R70年オフ

 

このオフのピート・ニューエルは、ロケッツ史に残る重要な選手を2人もゲットします。

 

【ドラフト成功】

 

ドラフト1巡目第2位でルディ・トムジャノビッチ、2巡目第18位でカルビン・マーフィーを指名。

 

トムジャノビッチは6フィート8インチのF。

ミシガン州のハムトラミック生まれで、地元の高校で活躍し、ミシガン大へ進学。

カレッジ時代はPFで、得点とリバウンドで存在感を見せていました。

1試合30リバウンドは同大の記録です。

 

お父さんはクロアチア系。

ユニフォームには”RUDY T”とプリントされます。

 

マーフィーはナイアガラ大出身のPG。

5フィート9インチ・165ポンドのスコアリングGで、カレッジ4年間の通算は平均33.1点で、キャリアハイは68点。

1年次に至っては平均48.9点のハイアベレージでした。

同大は、マーフィー4年次の70年にNCAAトーナメント初出場を果たしています。

 

ところで、この年のドラフトではピート・マラビッチ、リック・マウントという2人も指名されたんですが、マーフィーと併せたこの3人は”The Three M's”と呼ばれました。

 

マーフィーがナイアガラ大に進んだ66年にマラビッチはLSU、マウントはパデュー大にそれぞれ進み、3人ともデビューからスコアラーとして活躍。

3人のカレッジ通算の得点アベレージは、いずれも30点を超えます(マラビッチは40点オーバー)。

 

マーフィーに対しては、ありがちな話ですが、サイズを懸念する向きが強く、特にディフェンスに対する評価は厳しいものでした。

”プロでやれる”という見解も、”(ディフェンスで助けになってくれる)いいビッグマンがいて、ランニングチームならばチャンスがある”といった条件が付く感じ。

 

前HCのジャック・マクマホンは、オフェンスについてもシュート・セレクションの悪さを指摘するなど、全体的にあまり評価していなかったようです。

アレックス・ハンナムHCもあまり喜ばなかったとか。

 

【ドラフトその2】

 

3巡目第35位でカーティス・ペリー、8巡目第120位でドン・アダムスを指名。

 

ペリーはサウスウェスト・ミズーリ州立大(現ミズーリ州立大。ペリー在籍時はディビジョンⅡ)出身のPF。

6フィート7インチ・220ポンドと上背はありませんが、カレッジ時代はCでした。

 

アダムスはノースウェスタン大出身のF(6フィート6インチ)。

在学中、リバウンドは常にチームトップでした。

 

因みに、7巡目第103位ではビリー・ポルツというビッグマンを指名。

この人はABAへ行って活躍し、NBAとABAが合併した後も85年までキャリアを続ける好選手なんですが、NBAドラフトはこの順位でした。
 

【エクスパンション・ドラフト】

 

リック・アデルマン&パット・ライリーがブレイザーズ、ビンゴ・スミスがキャブスへ。

2年前のジョン・マグロックリンに続き、今度はスミスが、この後キャブスで永久欠番になるほどの活躍を見せます。

 

また、同じ日にはブレイザーズとトレードも成立。

ジム・バーネットを出して、ラリー・シーグフリードを獲得しました。

 

シーグフリードは6フィート3インチのG。

セルティックスで7年のキャリアがあり、そこで5度の優勝を経験しています。

過去5シーズンは平均で2桁得点をマークしている他、FT成功率で2度リーグ首位になるなどシュートが上手です。

【新天地へ】

 

ドン・コジスはソニックスへ売り、アート・ウィリアムスは71年のドラフト5巡目指名権と交換でセルティックスへ放出。

 

一連の補強で2人ともポジション的に居場所がなさそうですが、コジスは昨シーズン中のトレード要求の影響もあるでしょうか。

セルティックスはPGが不足していたからかなと。