十番 [エースナンバーの重み]
ナンバーゼッケンを背負う競技では、エースナンバーが存在します。
多くの競技で多いのが、1番なのかと思います。
また、重要なポジションを意味する番号で、エースを意味させる競技もあります。
変わったところでは、日本のプロ野球では、歌舞伎の十八番(おはこ)が起源と言われる18番がエースナンバーです。
サッカーでは、キャプテン翼のゼッケンでもお馴染みですが、サッカーの王様と呼ばれるペレから始まって、世界的に認識された10番がエースナンバーです。
日本代表では、中村俊輔が着けてきた10番ですが、南アフリカ・ワールドカップ以降、不在でした。
有力視されていたのが、香川真司選手と本田圭佑選手でした。
結局、1月のアジアカップで、10番を背負ってプレーしたのは、昨年夏に移籍したドルトムントでリーグ戦17試合8得点で前半戦のMVPに選出された香川選手でした。
その香川選手ですが、1次リーグこそ振いませんでしたが、準々決勝のカタール戦では、2得点を挙げる活躍をしました。
しかし、続く準決勝の韓国戦では、PK戦の末、チームは勝利したものの、香川選手は、右第5中足骨骨折の怪我を負ってしまいます。
強豪オーストラリアとの決勝戦を残して、10番を失ってしまった日本代表。
しかしながら、ザッケローニ監督が、団結力と賞賛する通り、MVPに選出された本田選手、ゴールキーパー川島選手のファインセーブ、そして、李忠成選手が途中出場でボレーシュートの決勝点を挙げるなどの活躍をして勝利し、見事に優勝を果たしました。
10番不在の中で、控え選手を含めた選手達全員がチーム一丸となり、その上で個々の能力を発揮し切った結果だったのだと思います。
負傷した香川にとっては、10番が決して代表へのフリーパスではないことを思い知る結果になったとも言えます。
一刻も早く完治させて、代表に復帰してくれることを待ちたいと思います。
加えて、代表の座、あるいはレギュラーを狙う選手達には、次は自分が10番を背負うくらいの意気込みで、レギュラークラスの座を脅かして欲しいと思います。
それがまた、サッカー日本代表を強くするはずです。