新年明けましておめでとうございます!
先日、初釜をとり行いました。
「初釜」と言いますのは、年の初めに茶人が門弟や賓客を招いて催す茶事茶会のことです。
ちなみに、煎茶道では「初煮」と言います。
初釜の際は、内側にそれぞれ金箔と銀箔の施された二椀一組の茶碗「嶋臺」をよく用います。
「嶋臺」とは、もともと婚礼などお目出度い祝いの儀式に用いられる飾り物を据える台のことですから、この茶碗には、目出度き年頭の茶席を寿ぐ神の標という意味合いが込められていると思われます。
ちなみに、高台は一方が六角形、もう一方が五角形を呈しており、前者は亀甲、後者は鶴の飛翔を表現するとされています。
今回の茶事では、懐石の献立にお茶を取り入れてみました。
大和茶真薯の羹。
これまでは、すり身を積極的に献立に取り入れてこなかったのですが、午前中練り物屋さん「魚万」で勤めさせて戴いてることもあり、なんとしてもすり身で一椀!という思いから生まれた一品… 今の私を象徴しているような、“茶葉”と“すり身”の融合です。
今回、私の中で会心の一椀は、この
蕪と菜の花の吸物です。
昆布ではなくかぶせ茶、ティーファーム井ノ倉さんの「玉響」で出汁をとりました。
昆布出汁を凌ぐ旨みと、お茶独特の風味が、根菜や菜の花のもつ仄かな苦みと絶妙にマッチし、我ながら何とも素晴らしい逸品になりました。
実は、この出汁をとった後の茶殻を、上記の「大和茶真薯」に利用したのです。
締めくくりに、社中さんの一人が仕舞「鶴亀」を舞ってくれるというので、地謡をつとめさせて戴きました。
恩師である野本寛一先生の退職記念祝賀会で「高砂」を謡わせて戴いて以来、約十年ぶりの謡いです(^^;;
お開きは、深夜になっていました。
皆さんお疲れさまでした。
何事も、準備も大変ですが片付けも大変。
洗浄を終え、乾燥中の漆器類。
何もかも片付け終わり、就寝できたのは4:00AM…
5:30に起床して朝の仕事には何とか出勤したものの、午後から店は開けられませんでした(限界)。
ご来店くださったお客様、本当に申し訳ございませんでした!!!