小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba -2444ページ目

派遣の階段

それからも私は業務の遂行に努めた。


あらぬ疑いをかけられたからといって手を抜く訳にはいかない。


尚一層の精進をしなければ、クレジット会社の思う壺である…とその時は思った。


笑顔絶やさず、セールスし捲り3月もセールストップを貰った。


しかし。翌月突然私のスケジュールに異変が起きた。
派遣会社から『指名が入りました!』と言う。


今私の顧客(場末のスナックみたいだが)の熱心な方は健康サンダルが有力候補だった。


しかし一番遠い支店だった。

『何処ですか?』いくつか思いあたる中で、近い支店だと良いなぁ~と考えても不正疑惑かけられるようなツイていない私には、遠い支店からのご指名だった。

4月に入り今月一杯で、この仕事ともお別れだ!
健康サンダルに会いに行きお礼を行って『立つ鳥後を濁さず』で最終月もトップを狙う!と心に決め、電車を乗り換え健康サンダルのラーメンの小池さんの元へ向かった。

初日シャッターが開くまで待機するべき所に健康サンダルがうろうろしていた。

胡散臭いなぁ


三木助と共に生きて磨き抜かれた勘はハズレなかった。

私の顔を見るや否や…飼い主をやっと見つけた犬のように尻尾が付いていたらちぎれんばかりに振って来るだろう満面の笑みを浮かべ健康サンダルは手揉みしながら近づいて来た。


『おはようございます』と言いながら私は後ずさりしている。
それに対して健康サンダルは、『わざわざご足労戴きありがとうございますm(._.)m』どちらが支店長か知らない人が見たら、あの女の方じゃない…という感じの雰囲気で支店全体も異様な空気だった。


派遣スタッフは一様にエプロン姿だった。
エプロンに対して支店長たる健康サンダルが異様に下手に出ている。

『実は小林さんを見込んでお願いがあります。』…ご足労戴いた上にまだお願いか~


黙って聴いていた。
『今年度の新入行員を育てて戴きたい!』

『はぁ?私派遣ですよ!』見たら解る。
エプロン姿だからだ。

しかし、健康サンダルは『当銀行の行員を育てられるのは貴女しかいない!』ちょうどシャッターが開いた。

『いらっしゃいませ!』と私は逃げる。
健康サンダルはまだいる


お客様を捕まえなければ…慌ててご案内して接客に成功すると、健康サンダルはメモを置いて支店長席に戻って行った。