平成22 年10 月1日財務省・国税庁から
相続又は贈与等に係る生命保険契約等に基づく年金の税務上の取扱い
の変更等の方向性について

として発表がありました。

詳細は国税庁のHP をご覧いただくとして


いくつか注意点があります。今月下旬に所得税法施行令を改正するとともに、法令解釈通達を発遣し、上記のとおり「保険年金」に係る所得税の取扱いを変更いたします。取扱い変更後、所得税の還付の手続きが可能となります。なお、納税者の方々には、次の点にご注意いただく必要があります。



・ 所得税が納めすぎとなっていた場合の還付手続きには「更正の請求」と「確定申告(還付申告)」の2種類あり、その種類ごとに手続きの期限が異なります。早い場合には本年12 月末で期限がくるケースがあります。


・ 各年の所得税の申告状況等により、既に保険年金に係る源泉徴収税額の全額が還付されている場合などには、その年については還付がありません


・ 今回の取扱いの変更の対象となる可能性のある方には、取扱い変更後、生命保険会社等の「保険年金」取扱い各社から、国税庁作成のパンフレットと併せて還付手続きに必要となる年金情報等が個別に通知される予定です。ただし、源泉徴収がされていない方や住所変更等により生命保険会社等が現住所を把握していない場合などは、通知が届きませんので、取扱い変更後、生命保険会社等に確認をお願いします(還付手続きに関するご相談は税務署にお問い合わせください。)。

平成16 年分以前の「保険年金」に係る所得税の還付について
(1)最高裁判決の対象となった「保険年金」は、老後の生活保障等を目的として、多数の方に最近5年に限らず販売されており、また、年金払いという商品の性格からは、是正に当たり、ある年の「保険年金」の課税だけでなく、各年の分について連続した是正が必要となるという特徴があります。
このため、所得税の還付請求権等が消滅している平成16 年分以前の納税分についても、可能な限り救済措置を採ることといたしました。
(2)過去5年を超えて救済する場合、それぞれの納税者の方にとって、救済期間が長い方が望ましいことは確かですが、現行法での救済は過去5年以内に限定されており、特別な救済措置をあまり長期間にわたって遡らせるがゆえに、証拠書類の保持・不保持といった事情により、かえって納税者の間での不公平が増すようなことも、税制及び税務に対する信頼を確保するうえでは、避けなければなりません。
このため、税務署における確定申告書等の保存期間や民法の債権の消滅時効の期間等を踏まえ、平成12 年分以降平成16 年分以前の「保険年金」に係る所得税について、特別な還付措置を講ずる方向で検討してまいります

今回の取扱い変更の対象となる「保険年金」を受給されている方のうち、その年金について所得税が源泉徴収されている方には、生命保険会社等の「保険年金」取扱い各社から、還付手続きに必要となる年金情報等が個別に通知されることとなっています(今月下旬の取扱い変更後、順次各社から発送される予定です。)。
この通知には、還付の対象となるか否かを簡単に判定できるフローチャートやQ&Aなどを掲載した国税庁パンフレットが同封されます。
なお、源泉徴収されていない方や住所変更などにより通知が届かない方についても、取扱い変更の対象ではないかと思われる方は、今月下旬の取扱い変更後、生命保険会社等に照会していただければ、生命保険会社等から年金情報等が案内されることとなっています(還付手続きに関するご相談は税務署にお問い合わせください。)。




更正の請求や確定申告(還付申告)の手続きには、以下のとおり、期限があります
(1)更正の請求(対象となる年分の所得について、既に確定申告している方が対象)
更正の請求は、該当するすべての年分について、取扱いの変更を知った日の翌日から2月以内に行っていただく必要があります。
(注)「取扱いの変更を知った日」とは、今月下旬の通達発遣後、納税者の方が、取扱いの変更を実際に知った日となります。
なお、納税者の方からの更正の請求に基づいて税務署で減額更正できる期間は、原則として申告書が提出された日から5年間となります。したがって、平成17 年分の申告を平18 年1月1日に行った方の減額更正の期限は、平成22 年12 月末、平成18 年3月15 日に行った方の減額更正の期限は、平成23 年3月15 日となります。
(2)確定申告(還付申告)(対象となる年分の所得について、確定申告していない方が対象)
確定申告(還付申告)は、申告する年分の翌年1月1日から5年を経過する日までに行っていただく必要がありますので、平成17 年分の還付申告については、原則として平成22 年12 月末日がその期限となります。


<ご注意いただきたい事項>
① 保険年金を受け取った年に保険年金を含めて確定申告を行った方のうち、所得控除等により課税所得が生じなかった方については、保険年金に対する納税額は生じていません。その場合、その保険年金に係る源泉徴収税額は、全額還付していますので、取扱いの変更に伴う所得税の還付額はありません
(注)保険年金に対する源泉徴収は、年間の年金収入額から対応する支払保険料を控除した金額(源泉徴収対象額)が25 万円未満の場合には行われません。保険年金に対する源泉徴収は、当分の間、源泉徴収対象額の10%で行われます。
保険年金を受け取った年の確定申告において、保険年金について確定申告していない方については、取扱い変更後の所得税額が納付済みの所得税額よりも多くなる場合があります




納税者の方が還付を受けるための手続きは、対象となる年分の所得について、既に確定申告している方については「更正の請求」、確定申告をしていない方については「確定申告(還付申告)」という手続きが必要となります。これらの還付手続きは、今月下旬の取扱い変更後、受付を開始します。

更正の請求または確定申告に強い税理士紹介 はこちら