ガラスの宮殿 アミタブ・ゴーシュ 原題 The Glass palece


を読みました。背表紙のキャッチコピーが魅力的で、手に取りましたが、

長編で時間がかかりました。


ビルマとインドを舞台にした三世代にわたる大河小説です。

なかなかこれまで読むことのなかった地域の話でした。


ビルマ人とインド人と混血の子供孫たちの話が

ビルマ王宮が崩れる所から始まります。


イギリスの植民地となっている立場で、どう自分の国と付き合って

行くのか?後半第二次世界大戦がはじまり、そこに独立戦争も

絡んできます。

当然ながら日本軍が敵軍として出てきて、やはりちょっと複雑な気持ちになりますね。

激動の歴史の中、キャラクターの違う魅力的な登場人物たちが、

各々の人生を生きていきます。


植民地として支配されるという事は、モラルにまで影響を与え

自国というものがどこなのか?二重に縛られてる感じがしました。


ビルマはミャンマーと名前を変えて、今も民主化運動が続いていますが、

長い間ずっと苦難に満ちた国ですね。


ネタバレですが、終わりの方にアウン・サン・スーチーさんも登場しています。



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後書きに

「どうすれば人間はみずからの生まれた文化の束縛を超えて、他者を理解できるのか?」

ということが作者の一貫した問題意識である・・とありました。


ツヴァイクの「女の二十四時間」を読みました。


ウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブタペスト・ホテル」を見た後

その情報を検索していたら、監督がツヴァイクに触発されて、

この作品を作ったという記事を目にし、それもあって読んでみました。

女の二十四時間―― ツヴァイク短篇選 (大人の本棚)/S.ツヴァイク
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私はこれまでツヴァイクという作家は全く知らなかったけど、

20世紀前半にはかなり有名な作家だったらしいですね。


この「女の24時間」も映画化されたこともあるそうです。


モチーフとしては、人生にはちょっとした事で

ありえないほど全く変わってしまうような瞬間がある。

そしてそれは、当事者の意志や知恵によっても避けられないものである。


その力を超自然的な力・・デモーニッシュと名付けたそうです。

そのデモーニッシュに人生は翻弄される・・というような。


読んでいて結構疲れました。

神経がピーンと張りつめたような感覚がありますね。


何故か、バージニア・ウルフの「ダロウェイ夫人」を思い出しました。

感覚の鋭敏さ、皮膚感覚に共通点があるような気がしました。

同じ時間、ひと時が普通の何倍もの意味持ち、

刺激に満ちて濃密な時間となっている感じです。


二人とも自殺で人生を終えてますが、確かにこんな感覚で生きていたら、さぞかし生きづらかったと思います。



ジェーン・オースティンの「説得」


説得/ジェーン オースティン

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これは読んでいる途中、ライムという町での出来事のあたりで、

ドラマ化されたのを見たことがあるのに気づきました。


オーステインの他の作品と似てますが、

ヒロインがなんというか、理想的な女性というか、

非のうちどころがないような善良さで

ちょと面白さ・魅力には欠けるかもでした。

リュシル: 闇のかなたに/デルフィーヌ ドゥ・ヴィガン
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リュシル 闇のかなたに 」デルフィーヌ・ドゥ・ヴィガン作を読みました。


この作品は、2011年の仏本屋大賞を受賞した作作品です。

作者はこの作品の前にすでに「ノーと私」という作品で評価されていたそうです。






その後母の自死を経験します。

若い頃はモデルとして、国民的なスターでもあった母の自死を止めることは出来なかったのか?


作者は親戚の人たちへのインタビュー、

書き残された資料、残された映像などを通して

自分の家族の歴史、特に自死した母親の人生の軌跡を見直して行きます。

小説ともドキュメンタリーとも言えない、中間的な作品でした。


前半では自分が知ることのできない、母の若いころの様子が小説のように書かれています。


そして自分が生まれた後は、時折作者の戸惑いや内省をはさみつつ

自伝のようなタッチになっていきます。


精神を病み病気と付き合いながら62歳で自死した母、

何故そういう人生となったのかを、

その周りの大家族のあり様、実力者であった祖父の影響力、

中心的存在であった祖母や、その大家族の暗い秘密不幸な出来事から

解き明かそうとします。


読んでいると作者と一緒にその混沌とした世界の中で

手さぐりで進んでいるような気持ちにもなり、

なかなか手ごわい作品でもありましたが、

フランスのかつてのブルジョワジーの家族の様子、世の中の様子が

伝わり、忘れられないような作品でした。


この作品は仏ではベストセラーとなり、高校生が選ぶルノドー賞をはじめ

各賞に選ばれたそうです。


このような、まあいわば暗い作品、一概に面白いと言えないような作品が

各賞に選ばれる・・というのを知ると、フランス人の教養の深さというか

文化文学に対する姿勢や理解の深さに、ちょっと脱帽しますね。






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海外モノのミステリが好きです。

もともと30代の頃にアガサ・クリスティー作品を読み始めて
その後色々なものを読んでました。


米国ミステリも一時読んでましたが、

やっぱり一番好きなのはイギリスものですかね。

PDジェイムスとか、エリザベス・ジョージ

 ルース・レンデル(ウェクスフォード刑事もの)、

バーバラ・バインとか。
その後、ミネット・ウォルターズとかが好み。

(何故か女性作家ものばかり)


そして2,3年前から北欧ものも読み出しました。

エリカ&パトリックのシリーズとか、アン・クーリブスものとか。

今は「特捜部Q」を結構面白く読んでます。


そういえば読んでないけど、ミレニアムシリーズもヒットしましたね。

ドラマと映画両方見たけど、断然ドラマの方が面白かったと思う。

キャストもドラマの方が良いし。



その後、ミステリチャンネルで 原作を読んだフロスト警部ものとか、
コリン・デクスター原作モース警部などのドラマを見ていました。


その他にもバーナビー警部シリーズとか、ブラウン牧師シリーズとか。
もちろん新しいシャーロックもやってましたね。



英国の地方都市の・街並やカントリーサイドの風景も見られるし、
ロンドンの様子も・・見られて楽しい。


でもコロンボ警部とかジェシカおばさんの事件簿が

繰り返し放映されるので、ちょっとお休みしてました。


すると今月からなんと、アン・クリーブスのペレス警部シリーズ

シェトランド四重奏がオンエアされるというじゃありませんか!


番組名は「シェトランド」


「シェトランド 画像 ドラマ」の画像検索結果


早速一度解約したミステリーチャンネル再開しました。
そして映像で見るシェットランド諸島。

荒々しい北の海、木の生えていない荒涼とした大地。
夏でもダウンを着ているような寒さ・・厳しい自然が伝わって来ます。


やっぱり読むだけじゃなくて、見てみると作品の背景が良く分かる!

風土の影響力ってあるなあと感じます。

そういう訳で、夜のテレビの楽しみが増えました♪

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久しぶりにDVDを借りました。
ジョン・アーヴィング原作の「ホテルニューハンプシャー」という作品です。
ホテル・ニューハンプシャー [DVD]/ジョディ・フォスター,ロブ・ロウ,セス・グリーン
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「ホテルニューハンプシャー」は、以前原作を読んだのですが、
その圧倒的な物語力に、ぐっと引き込まれたのを覚えています。


この映画はアメリカのある一家の話です。
現状に満足できずに常に次の夢を追い続ける父と共に
最初地元で、次にはウイーンへと移住して家族でホテルを営みます。
そして個性豊かな5人の子供たちや、アクの強い周囲の人々の人生が語られます。

メインキャストのフラニーという役がジョディ・フォスターで、
当時の若くてやや太り気味なのもピッタリの感じ。

そして一番映像化を期待していた熊のスージー、
普段から熊の毛皮の着ぐるみを着ている・・ってどんな感じなのか?
と思ってましたが、なるほどねぇという感じでした。
そしてキャストは 美貌のナスターシャ・キンスキーでした。

熊使いのフロイトも原作そのままの風貌でした。


それからウィーンのテロリストのミス・ミスカリエージって

パルプフィクションでティム・ロスのガールヘレンドの役の人?

独特の雰囲気の人です。
アマンダ・プラマーという名前だそうです。
(ちなみに私は結構ティム・ロスが好き♪)

主人公のジョンはロブ・ロウがやっていますが、
この時は若くて良いですね。
(その後のイメージとかなり違うので、最初分からなかった。)

あれだけ長い話、展開も多いしエピソードもぎっしりの話を、
一体どうやって100分くらいにまとめるのだろうと思っていたけど、
ちゃんとうまく出来ていて、まとまってました。

さすがですね。
改めてこういう話だったのだと、理解が深まったように思います^^。

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