燻銀 [いぶしの強さ]
女子テニスの東レ・パンパシフィックオープン が東京・有明コロシアムなどで開催されています。
本大会の目玉は、第2日の27日にシングルス1回戦で組まれた前回優勝のマリア・シャラポワ選手(ロシア)と1950年優勝のクルム伊達公子選手の戦いです。
シャラポワ選手と言えば、昨年の前半を肩の治療のため休養したことから、現在の世界ランキングは12位となっていますが、4月から段階的にツアーに復帰し復調しつつある現在のトッププレーヤーの一人です。
対して、伊達選手は、現在の世界ランキングは、57位。
今大会は、主催者推薦ので出場となりました。
今年の伊達選手は、世界ランキング19位のV.ラザノ選手、世界ランク20位のN.ペトロワ選手、元世界ランク1位のサフィナ選手などの実力と実績のある選手を撃破するなど好調を維持しています。
パワーテニスの23歳、シャラポワ選手に対して、39歳、燻銀の伊達選手が、スピードとテクニックでどこまで対抗できるのかが焦点であったと思います。
シャラポワ選手の長身から繰り出されるパワーショットを封じ込めるために、速い展開で相手の打点が低くなるように意識してショットを左右に打ち分けてミスを誘ったと言います。
試合の展開は、正に伊達選手のイメージ通りだったのだと思います。
結果ですが、7-5、3-6、6-3のセットカウント2-1で勝利したのです。
更に、一夜明けた28日。
この日は、伊達選手の40歳の誕生日でした。
そして、この日対戦した世界ランキング28位の、ダニエラ・ハンチュコバ(スロバキア)に対しても、セットカウント1-1で迎えた最終セットで優位にゲームを進め、最終的には相手選手が途中棄権して勝利しています。
この年齢にして、厳しいトレーニングを重ねてスピードとテクニックにさらに磨きをかける伊達選手。
試合後の「常に冷静で、ネガティブにはならなかった。」のコメントからも、心技体の全てが、年齢の壁を超越して高まっているのではないかと思わせます。
現代のパワーテニスに対抗するアラフォー世代の代表とも言える伊達選手に世界中のテニスファンだけではなく、多くの皆さんが注目と期待、応援をしていることと思います。