R70~71シーズン

 

序盤の主要ラインナップはこんな感じ。

 

G ラリー・シーグフリード

G スチュ・ランツ

F ジョンQ.トラップ 

F ジョン・ブロック

C エルビン・ヘイズ

 

開幕からしばらくは、黒星が先行したらその分勝って取り返す勝率5割ペースといった感じ。

11月末から2ヶ月ほどシーグフリードが欠場しますが、ここで代役を任されたカルビン・マーフィーが活躍。

 

マーフィーは開幕から一定のミニッツを得、ベンチの稼ぎ頭となっていたんですが、シーグフリードが欠場した試合から6試合連続で20点以上をマークするなど、スコアラーぶりを発揮。

この頃からドン・アダムスもスターター起用されるようになりました。

 

ルーキー2人のお陰か、年明けの時点で23勝20敗と創設以来ベストのシーズンを過ごしていたんですが、その直後からオールスターを挟んで10連敗。

1勝して更に6連敗を喫し、一気に下位に落ちてしまいます(24勝36敗)。

 

2月になって急に勢いを取り戻し、ラスト22試合を16勝6敗とスパーク。

最後は7連勝でシーズンを終えるんですが、シーズン中盤のスランプが痛すぎました。

 

40勝42敗は創設以来ベストの成績ですが、惜しくも1ゲーム差でプレイオフに届かず。

 

NBAはこのシーズンから4ディビジョン制になり、プレイオフには各ディビジョンの上位2チームが進むというシステム。

ロケッツはパシフィック・ディビジョンの3位でした(2位のウォリアーズは41勝41敗)。

 

オフェンスは、確率が悪いまま(FG成功率はビリ)、平均得点がダウン。

ただ、昨シーズン、リーグワーストだった平均失点の多さは中の下くらいまで改善されました。

リバウンドも依然として多いです(リーグ2位)。

 

【3年目】

 

ヘイズはデビュー以来欠場なしで、このシーズンも全82試合に出場。

リーグ2位の平均44.3分プレイし、キャリアハイの平均28.7点(3位)・16.6リバウンド(3位)をマークしました。

1月半ばのニックス戦での35リバウンドもキャリアハイです。

 

オールスターには3年連続で選出されますが、このシーズンは初めてベンチスタートに。

ディビジョンの再編成に伴ってバックスがウェストのチームになり、ルー・アルシンダーがいたためです。

(因みにこのシーズンのオールスターは、サンディエゴ開催でした)

 

個人成績はリーグトップクラスをキープしており、チームの成績も向上したんですが、自身を取り巻く状況は改善されず。

特にハンナムとの関係はよくありませんでした。

 

そもそもヘイズは、その態度や言動から(カレッジ時代からのちのキャリアまで含め)コーチやチームメイトとの関係性に難があったとされる選手。

ハンナムもまた我が強く、2人は合わなかったようです。

 

ヘイズ曰く、「あいつは”俺を壊してやる”という感じで、俺を馬のように扱うんだ」「俺が何かする度に突っかかってくる。俺を見せしめにするんだよ。いつも大声で罵られたね。”ヘイズはこうだ””ヘイズはああだ”ってね」。

 

一方、ハンナムはのちに「オーナーのお陰で、私には何の権限もなかった」「プロスポーツ界の風潮が変わりつつあったんだろう。私はそれに合わせて自分も変わりたくなかった。ヘイズは、まさに私が望まないタイプの選手だった」と厳しいコメント。

「私がスポーツ界で会った中で、最も卑劣な人間」とまで言っています。

 

ヘイズには”肝心な場面で活躍できない”という悪評もあるんですが、それについてもハンナムは、「彼はフロントランナーだ。なのに彼を緊迫した場面に置いても、立ち向かおうとしない」「挑戦させれば、必ず折れる口実を見つける」とのこと。

 

また、試合に負けたとき、サンディエゴ・ユニオン・トリビューンという地元の新聞が定期的にヘイズを批判するようになっていたんですが、ヘイズはそれともやり合ってしまいます。

朝、地元紙の記事で自分が批判されていると、その日の夜にヘイズがラジオやテレビでそれを批判し返す…と。

 

”悪役”として批判に晒されることはヘイズにとって辛く、自殺を考えたこともあったとか。

 

【主力】

 

ランツは82試合で平均20.6点・5.0リバウンド・4.2アシスト(いずれもキャリアハイ)と、スタッツ的には自己ベストのシーズンでした。

ヘイズほどではありませんが、FTを多くもらっています(成功率はちゃんと8割オーバー)。

 

ブロック&キンボールはミニッツが激減。

ブロックは73試合、キンボールは80試合に出場しましたが、どちらもロケッツ加入以降ではワーストのシーズンでした。

 

古参組でミニッツが大幅に増えたのは、スタートする機会も多かったトラップ。

全82試合で平均9.6点・6.2リバウンドでした。

ファウルが多いのは相変わらずで、シーズンの約半分で5ファウル以上。16試合でファウルアウトしています。

 

【ルーキー4人】

 

アダムス&マーフィーはそれぞれ全82試合に出場。

アダムスは平均11.4点・7.1リバウンド、マーフィーは平均15.8点・4.0アシストでした。

 

ハンナムのスターティングFの組み合わせは、12月以降は、アダムスと[ブロック/トラップ/キンボールのうちの誰か]という感じ。

アダムスは、シーズン通してムラが少なかったです。

 

マーフィーは、ミニッツこそ平均25分ほどなんですが、時間換算の得点アベレージはヘイズと同等。

FG成功率はチームトップと精度も高く、定評のある得点力を見せてくれました。

オール・ルーキー1stチームに入っています。

 

ルディ・トムジャノビッチ&カーティス・ペリーがNBAで活躍するのはまだ先。

トムジャノビッチは、開幕からしばらくはそれなりに起用されていたんですが、12月に入って出場機会が減少。

77試合で平均5.3点・4.9リバウンドと、2位指名としては寂しい数字に終わりました。

 

ペリーは一度CBAへ行くなど(戻ってくる)、シーズン後半はほとんどチームにいませんでした。

 

【G】

 

スターティングPGのシーグフリードは、53試合で平均8.0点・6.5アシスト。

復帰以降、得点が伸びないんですが、アシストはキャリアハイで、シーズンラストの7連勝中は6試合で2桁アシストをマークしています。

 

12月頭には(恐らく)シーグフリードの離脱を受け、キャブスとのトレードが成立。

ロケッツは71年のドラフト3巡目指名権と交換で、PGのジョニー・イーガンを獲得しました。

 

イーガンはキャリア10年目のベテランPG。

ロケッツが6チーム目で、過去2シーズンはレイカーズに在籍。

オフにエクスパンション・ドラフトでキャブスに移籍したばかりでした。

 

ロケッツでは、移籍直後の12月は積極的に起用されましたが、年明け以降は出場機会が激減。

試合に出ても数分しかコートに立たないパターンが増え、自己ワーストのシーズンとなります。

 

2年目のバーニー・ウィリアムスは停滞。

長くプレイしても(少なくともスタッツ的には)結果を残せない試合が多く、来シーズンはABAへ行きます。