の段階では、被告新宿区に控訴させないための運動が重要と考えております。

本訴訟をすすめていくにあたり多くの方々からご支援いただきました。毎回の期日にも多数の方が傍聴にいらしていただき大法廷をほぼ満席にすることができました。
心より御礼申し上げます。

新宿区ホームレス生活保護裁判(新宿七夕訴訟)弁護団一同

新宿区ホームレス生活保護裁判(新宿七夕訴訟)勝訴判決の御報告と御礼〜支える会より〜

既に各方面にていろいろな方が報告しているのでご存知の方がほとんどだとは存じますが
昨日、11月8日に新宿七夕訴訟(新宿区ホームレス生活保護裁判)の判決があり、
ほぼ全面勝利の「勝訴判決」となりましたことを遅ればせながらご報告いたします。

これまでのみなさまからのさまざまなご支援やご協力、傍聴の応援などがこの裁判を支えていました。
本当にありがとうございます。
昨日も多くの方に傍聴にきていただきました。ありがとうございました。
毎回毎回東京地裁103号の大きな法廷を埋められるのかというドキドキハラハラしながら期日を迎えていたのも事実です。
原告、弁護団、支援者だけではこのような訴訟を続けることはできず、このような判決は出なかったと思っています。
裁判の行く末をしっかりと見届けてくれている多くの方たちの熱い思いが、裁判官にも伝わっていたと私は確信しています。

この判決は、新宿区だけではなく、路上生活から脱するために生活保護を受けたいと願いながらも
原告と同じように保護申請を却下されたり水際でとめられたり、
希望しない施設に半ば強制的に入所させられる全国のホームレス状態の方・野宿や路上生活中の方たちへの誤った福祉事務所の対応・生活保護行政の「闇」に輝く光を照らす判決だったのではないかと思いました。

また、判決の主文には「居宅保護」という言葉があり
まさに路上からの生活保護申請と居宅で生活保護を受けることを求めることが
「当然の権利」であることが宣言されていると思います。
私はこの言葉を法廷で聞いたときに一瞬何か別の言葉と聞き間違えたのかと思いましたが、
「居宅保護の方法で保護せよ」という趣旨だとわかり、裁判長が「居宅保護」という言葉を発したのだ、その言葉が判決文の主文に入っているのだ、ということに身震いがして感動しました。
全国で数万人単位の方が無料低額宿泊所や、劣悪な施設などに入所させられ何年も放置されている。
路上から生保申請すると必ず施設入所を強いられる。
「居宅保護」を阻む差別的な現場の運用を覆していくことができる判決文だと思います。

現在、弁護団などは新宿区に控訴を断念させるべく厚労省や東京都、新宿区への申し入れに奮闘しています。
どうぞみなさまも「控訴するな」というムードを盛り上げていただきたいと思います。
また、弁護団と支援者グループでは近いうちにこの判決をうけて七夕訴訟の報告会を開催したいと考えております。
日程など決まりましたら、追ってお知らせいたしますので、どうぞご参加ください。

原告のYさんは、昨日は本当にほっとした表情で、久しぶりに満面の笑みを浮かべていました。
この3年間、過重なストレスを背負わせてしまい、精神的に非常につらい時期もあったと思います。
「個人がどんなにがんばっても、裁判で行政を相手になんて勝てっこないよ。相手は天下の東京、新宿だよ」
そんな言葉をたびたび口にされることもありました。
ストレス性の胃炎になったり、体調を崩したり、気分が落ち込んだり、
判決直前には心から笑うことができなくなっており、判決まで乗り切れるか・・・周囲がかなり心配したこともありました。

ですが、昨夜の判決後は、本当にほっとした様子で、笑顔でほころんだ表情で
「みなさんのおかげだ、たくさんの人が応援してくださったからここまでがんばれた、あきらめないでいられた、ありがとう」
と明るく元気に、そして朗らかにたくさんの人と挨拶をかわされていました。
もし原告に会う機会のある方がいらっしゃいましたら、この3年間の苦労をねぎらってさしあげてください。
全国で多くの方が見守っている、応援しているということが原告を支えてきた部分もあると思いますが
実際にお会いするみなさんと握手したり「おめでとう!」「がんばりましたね!」と言ってもらえることでさらに勇気づけられると思います。

これまでのご支援ご協力に深く感謝いたしますとともに
今後とも、七夕訴訟の原告、弁護団をどうぞよろしくお願いいたします。

                          新宿区ホームレス生活保護裁判を支える会

3月11日(木)新宿区ホームレス生活保護裁判(新宿七夕訴訟)第7回期日

来る3/11(木)に、新宿区ホームレス生活保護裁判の第7回期日が行われます。
午前11時30分より、東京地方裁判所103号法廷にて。
新宿区の異常な生活保護行政を正し、日本全国の路上生活を余儀なくされて
いる方たちの生存権のあり方問う裁判です。
裁判の時間は30分ほどです。お休みを取れる方、お仕事の合間にふらりと
お寄りいただける方は、ぜひぜひお越し下さい。

103号法廷は東京地裁の中でいちばん大きな法廷です。
中に入れない人がでるくらいたくさんの方たちに傍聴していただき、
裁判官に対してこの裁判の社会的意義、関心の高さを示したいと思います。
期日の後は報告集会もありますので、そちらにもどうぞご参加ください。

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「ホームレス」だと生活保護を受けられないの?
~アパートでごく普通に暮らす生活を求める裁判(東京)~
新宿区ホームレス生活保護裁判(新宿七夕訴訟)第7回期日

期  日:2010年3月11日(木) 午前11時30分から
場  所:東京地裁103号法廷(傍聴希望の方は直接法廷におこし下さい)
     地下鉄東京メトロ丸の内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」A1出口から徒歩1分
     地下鉄東京メトロ有楽町線「桜田門駅」5番出口から徒歩約3分
被  告:新宿区
原告弁護団:宇都宮健児弁護士(弁護団長)、渡邉恭子弁護士、小海範亮弁護士、
      戸舘圭之弁護士、森川文人弁護士、酒井恵介弁護士、木下徹弁護士、
      加藤寛之弁護士、吉田悌一郎弁護士、中川素充弁護士、東奈央弁護士、
      山本志都弁護士ほか  
期日内容:原告から、主張の補充と証人申請等を行う予定。

※終了後、報告集会を行います。

●報告集会
日  時:2010年3月11日(木) 12時ころから
場  所:弁護士会館5階508ABC。
連絡先:ホームレス総合相談ネットワーク(03-5312-7654)

●裁判傍聴に参加できるみなさまへ
裁判所までひとりで行けない方、交通費の余裕がない方は
午前10時30分に以下のところに集まってください。
みんなで電車に乗って、東京地方裁判所まで一緒にいきます。
待ち合わせ場所から往復の切符をお渡しします。
待ち合わせ場所に「新宿裁判待ち合わせ!」という紙をもった人が
立っていますので声をかけてください。

【待ち合わせ場所】
◆新宿地区:新宿駅西口地下ロータリー交番前
◆台東・墨田地区:浅草駅そば水上バス乗り場前
◆四ツ谷地区:丸の内線四ツ谷駅改札口前広場

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「ホームレス」だと生活保護を受けられないの?
~新宿区の生活保護行政を問う!!
新宿区ホームレス生活保護裁判~

「自分のアパートで安心して落ち着いて暮らしたい」
「一日も早く安定した仕事に就いて働きたい」
こんな思いは、願ってもかなわないことなのでしょうか。

失業したことがきっかけで、新宿の西口地下通路で路上生活を余儀なくされていたYさんは、
アパートでの生活を目指して、新宿区福祉事務所に3度の生活保護申請を行いました。
しかし「充分働ける年齢だ(稼働能力不活用)」などを理由に3度とも却下処分を受けたのです。
Yさんは石原東京都知事に対して、新宿区福祉事務所の「生活保護却下の取り消し」と、
「保護開始決定の義務づけ」を求め、2008年7月7日七夕の日に
東京地方裁判所に対して、新宿区役所を相手に訴えを起こしました。

3度目の生活保護却下処分を受けたYさんは、
2ヶ月も住居が定まらず先行きの見えない不安定な日々を送っていましたが、
1日も早(はや)く生活を落ち着けて仕事をしたいという切実な思いから都内のA区で
生活保護申請を行ったところ、新宿区とは異なり即日に保護開始の決定がなされ、
Yさんは数週間後にはアパートでの生活を始めることができました。
その後、Yさんは落ち着いた生活の中で就職活動を行い、
仕事に就くことができ、現在は裁判の対応をしながら充実した毎日を過ごしています。

この裁判は、新宿区の違法かつ不当な対応を正し
Yさんの「いのちと暮らし」を守り、
また、裁判所や福祉事務所を含め日本社会に生きるすべての人に対し、
Yさんと同じように、路上生活など安定した住居を持てず
不安定な生活を余儀なくされている、多くのホームレス状態にある方たちの
「生きる権利(生存権)保障」のあり方を問う非常に意義のあるものです。
ホームレス問題・生活保護問題に関わるみなさま、
裁判傍聴をはじめ、ぜひともご指導・ご支援・ご協力をお願いいたします。

8月20日(木)新宿区ホームレス生活保護裁判 第5回期日 

来る8月20日(木)午前11時より以下のとおり、
新宿区福祉事務所の在り方を問う裁判(新宿区ホームレス生活保護裁判)の
口頭弁論期日が行われますのでご案内します。

ぜひ傍聴におこしください。


●新宿七夕訴訟口頭弁論 第5回期日(スペシャル編)
日時:8月20日(木)午前11時~
場所:東京地方裁判所103号法廷
(東京メトロ 霞ヶ関駅A1出口からすぐ)



期日の内容:本件訴訟の内容について、渡邉恭子弁護士からパ
ワーポイント(大画面で視覚的にわかりやすい説明をします)を
用いた非常にわかりやすい説明が行われす。
見て、聞いてわかる裁判ですので、夏休み中のちびっ子や学生さんにも
うってつけのイベントです(しかも無料!)。
みなさん、お誘い合わせの上、傍聴におこしください。

傍聴を希望される方は、霞ヶ関にある東京地方裁判所の1階
103号法廷に直接お集まり下さい。
 
※終了後、12時すぎから弁護士会館5階508会議室で
 報告集会をおこないます。



●この事件の内容
 生活に困窮し野宿生活を余儀なくされていた原告が法律家、
 支援者らの援助により新宿区福祉事務所にアパートでの生活を
 求めて生活保護を申請したところ、2度にわたり 「稼働能力
 不活用」 などを理由に却下されたことから、却下処分の取消
 しと保護開始決定の義務づけを求め提訴した事件

 東京地方裁判所民事第2部
 平成20年(行ウ)第415号 
 生活保護開始申請却下取消等請求事件


ぜひ応援願います。


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【ご報告】第3回口頭弁論期日 報告と御礼

みなさま

新宿区ホームレス生活保護裁判(新宿七夕訴訟)弁護団事務局長の戸舘です。

去る2月20日(金)11時30分より、
第3回口頭弁論期日が東京地裁103号法廷で行われました。

当日は、雨天というコンディションにもかかわらず、多くの傍聴の方々がいらっしゃり、100席はある東京地裁103号法廷が、ほぼ満員になることができました。

このように法廷を満員にすることができたのも、ひとえに本件訴訟に関心を寄せて下っている皆様のおかげです。
弁護団、事務局一同本当に感謝しております。どうもありがとうございました。


弁論では、今泉義竜代理人による意見陳述がおこなわれました。意見陳述では、本件は「ホームレス」に対する差別が一番の問題であること、「ホームレス」を生活保護から排除する新宿区の運用は他の自治体の運用に照らしても異常であることを述べました。

被告である新宿区は自立支援システムの利用を拒否したことをもって、原告が「稼働能力を活用していない」と断定していることから、求釈明では、被告においては自立支援システムの利用をもって「他法他施策」に当たると認識しているのかあきらかにするように強く求めました。

次回期日は

5月12日(火)11時30分から
今回と同じく103号法廷(大法廷)です。

次回以降からは、いよいよ本丸である稼働能力活用要件、居宅保護の原則などの重要論点について正面から議論が闘われることになると思います。

みなさま、ぜひぜひ、次回の弁論にもお越し頂くようお願い申し上げます。

【裁判報告】新宿区ホームレス生活保護裁判 第2回期日 口頭弁論

~新宿区の生活保護行政の在り方を問う!!~






新宿区ホームレス生活保護裁判




第2回口頭弁論 開廷!!













日   時:平成20年11月5日(水) 午前10時45分






法   廷:東京地方裁判所 522号法廷






原   告:Y






被   告:新宿区





原告弁護団:宇都宮健児弁護士(弁護団長)、渡邉恭子弁護士、小海範亮弁護士、戸舘圭之弁護士、森川文人弁護士、木原万樹子弁護士、小久保哲郎弁護士、河
村健夫弁護士、大森孝参弁護士、林治弁護士、中川素充弁護士、吉田悌一郎弁護士、指宿昭一弁護士、猪股正弁護士、川井理砂子弁護士、中川重徳弁護士、山本
志都弁護士、谷靖介弁護士、 他













今回の裁判も100名近くのみなさまに傍聴にきていただき、本当にありがとうございました。40人ほどの方が法廷に入ることができませんでしたが、みなさまの熱い思いが裁判長に伝わり
、次回からは裁判所で最も大きい100人が傍聴dekiru「103号法廷」にてとりおこなわれることになりました。



次回期日は、2月20日(金)午前11時30分より、大法廷103号法廷にてです。



この裁判には多くの方が関心を寄せ、裁判の行く末を見守っています。毎回多くの傍聴人の方がつめかけてくださり、法廷内に入る事が出来ない事態が続いていることからも、裁判の重要性が裁判官にも伝わりはじめていると思います



今回の裁判冒頭では、戸舘圭之弁護士及び酒井健雄弁護士が、新宿ホームレス生活保護裁判の訴状・準備書面の要旨と立証趣旨について陳述いたしました。傍聴席および法廷の外で意見陳述に耳を傾けてくださいました。本当にありがとうございました。









みなさま引き続きご支援、ご協力をお願いいたします。
















★報告集会★の報告






「ホームレス」だと





どうして生活保護を受けられないの?







日 時:平成20年11月5日(水) 午前11時15分~午後12時00分






場 所:弁護士会館10階 1003AB会議室






内 容:




①原告YさんのZ福事務所での生活保護開始決定と近況報告






②仮の義務付け裁判の不当却下決定に関する報告




③新宿福祉事務所の生活保護却下処分に対する不服審査請求の棄却に関する報告




④本案提訴に関する弁護団報告および訴訟活動の見通




⑤新宿生活保護裁判を支える会からの協力要請











こちらの報告会も、100名近くのみなさまがつめかけてくださり会場は熱気で盛り上がりました!





原告と同じく、ホームレス状態にある方、ホームレス状態からアパート生活にいたったみなさまが、各地からかけつけてくださり、開廷前に裁判所前での広報行動にも参加してくださり、ビラ配りや横断幕を掲げて通行人のみなさまに声かけするなど、多くのご協力をいただきました。









また、多くの方から「これからもがんばりましょう!」「ぜったい勝ちましょう!」という声援をいただいた時には、胸が熱くなりました。









報告会ではご参加いただいたさまざまな方からも貴重なご意見をいただくことができ、この裁判の意義の大きさを改めて感じた次第です。次回から大法廷になることもあり、みなさまのいっそうの応援をお願いいたします。


















●主 催:新宿生活保護裁判弁護団 弁護団長 宇都宮健児弁護士






●協 力:ホームレス総合相談ネットワーク 






     新宿区ホームレス生活保護裁判を支える会 






●「新宿区ホームレス生活保護裁判を支える会ブログ」 http://ameblo.jp/shinjukuseihosaiban/






●カンパ:




 ○ 三井住友銀行 麹町支店 (普)口座番号:8924234




   口座名義:新宿生活保護裁判を支える会 会計 力丸 寛






     




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2008年11月5日第2回期日 意見陳述書 (弁護士酒井健雄)

平成20年(行ウ)第415号,第539号
生活保護開始申請却下取消等請求
原告 Y
被告 新宿区
処分行政庁 新宿区福祉事務所長

                    意見陳述書

                              2008年(平成20年)11月5日
東京地方裁判所民事第2部D係  御中

                               原告訴訟代理人弁護士 酒井健雄

原告代理人酒井から、原告第2準備書面の概要を述べます。
第2準備書面では、本件訴訟を原告がなぜ提起したのか、そして、憲法25条に基づく生活保護法の基本理念はいかなるものであるのか、さらには、本件訴訟において裁判所の果たすべき役割について論じています。

第1 本件訴訟の意義
第1に、本件訴訟の意義について述べます。
原告は,アパートでの暮らしを求め生活保護を希望しました。これに対して,新宿区福祉事務所は執拗に自立支援システムの利用を勧め、原告がこれに応じないと、原告が稼働能力を活用していないとの理由で生活保護申請を却下したのです。
しかしながら、「稼働能力を活用していない」という却下の理由は見せかけの理由にすぎません。稼働能力活用は申請時点,施設入所するかどうかは申請時点以後の問題であり,そもそも論理的に別の問題です。本当のところは、原告が、野宿生活者でありながら、施設への入所を断りアパートでの生活を希望して生活保護を申請した、というただそれだけの理由で却下したのです。
生活保護は、被保護者の居宅において行われるのが原則です。施設への入所は強要してはならない、と、生活保護法に明記されています。
現に,鹿児島県,大阪府,東京23区の被告以外の区など,多くの自治体では、路上生活者に対し、居宅における生活保護を実施しています。現に,事情は全く同じなのに、板橋区は原告に対する居宅保護を開始しました。
新宿区福祉事務所の運用は、居宅保護を原則とした生活保護法に反するばかりか、全国の自治体で行われている運用にも真っ向から反するという,違法かつ異常なものと言わざるを得ません。
現在、原告は、板橋区でアパートに入り、生活保護を受けながら、真摯に就職活動を続けており、自立に向けて歩みはじめています。
それにもかかわらず、原告が、敢えてこの訴訟を続ける理由は、すべての路上生活者に、生存権が法律どおり実現され、人間らしい生活を取り戻してほしい,路上生活者に対する偏見や差別を打ち破りたい、という思いからなのです。

第2 生活保護法の基本理念
新宿区福祉事務所の原告に対する対応は、生活保護法の基本理念を全く理解しないものです。そこで,第2として、生活保護法の基本理念について述べます。
そもそも、生活保護法は、すべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障する憲法25条を具体化し、すべての国民に、無差別に、必要な保護を行い、自立を助長することを目的としています。
「無差別に」とは,貧困に陥った理由を問わずに、すべての人に最低生活を保障することです。「自立を助長する」とは,その人の能力に相応しい状態で社会生活に復帰させることです。そのため,施設ではなく居宅における保護が原則とされているのです。生活保護が最後のセーフティネットと位置づけられているゆえんです。
社会から排除され、心身ともに疲弊している路上生活者こそ、社会生活に復帰できるように、十分なケースワーク、そして手厚い保護がなされなければならないはずです。
しかし、新宿区福祉事務所の対応は、長年まじめに働いてきた末に、路上生活に陥った原告を、「嘘つき」呼ばわりし、施設に入居しろ、それが嫌ならそのまま路上で生活すればいいと言っているに等しい差別的なものでした。
このような対応は、憲法の趣旨、生活保護法の趣旨に全く反するものです。

第3 裁判所の職責
第3に,貴裁判所が果たすべき役割について述べます。
生活保護の運用を巡っては、勇気ある当事者と支援者の熱意によって、多くの裁判が戦われてきました。
これらの生活保護裁判の結果が直接の契機になって,制度の運用が着実に改善されてきました。
今日,貧困は自己責任であるという偏見が根強く残り、社会保障費の削減が叫ばれる中、生活保護行政は、ともすれば、給付を締め付け、貧困に陥った人々を、社会から弾き出す方向に運用されがちです。そのような運用は,社会のもっとも弱い者を直撃します。
この訴訟においても、貴裁判所の判断が大きな社会的意義を有しています。新宿区福祉事務所の違法な運用を追認し,路上生活を送る人々を社会から排除して見殺しにするのか、それとも彼らの人権を正面から認めるのか。新宿区福祉事務所の異常な運用を追認し,全国の福祉現場で現に行われている暗中模索の努力を嘲笑うのか,それとも全国の福祉事務所における努力に人権尊重の意義を認めるのか。
裁判所におかれましては、貧困がますます深刻化している現実と、原告の切なる願いを受け止めていただき、法の適正な解釈と人権に配慮した適正な判決を求めるしだいです。
以上

2008年11月5日第2回期日  意見陳述書 (弁護士渡邉恭子)

平成20年(行ウ)第415号,第539号
生活保護開始申請却下取消等請求
原告 Y
被告 新宿区
処分行政庁 新宿区福祉事務所長

                   意見陳述書

                              2008年(平成20年)11月5日
東京地方裁判所民事第2部D係  御中
原告訴訟代理人 弁護士 渡 邉 恭 子

先ほど,原告代理人の酒井から,貴裁判所の判断に社会的な意義があることを申しあげました。それに関連して一点だけ述べます。
さる8月13日,東京地裁の民事2部に対し,本件の関連事件として申し立てた仮処分事件において,裁判所は全国の裁判例,裁決例にもおよそ類のないきわめて特異な法解釈を展開し,ホームレスになった人が生活保護の申請に来たら「稼働能力を活用していない」ものとして申請を却下することを是認しました。およそ路上生活に陥る際には,何らかの何かがあってのことですから,8月13日決定は,自立支援に行かなければなんとでも理由をつけて生活保護を受けさせなくてよいと,司法府がお墨付きを与えたということなのです。
東京都台東区では,これまで,路上生活者が居宅保護を希望して生活保護申請をした場合,保護開始決定まで民間の簡易旅館等で待機するための宿泊費を支給していました。ところが,このたびそれを改め,自立支援システムを利用しない者には,保護開始決定までの宿泊費を支給しないことにしました。自立支援システムを利用しないのであれば,開始決定までの2週間は外で寝なさいというのです。
このような運用は10月27日から始まりました。
10月半ばに開催された東京都の会議で新宿区より示されたのが,8月13日決定であったということです。
10月27日に台東区に生活保護を申請した路上生活者の中には,結核を患っている方もいました。その方も,路上に放り出されました。
これから寒くなります。東京でも冬は凍死者が出ます。
すでに,8月13日決定は,全国の福祉現場が支援者と協同し手探りで築いてきた運用に混乱をもたらしています。裁判所の責任は極めて重大です。
適切な法の解釈適用,及び,人権に対する配慮を,切にお願いする次第です。
以上

【転載】緊急抗議声明

渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合(のじれん)さんの緊急抗議声明を転載します

先週11月13日(水曜日)、渋谷警察署の警察官が、渋谷駅周辺や宮下公園の野宿者に対し、写真撮影、指紋採取を強行しました。この野宿者への差別的な人権侵害行為に対して強く抗議します。以下は今回の事態の詳細を記した「緊急抗議声明」です。転送・転載をよろしく御願いいたします。


*** 転送、転載歓迎 ***


  緊 急 抗 議 声 明


 11月13日、警視庁渋谷警察署の警察官が、渋谷駅周辺や区立宮下公園の野宿者に対し、写真撮影、指紋採取を強行した。私たちは、渋谷署による野宿者への極めて差別的なプライバシー侵害、人権蹂躙行為について、怒りをもって抗議する。

 当日、午後2時頃、2名の制服渋谷署員が、宮下公園のテントを一軒、一軒回り、そこで居住する野宿者に「救急車に運ばれた時、名前がわからないと困るから」、「追い出しとは関係ないから」と話しかけ、氏名、本籍地などを聴取し、さらには写真を撮影、指紋を採取した。テントに居合わせた野宿者のほとんどが応じさせ
られた。同時間、渋谷駅前や国道246号沿い駅ガードの野宿者も渋谷署員により写真、指紋を取られた。渋谷署員は一応任意という体裁をとったというが、突然警察官に囲まれ、「協力」を求められればなかなか拒否はできず、強制に等しい。この間の政策的な治安管理強化の嵐の中で、日常的に警察官による職務質問や交番への
連行で荷物や身体の捜索を強要されている野宿者にしてみればなおさらである。そもそも今回のような警察の情報収集活動は何の法的根拠もない。同じ理由で警察がアパートや持ち家など「家のある」人から写真、指紋を取ることはありえず、「家のない」野宿者だけを対象にした極めて差別的、恣意的なプライバシーの侵害である
。絶対に許すことはできない。

 かつて野宿者を「犯罪予備軍」として警察による写真撮影、指紋採取が当たり前のように横行していた。しかし度重なる当事者や支援団体からの抗議とともに、重大な人権侵害にあたるとの社会的批判を浴び、職質や同行の強制は依然としてあるものの、写真撮影や指紋採取は目立ってなかったし、渋谷でもここ最近はなかった
。この時期、渋谷において旧態依然とした人権蹂躙行為を強行したことは、野宿者=「犯罪予備軍」とする警察権力の差別的治安対策が根強く踏襲されていることを示すとともに、この1年来、渋谷で吹き荒れている野宿者に対する追い出し・排除の動きと決して無関係ではあるまい。

 昨年10月、渋谷駅国道246号沿いガード下の住民団体による追い出し策動、12月、渋谷駅地下の東急電鉄による殺人的追い出し、今年7月、渋谷駅周辺の東急百貨店の東急百貨店による洞爺湖「G8サミット」警備に便乗した追い出し。さらには今回の攻撃の直前、今まで落ち着いていた渋谷駅地下で警備員による追い出
しの強化。いずれも当事者たちは生きるために粘り強く攻防を続けている。

 そしてその最中の5月、宮下公園のスポーツ用品大手企業ナイキによる大規模改修計画が発覚した。ナイキが数億かけてスケートボード場やオープンカフェなどを新設し、渋谷区に施設命名権料を払って「ナイキ公園」に名称を変更するという計画。これが実現されると宮下でテントを張っている約30名の野宿者の生存と生活
の基盤が奪われ、10年以上続けてきた渋谷の夏まつりや野宿者の命を守る越年闘争ができなくなる。さらに本来、公共の場所であるはずの公園を「商業スペース」に転換することによって、一服したり食事したりする憩いの場や、長年、運動団体が集会やデモをするために利用してきた表現の場が喪失してしまう。私たちは区長と
一部区議のトップダウンによるこの計画を阻止するため、様々な立場から計画に反対する有志とともに、6月、「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」を結成。以降、7月、「G8サミット」北海道現地闘争と呼応するナイキ本社行動、8月、これで最後にしないための盛大な夏まつり、9月、10月、2波にわたる宮下公
園での集会、デモなどを取り組んできた。これまでの闘いにより、ナイキも渋谷区も確実に追い詰められている。

 今年6月の副都心線開通、4年後の東横線の地下化など渋谷駅を中心にした巨大な再開発計画が進められており、宮下公園の「ナイキ化」も含め、渋谷の野宿者に対する一連の追い出しは明らかに連動している。今回の渋谷署による攻撃もこれらの計画に「邪魔な」渋谷の野宿者に対する圧力に他ならない。計画によって巨利を
むさぼろうとする東急やナイキといった一部の大企業とそのおこぼれを預かろうとする渋谷区長とその取り巻き区議会議員、そしてそれらの意図に忠実な番犬としての暴力装置である渋谷署、まさに民-官-警一体となって野宿者を追い出し、野垂れ死にを強制しているのだ。
 私たちは今回の渋谷署による野宿者の写真撮影、指紋採取攻撃に対して厳重に抗議するとともに、違法かつ不当に収集した野宿者の個人情報の破棄と真摯な謝罪を求める。また野宿者の生存と生活を守り抜くため、渋谷や全都、全国の仲間とともに闘い続ける。


                      2008年11月15日

渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合(のじれん)
対都行動を闘う全都野宿労働者行動実行委員会(全都実)
連絡先 東京都渋谷区東1-27-8 03-3406-5254







新宿区ホームレス生活保護裁判 第2回口頭弁論 開廷!!

~新宿区の生活保護行政の在り方を問う!!~


新宿区ホームレス生活保護裁判

第2回口頭弁論 開廷!!





日   時:平成20年11月5日(水) 午前10時45分


法   廷:東京地方裁判所 522号法廷


原   告:Y


被   告:新宿区


原告弁護団:宇都宮健児弁護士(弁護団長)、渡邉恭子弁護士、小海範亮弁護士、戸舘圭之弁護士、森川文人弁護士、木原万樹子弁護士、小久保哲郎弁護士、河村健夫弁護士、大森孝参弁護士、林治弁護士、中川素充弁護士、吉田悌一郎弁護士、指宿昭一弁護士、猪股正弁護士、川井理砂子弁護士、中川重徳弁護士、山本志都弁護士、谷靖介弁護士、 他





 裁判冒頭では、戸舘圭之弁護士及び酒井健雄弁護士が、新宿ホームレス生活保護裁判の


訴状・準備書面の要旨と立証趣旨について陳述する予定です。





新宿区はホームレス状態にある方の生活保護開始を拒否し続けています。


生活困窮したホームレス状態にある方は、新宿区で生活保護を受けるためには、本人が希望していなくても施設に入らなければなりません。それを受け入れない限りは、路上に放置されます。





新宿区は、明らかに違法で差別的で独自な運用を続けています。


また、この差別的な運用に対し、早急に保護を求めた「仮の義務づけ申し立て」は、人権の砦である裁判所が却下するという異常な事態が起こっています。


このことは既に多方面で大きな影響を及ぼし,都内の福祉事務所はホームレスであるという理由だけで生活保護を申請する人に対し、徹底的な水際作戦を挙行するようになりました。





本来、人の暮らし、とりわけ苦しい生活を強いられている人の暮らしにこそ手厚い社会福祉・社会保障を施す行政をとりおこなわなければならない役所、そして、人間の生きる権利である生存権、そして人権を最も尊重しなければなならい裁判所が野宿生活者を生み出し、彼らに「人としての最低限の生活以下の生活つまり、「路上生活」を強いているのです。





生活に困った人であれば、無差別平等に受けられるはずの生活保護制度において、ホームレスという理由だけでなぜ「住所不定者は、生活保護を受けたいならば、いったん施設に入らなければならない」という差別的運用がなされるのか。なぜ行政をつかさどる役所や、すべての人の人権を守るべき裁判所からまでも差別されなければならないのか?





今回の法廷で、弁護人たちが改めてこの問題点を問い直します。


ぜひとも傍聴にいらしてください。





  





前回の9/10(水)の期日では、522号法廷の傍聴席は満席であり、かつ法廷に入室できなかった傍聴人の方々には大変ご迷惑をお掛けし、この場を借りて改めて感謝を申し上げます。


是非、期日当日には、522号法廷に傍聴にお越しください。








★これまでの経緯★


生活に困窮し野宿生活を余儀なくされていた原告Yさんが法律家・支援者らの援助により新宿区福祉事務所にアパート生活を求めて生活保護を申請したところ、二度にわたり「稼働能力不活用」などを理由に却下されたことから、生活保護申請却下処分の取消しと保護開始決定の義務づけ及び生活保護費の支払いを求め提訴した事件です。


仮の義務づけ裁判の不当却下決定がなされたことから、原告の生活の安定を最優先させる観点から、新宿区福祉事務所ではなく板橋区福祉事務所に、生活保護申請を行なったところ、原告の申請に対して即日保護開始決定がなされました。原告は、現在はアパート入居を果たし、生活再建を目指し、本件裁判の傍ら就職活動を行なっています。板橋区福祉事務所では「要保護性があり、急迫性が高い」との理由で、新宿区福祉事務所とは正反対の判断の基に保護開始決定がなされました。国民すべてに与えられている生存権の根幹をなす生活保護行政の在り方について、新宿区福祉事務所の対応は、生存権を脅かす違法な対応と言わざるを得ません。


生活保護は、国民すべてが直面する可能性のある福祉行政にも拘わらず、原告に対する新宿区福祉事務所の生活保護行政の在り方を正す必要があります。








●この、第2回期日に引き続き、場所を移動して報告集会を行います。





★報告集会★


「ホームレス」だと

どうして生活保護を受けられないの?



日 時:平成20年11月5日(水) 午前11時15分~午後12時00分


場 所:弁護士会館10階 1003AB会議室


内 容:①原告YさんのZ福事務所での生活保護開始決定と近況報告


    ②仮の義務付け裁判の不当却下決定に関する報告


    ③新宿福祉事務所の生活保護却下処分に対する不服審査請求の棄却に関する報告


   ④本案提訴に関する弁護団報告および訴訟活動の見通


    ⑤新宿生活保護裁判を支える会からの協力要請








●主 催:新宿生活保護裁判弁護団 弁護団長 宇都宮健児弁護士


●協 力:ホームレス総合相談ネットワーク 


     新宿区ホームレス生活保護裁判を支える会 


●「新宿区ホームレス生活保護裁判を支える会ブログ」 http://ameblo.jp/shinjukuseihosaiban/


●カンパ:三井住友銀行 麹町支店 (普)口座番号:8924234


       口座名義:新宿生活保護裁判を支える会 会計 力丸 寛


     ゆうちょ銀行 記号:10050 番号:9118543 


       口座名義:新宿生活保護裁判を支える会