有機農業における肥料は、自然の資源から作られる有機物を主成分とした肥料です。有機農業では、化学合成された肥料や農薬の使用を最小限に抑え、土壌や植物の健康を維持するために自然の力を活用します。
有機農業において一般的に使用される肥料には、以下のようなものがあります。
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堆肥(たいひ):堆肥は有機物(例:家畜のふんや野菜くず)を分解・発酵させて作られる肥料です。有機物の分解により、土壌の肥沃度を高める効果があります。
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緑肥(りょくひ):緑肥は、特定の植物(例:クローバー、アズキ)を栽培し、収穫前に土壌に追肥することで、栄養分を供給する肥料です。また、緑肥は土壌を保護し、水分の保持能力を向上させる働きもあります。
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海藻肥料(かいそうひりょう):海藻肥料は海藻を主成分とした肥料であり、海洋由来のミネラルや微量元素を含んでいます。土壌改良や作物の生育促進に効果があります。
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魚粉(ぎょこ):魚粉は魚の身や骨を乾燥・粉砕したものであり、窒素やリン、カルシウムなどの栄養素を含んでいます。土壌の栄養補給や微生物の活性化に役立ちます。
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バークミュール(木質バーク堆肥):木の樹皮を分解・発酵させたものであり、土壌の保水力を向上させる効果があります。
これらの有機肥料は、有機農業の原則に基づいて作られており、土壌の健康を保ちながら、環境にやさしい栽培方法を実現するために重要な役割を果たしています。