僕は日本語しか操れないので日本語訳しか読んだことがないのだが、それでも、彼の詩的表現力には感動を覚える。
町の図書館に行ってみるといい。人目につかない文学作品群の片隅で埃をかぶり、人々の無関心に耐えながら、その本は君が手に取ってくれるのをじっと待っている。
イェイツの表現力は素晴らしいが、彼の目の前ではその表現力も霞んでしまう。
彼とは誰か、イスラエルの英雄ダビデだ。
勇敢な戦士であり、神を恐れる統治者でもあったダビデ、彼の刻んだ歴史は聖書の中に収められている。
様々な才能に恵まれたダビデだが、中でも突出しているのは詩的表現力だろう。
彼の唄う詩に心の傷を癒されたり、神への信仰を強めて来た人は後を絶たない。
聖書の19番目の書。「詩編」には、彼の織りなす美しい言葉が数多く記されている。
僕が特に好きなのは、詩編139篇だ。
その中でダビデは、地平線上に昇る太陽の光が地平線を照らす様子をこう表現している。
夜明けの翼
美しい言葉だ。
どう頭を捻れば、日の光をこう表現出来るのか知りたい。
もちろん、この言葉は彼の詩的才能の僅かな切れ端でしかない。
彼の詩的才能の全体像を知りたいのであれば、聖書を開くしかない。
聖書には様々な宗教的イメージが付いて回るので、聖書に興味の持てない人は多いと思う。
しかし、聖書に信仰を見出すつもりはなくても、文学的作品を読んでみるという名目で目を通してみるのは如何だろうか。
そうするならば、この一冊の書物が神の言葉と呼ばれる理由を知ることが出来るだろう。
貴方が求めさえすれば、その本はすぐに手に入る。