ガラスの宮殿 アミタブ・ゴーシュ 原題 The Glass palece
を読みました。背表紙のキャッチコピーが魅力的で、手に取りましたが、
長編で時間がかかりました。
ビルマとインドを舞台にした三世代にわたる大河小説です。
なかなかこれまで読むことのなかった地域の話でした。
ビルマ人とインド人と混血の子供孫たちの話が
ビルマ王宮が崩れる所から始まります。
イギリスの植民地となっている立場で、どう自分の国と付き合って
行くのか?後半第二次世界大戦がはじまり、そこに独立戦争も
絡んできます。
当然ながら日本軍が敵軍として出てきて、やはりちょっと複雑な気持ちになりますね。
激動の歴史の中、キャラクターの違う魅力的な登場人物たちが、
各々の人生を生きていきます。
植民地として支配されるという事は、モラルにまで影響を与え
自国というものがどこなのか?二重に縛られてる感じがしました。
ビルマはミャンマーと名前を変えて、今も民主化運動が続いていますが、
長い間ずっと苦難に満ちた国ですね。
ネタバレですが、終わりの方にアウン・サン・スーチーさんも登場しています。
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後書きに
「どうすれば人間はみずからの生まれた文化の束縛を超えて、他者を理解できるのか?」
ということが作者の一貫した問題意識である・・とありました。