R72~73シーズン
新生ロケッツのスタメンはこんな感じ。
エルビン・ヘイズが去って絶対的なスターはいなくなりましたが、PG~PFのバランスは悪くないと思います。
PG ジミー・ウォーカー
SG マイク・ニューリン
SF ジャック・マリン
PF ルディ・トムジャノビッチ
C オットー・ムーア
7勝4敗と好スタートを切りますが、直後に7連敗(6試合がロード)。
その後しばらく粘るんですが、年明けに17勝20敗としたところから今度は10連敗。
ここでテックス・ウィンターが解任されました。
●コーチ交代
ウィンターは3年契約の2年目でしたが、ヘイズの後を追うようにチームを去りました。
10連敗直後には「私は諦めない。今年を除いて、私は2シーズンしか負け越したことがない(実際は3シーズン)。契約はもう1年残っているし、もしフロントがそうしたければ、残りの契約を買い取ることも出来る」と強気のコメントをしていたのですが。
ウィンターはこの後カレッジのコーチに戻り、85年以降、ブルズとレイカーズでACとなりますが、NBAでHCを務めることはもうありません。
後任は、このシーズンからACに就いていたジョニー・イーガン。
昨シーズンで現役を引退したばかりで、34歳と若いです。
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コーチ交代後の35試合は16勝19敗。
交代直後の5試合を4勝1敗としたのはよかったんですが、三度の4連敗で最大借金は19。
33勝49敗でシーズンを終えました。
4位との差は大きかったですが、一応カンファレンス5位(4位までがプレイオフに進出)。
このシーズン、ウィンターも最初35試合は16勝19敗だったので、コーチ交代の影響がどの程度あったのかはわかりません。
ヘイズが抜けましたが、平均得点はリーグ首位。
シュートの確率も悪くなく、FT成功率はリーグ2位でした(ヘイズのFTはよくても6割台後半だったので、これは移籍による+の作用ですかね)。
弱点はディフェンスで、平均失点はリーグ2位の多さ。
リバウンドも弱くなりました(これはヘイズがいなくなったからですよね)。
アシストは、パスに難のあるヘイズがいなくなっても変わらず少なかったです。
【バックコート】
ウォーカーは、81試合で平均18.0点・5.5アシスト。
フルタイムでのPG起用は初めてなんですが、アシストはチーム最多&キャリアハイです。
オフのトレード時、レイ・パターソンは「多くの人が彼の得点力を評価しているけれど、うちは、オフェンス全般においてとても効果的な選手だと思っている。プロバスケット界でもトップクラスのパサーのひとりだと評価している」としており、言葉通りの起用となりました。
2年目のニューリンは、82試合で平均17.0点・4.1リバウンド・5.0アシスト・FT成功率88.6%(リーグ3位)とブレイク。
この人はシューターなんですが、ハンドリングもよく、アグレッシブさと賢さを兼備した好選手です。
難点と言い切ってしまっていいのかわかりませんが、そのアグレッシブさのためかファウルが多いです。
【フロントコート】
マリンは81試合で平均18.5点・FT成功率84.9%。
ブレッツにいた昨シーズンから得点は落ちましたが、2年連続でオールスターに選出されました。
サウスポーでシュータータイプのSF。
意外とリバウンドも取れるんですが、スコアラーと呼ぶにはちょっと物足りないでしょうか。
トムジャノビッチも81試合に出場し、平均19.3点・11.6リバウンド。
このチームの得点王&リバウンド王でした。
シーズン序盤はベンチスタートだった時期もありますが、シーズン中盤から(少なくともスタッツ上は)安定感が向上。
1/9以降すべての試合で2桁得点をマークしています。
ムーアは全82試合で平均11.7点・10.6リバウンド。シーズンの大半の試合でスタートしました。
シーズン後半に得点&リバウンドの両方で調子を上げており、キャリアハイの平均33.1分プレイしています。
【控えとか】
カルビン・マーフィーは、ウォーカー加入の煽りを受け、出場機会が減少。
ミニッツは平均で9分も減り、自己ワーストの平均13.0点に終わりました。
シュートの成功率は過去2シーズンを上回っており、アシストはそんなに減っていないので、内容自体は悪くなかったかも。
FT成功率は2年連続でリーグ2位です。
ドン・スミスは1月末でシーズンを終えており(理由は不明)、48試合の出場。
ミニッツは、ソニックスにいた昨シーズンから10分以上減りました。
ただ、それで平均8.7点・6.3リバウンドは上々(ミニッツを平均36分として換算すると昨シーズンと同等)。
欠場前には連続してスターター起用されており、そのままプレイしていたら、もっと活躍していた可能性もあります。
クリフ・ミーリーは、シーズン序盤はトムジャノビッチの代わりにスタートしていた時期もあり、悪くなかったんですが、12月になってトーンダウン。
全82試合に出場しましたが、得点&リバウンドは昨シーズンから下降しました。
エリック・マクウィリアムスは、44試合・平均5.6分しか出番がありませんでした。
【細かい動き】
①10月末、グレッグ・スミスをブレイザーズに出して、スタン・マッケンジーを獲得。
②11月頭、ディック・ギブスをキングスへ売却。
③オールスターブレイク直後、ポール・マクラッケン、ジョージ・ジョンソンと契約。
トレード前のスミス&ギブスは、昨シーズンからミニッツが大幅減。
ポジションの重なるマリンの加入が響きましたかね。
マッケンジーはNBA6年目のスウィングマン。
過去2年は創設間もないブレイザーズで、2桁得点を稼いでいました。
ロケッツではあまり使われません。
マクラッケンはルーキーのG(6フィート4インチ)。
ドラフト指名されず、9月に一度ロケッツと契約を結ぶんですがオフのうちに解雇され、ようやくNBAデビューです。
コミュニティ・カレッジで2年、カリフォルニア州立大ノースリッジ校で2年過ごしており、後者はマイケル高橋の母校でもあります。
ジョンソンは25歳のC(6フィート11インチ・245ポンド)。
70年のドラフト1巡目でブレッツ入りするんですが、翌71~72シーズンはABAのシャパラルズへ。
このシーズンは、同じくABAのコンキステイダーズに在籍していたようなんですが、プレイはしていません。
加入時期から察するに、スミスの離脱を受けた動きかと思います。