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地震があったとき、私は息子と二人でマンションの11階にいました。
いつもなら散歩や買い物に出ている時間。
でも、あの日はなぜか”今日は家にいよう”と思い、家の掃除をしていました。
地震の1時間前、今日は天気もいいし飛行機もたくさん見えるなぁなんて比較的のんびりしたお昼。
突然、小さく揺れ始めたなと思ったけれど、いつものようにすぐおさまるだろうと思っていました。ところがどんどん大きくなる揺れ。食器棚が開き、冷蔵庫が開き、ものがどんどん落ちていく。
ドアが大きな音を立ててバンバンなっている。耐震シールで固定しているTVが今にも外れて投げ出されそう。
閉まっていたはずのベランダの窓が開いて左右に動いている。
窓から見えた隣のマンションが左右に大きく揺れている。
私は、怯えて泣き叫ぶ息子を抱えて必死に柱につかまっていました。
言葉では言い表せないほどの恐怖。このままマンションが崩れ落ちるんじゃないかと思いました。
揺れがおさまり、震える手足を踏ん張りながら携帯を取りに行き、握る。
夫の携帯を始め、どこにもつながらない。固定電話で義母に電話。出ない。手が震えて力が入らない。。
県外の実母の仕事場に電話をし、「大きな地震があったけど大丈夫だから」と伝えた。
状況がわからないながらも、母一人残してきた私は、母の心配を一刻も早く減らしてあげたかった。
外では消防車のサイレンが響く。ふと覗いた窓からは、工場の爆発が見えた。
真っ赤な炎が大きく球のようにのぼっている。遅れて聞こえる爆発音。
何が何だかわからない。
まだ揺れるかもしれない。。。マンションから出るべきか。残るべきか。。
息子に上着を着せ、外に出てみると、同じ階の人が数名私と同じ表情で出てきた。
「大丈夫ですか?」会う人みんなとそう言い合いながら、とりあえず一度荷物を持って下に降りようということになった。同じ階には生まれて間もない赤ちゃんを抱くママも2人いた。
そして、荷物を取りに戻った時、2度目の揺れ。
もう、生きた心地がしない。でも、私が息子を守らないと!
きっと息子がいたから私はまだ少し冷静でいられたのかもしれない。
揺れがおさまり、9キロの息子を抱っこひもで抱き、11階から階段で下りる。
たくさんの人がマンション前の広場に集まっていた。防災頭巾をかぶった子供たちがたくさんいる。
道路が液状化している。路側帯が割れている。マンションの周りの地面が数センチ下がっている。
この先どうなるのか。。。夫の職場は汐留。やっと連絡は取れたものの帰宅困難者で帰れない。
息子と二人、余震の続くマンションで明かした一夜。一睡もできない。TVから流れる緊急地震速報の警報が鳴るたびに心臓が止まりそうになる。震度3、震度4、、、1時間に何度も揺れる。
地盤が緩んでいるのか、11階だからか、ゆれがTVの表示震度よりも大きく感じる。
TVから流れる惨劇。。。涙が止まらなかった。
今もなお、余震にビクビクしながら生活しています。
これから停電になると、マンションなので断水にもなります。
私の住んでいる場所はグループ2にあたるので、停電が午後6時20分~10時まで。
ちいさい懐中電灯しかないけど、息子と二人で頑張ろうと思います。
今回被災された東北の方々を見ると、私たちがまだいかに幸せか身にしみます。
愛する人が生きていて、どこにいるのか分かっている。
何かしら食べるものもあるし、眠る場所がある。だから、この状況にも感謝しないといけない。
この場を借りて、犠牲者の方々のご冥福をお祈りいたします。
まだまだ行方の分からない方々、救助をまっている方々もたくさんいます。
一人でも多くの方が、1分でも1秒でも早く助け出されますように・・・
そして、愛する人のもとへ帰ることができますように・・・
私なりにも、何かできることがないかと考えています。
ミルクがない、おむつがない。
同じ子供を持つ母として、そのニュースにとても胸が痛みます。
私もささやかながら、今後救援物資等送れれば・・・と思います。
まだまだ、終わりの見えないこの地震と惨劇。
今自分に何ができるのか、今回のことで自分が何を感じたのか、どんなことに涙が止まらなかったのか、どんなやさしさに触れたのか、どんな教訓を得たのか、それらを決して忘れないように・・・いつか息子にも話してあげられるように…このブログにも書いてみました。
母や親戚たちは、どうにかして一度実家に帰っておいでと言ってくれますが、私は自分が今ここでこの状況にあることにも必ず意味があるのだと思っています。だから、私はここで夫と家族3人で”今”を乗り越えていこうと思います。
今日も、ぽかぽかいい天気
また昨日とおんなじ公園に行った
1歳ちょうどで 突然すたすた歩き始めたハル
今日も広い芝生を めいっぱい歩いていた
ふたりでどんぐりをひろっていると
小柄で可愛らしいおばあちゃんが歩いてきた
ふとこっちを見て にっこりと笑って言った
「今日はいいお天気ね。可愛いお子さんですね。
お幸せですね。どうぞお元気でね。」
そして またにっこりと笑って歩いて行った
通りすがりの人に「お幸せですね、お元気でね」なんて言われたのは初めてだった
なんだか 嬉しくて 私もそんなおばあちゃんになりたいと思った
そうだ、私は幸せなんだ・・・
改めて 気づいたよ
やさしい言葉をありがとう
やさしいキモチをありがとう
今日も いい1日だった
育児に疲れてちょっとネガティブになったり・・・
なんだかイライラして旦那に当たってしまったり・・・
そんなことは、日常茶飯事なので
これからは日々の「ありがとう」をみつけてまたここに書いてみよう
今日はお義母さんが恵方巻きを作って持ってきてくれた、ありがとう
公園で同い年のお友達がハルと仲良く遊んでくれた、ありがとう
今日もいい天気だった、ありがとう