水中カメラマンのデスクワークな日々 -437ページ目

InterBEE 2006

今週、InterBEEという国際放送機器展が幕張メッセで開催されています。
私は、今日まで台湾なので最終日の明日行く予定です。

気になるのでちょっと今年の様子をネットで調べてみました。
↓この辺りが的確にまとめられているサイトでしょうか?

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20061115/interb.htm

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/media/27810

結局「松下 vs ソニー」という、予想通りの内容のようですね。

スペック的には、ソニーのCineAltaの最上位機種「F23」は、初の1080/60pを実現したENGタイプでは最高機種だと思うのですが、実勢価格で約1800万円もしたのでは、放送局でも気軽に導入できる価格ではないですね。(放送局というよりはハリウッド向けですね。) 現実的に多くの放送局やプロダクションが望んでいるのは、ハイスペックでも低価格な機種ではないでしょうか?

 松下のフレーム内圧縮コーデックのAVC-Intra形式(とくに100Mbpsの10bit、4:2:2サンプリング)は、従来のDVCPRO HDより高画質なフォーマットとして期待しているのですが、実際の運用を想定した時に気になるのが、映像のアーカイブ(ライブラリー保存)なんです。

 AVC-Intra形式で記録できるビデオデッキの開発の予定は無いそうなので、HDDやBluerayのようなメディアに保存しなければなりません。その為に開発されたのが、参考展示された「AJ-CM50BD」らしいのですが、「価格は70万円程度で、最大30枚のBD/DVD/CDが収納可能で、1.5TBのデータ、BDへの書き込み速度は2倍速」個人的には、今時このスペックでは中途半端!って感じでしょうか。
 今なら、SATAの3.5インチディスクをリムーバルに収納できるようした保存システムを構築する法が、安価で大容量で高速なものができると思うのですが、Blue-rayを普及させたい松下さんとしては、Blue-rayに拘ったって所でしょうか?

 毎年、InterBEEで面白いと思う所は、小さなブースで”掘り出し物”を見つけた時なのですが、こればかりは自分の目で探さないとダメですね。

 個人的には、しつこいですが、Motion Jpeg2000に拘りたいです。
去年見過ごしてしまったのですが、Motion Jpeg2000で収録できるビデオカメラ のようなものが、いっぱい出てきて欲しいですね。

大型スクリーンで手振れ映像。めまいや吐き気で救急車

 2週間前のニュースですが、「三重県の女子校で、大型スクリーンの映像(いわゆる”手ぶれ映像”)を見ていた生徒らが次々とめまいや吐き気などを訴え13人が救急車で病院に運ばれた」 というのがありました。

 昔から、「いわゆる素人の”手ぶれ映像”を見せられると気持ち悪くなった」なんて話はよく聞く話ですが、大画面で上映する事の特異性について、一部の映像のプロの方を除いて、一般の方々にはほとんど認知されていない事なのではないでしょうか?

 最近、急激に大画面ハイビジョンTVや小型ハイビジョンカメラが一般に普及してきました。

 このまま、安易に大画面ハイビジョンTV(PDP,LCD,家庭用プロジェクタ)や小型ハイビジョンカメラが一般家庭に普及してしまうと、「家族で、大画面ハイビジョンTVで運動会の映像を上映中、体調不調で救急車」なんて事態が急増してしまうかもしれません。

 ビデオを撮影する側の留意点として、大画面上映を前提とする場合、小型TV(画面)での上映とは根本的に意識を変えて撮る必要があります。

 わかりやすい例では、「パンやチルト(左右、上下にカメラを振る撮り方)は、従来より非常にゆっくり動かす」という具合です。

 とはいっても、映画(アクション等)では速いカメラの動きが多用されていたりします。でも、速い動きのカットは短く切り、必ず画面の安定したカットをはさみ、編集に工夫がなされているのです。

 つまり、大画面上映には大画面上映用の撮影法や編集法があるわけです。

 では、どうやってこの「大画面上映用の撮影法や編集法」を勉強すればいいのでしょう?

 映画撮影&編集のノウハウ本はありますが、大画面上映用という視点でのノウハウ本は私は知りません。

でも、普段何気なく見る”大画面映像”を、撮影者&編集者の視点で意識して観る癖をつけると自ずと判ってくるのではないでしょうか?
 映画でももちろんOKだと思いますし、家電量販店の大画面ハイビジョン売り場で流れている展示映像、展示会場などのイベント映像等、ハイビジョン放送なども、意識して観ているといろいろと判ってきます。

 簡単で一番重要なのは、自分で撮った映像を実際に大画面モニターでできるだけ画面に近づいて観る事です。

 I-MAXシアターの大画面映像を観ると「これこそ究極の大画面映像だ」とつくづく感じます。
 なんでもかんでも画面いっぱいに被写体を映そうという発想は、大画面映像では通用しないと感じる事もしばしばです。

 大画面映像の行き着く所は、人間の視界の再現、実景と錯覚させる映像、なのかな?と思うのです。

 大画面映像も、遠くからでも見れるよう単純に画面を大きくしたものから、近くから人間の視界全体を画面で覆う特殊な大画面映像までさまざまです。

 大画面映像は奥が深いですよ!!

レモンは緑色、ライムは黄色。

今日から台湾に来ています。
水中撮影の仕事ではありませんが、でも、ダイビング関係の撮影です。(苦笑)

台湾は料理がおいしくてそれだけでも満足。

ところで、今日のディナーで話題になったのですが、
レモンからイメージする色は、日本人は黄色ですが、台湾人は緑色なんだそうです。
ライムからイメージする色は、日本人は緑色ですが、台湾人は黄色なんだそうです。

国際的には、日本と台湾、どっちが正しいのでしょう?

どうやら、日本人の感覚の方が変?だというのが、今日の結論なのですが。。

思い出の水中写真(多重露光)

 デジタルカメラになって「多重露光」というテクニックは過去のものになりつつあります。
 「多重露光」とは、同一のフィルムに(フィルムを巻き上げず)に、複数回露光するテクニックです。

 デジタルカメラなら、わざわざ撮影時に「多重露光」しなくても、撮影後、PhotoShop等のパソコンソフトで合成すればいいのです。

 さて、時代は15年位昔の話。当時、私はNikonのF801というカメラを水中ハウジングに入れて使っていました。このNikonのF801は、水中ハウジングに入れた状態でも「多重露光」のセットが簡単にできたので、ちょっと水中多重露光を撮った時期がありました。

 ↓これは一匹のオオモンイザリウオを、アングルを変えて2回、二重露光で撮ったものです。
多重露光
 ↑それぞれで画面の半分が暗くアンダーになるアングルで撮っています。

 ↓一回目は絞り開放で、普通の撮影。二回目は、スローシャッターで撮影。
多重露光

 ↓陸上のハイビスカスですが、一回目は手前の花、二回目は奥の花にピントを合わせて撮影。いずれも絞りは開放。

多重露光

インテル・マックユーザーの苦悩

 Macbook Proに引き続き「Intel Core 2 Duoプロセッサ」搭載のMacBookも発表になりましたが、はたして今、「インテル・マック」を購入するのが本当にいいのか? と疑問に思うこの頃です。

 といいますのは、「インテル・マック」にネイティブに対応(=ユニバーサルバイナリ化)したアプリケーションが、Apple純正ソフトを除くと、まだまだ全然対応できていないのが現状です。

 FinaiCut Studioを中心としたビデオ編集用途で使うのならOKでしょう。

 でも、Adobe系のグラフィックソフトをメインに使うのでしたら、かなり苦労する覚悟が必要ではないでしょうか?

 ユニバーサルバイナリ化していない従来のアプリケーションもロゼッタ(Rosetta)で一応は動作するという事になっています。

 でもAdobe系ソフトのヘビーユーザーがこのロゼッタでの不安定な動作でとても満足できるとは、私には思えないのです。

 そして、決定的な現象が今週起こったのです。

 後輩が使っているMacbook Proがどうもシステムが不安定だという事で、今週システムを最初から入れ直しました。すると、非ユニバーサルバイナリ系アプリ(=Adobeソフト一式)が、ことごとくインストールすら出来ないのです。

 少なくとも今までは不安定ながらもインストールして使えてはいたのですから、明らかな”悪化”ですね。

 原因は、OS(Tiger)を再インストール後、ソフトウエア・アップデートで最新OSの状態にし、その後、Adobe系ソフトをインストールしようとしてことごとく拒否されたのです。

 なので、再び、OS(Tiger)を再インストール、今度はソフトウエア・アップデートをする前に、Adobe系ソフトをインストールし、その後、ソフトウエア・アップデートという面倒な手順を踏んだのです。

 このAppleのオンライン・ソフトウエア・アップデートって便利なのですが、今までも何度かトラブルを逆に引き起こして困った経験をしました。
 例えば、QuickTimeのバージョンアップするとFinalCut Proのある機能がバグるとか、前バージョンのQuickTimeMovieが再生しないとか。。Pantherの最終バージョンには致命的なバグがあるにもかかわらずほったらかしですからね!

 そして悪い事に、一度バージョンアップしてしまうと、簡単に前バージョンに戻せないのがAppleのオンライン・ソフトウエア・アップデートの最大の欠点です。

  まぁ、OSの不具合はMACに限らずの話ですが、このユニバーサルバイナリ化はまだまだ先の長い話でしょうねぇ。振り返ってみれば、68040からPowerPCへ切り替わった時も、なんだかんだでネイティブ化に2年位要した気がしますので、「インテル・マック」が登場してまだ半年、あと1年半は苦労するって事ですね。
 「歴史は繰り返す」ですね。