GWをいかがお過ごしでしょうか?
伊豆にダイビングに、とも考えましたが、これだけ渋滞していると考えてしまい断念してしまいました。
暇にしていたら、こんな話を聞きました。

夢を叶える(「かなえる」と読みます)願い方があるそうです。ウケルー
願い事をするのに手の位置が大切なそうです。みなさんは合わせた手をどの位置に持ってきますか? 胸元でもダメ、頭でもダメ、口の位置に手を持ってくるそうです。「叶える」という字を見て下さい。口に十(つまり指)ですから。
無神論者のsanregです。落語の小話から持ってきました。初詣など神社・仏閣に行った際のちょっとした話題にどうぞ。

もちろん、「叶」の語源は違います。口を十(合わせる)ということで、多くの人が声を合わせる意味だそうです。「かなう」と読ませるのは日本語独特の表現のようです。すると、あながちウソじゃないかも(笑)
前回紹介した「貧困大国 アメリカ」の内容です。

まずはサブプライムローンのことから。サブプライムローンは、社会的信用が低い層向けの住宅ローンのことですが、その範囲はと言うと、
1.過去12ヶ月以内に30日延滞を2回以上、または過去24ヶ月以内に60日延滞を1回以上している。
2.過去24ヶ月以内に抵当権の実行と債務免除をされている。
3.過去5年以内に破産宣告を受けている。
4.返済負担額が収入の50%以上になる。

の4点、いずれかに該当する層のようです。アメリカの法律はよくわかりませんが、日本で言うと自己破産した人対象の住宅ローンのようです。

このサブプライムローンは貧しい人のための住宅ローンではなく、まさに貧困ビジネスであり、お金を稼げるところから稼ぐ、というものです。sanregもなぜサブプライムローンがあるのか、まったくわかりませんでしたが、この本を読んで、理解できました。

そして、もっとすごいのはアメリカの医療制度。映画「Shicko」で描かれているように、アメリカには国民全員が入るような医療保険はありません。そのため医療費が高額になり、普通の人が医療費で破産する例が増えているそうです。
例えばタイトルに書いた盲腸の手術ですが、その金額はなんと一日入院で194万円(ロサンゼルス)です。日本の場合は一流の治療を受けても、4~5日入院で30万円、普通の人ならば高額医療費の払い戻しで実質負担は8万円くらいです。

このような医療費のために中流家庭が自己破産している事例が増えてきています。2005年のデータでは204万件の自己破産でその半数以上がこの高い医療費のために自己破産しているそうです。
このほかにも、初診料が150ドル~300ドル、入院は1日2000ドル~3000ドル、ということは1ドル100円で計算すると、初診料で1万5千円~3万円、入院などしようものなら1日20万円~30万円です。sanregは昨年50日くらい入院しているので、アメリカだったらなんと1000万円です。

このような状況なので、民間の保険に当然入るわけなのですが、これが驚くほど高いわけです。4人家族でなんと1万1500ドル、つまり115万円もちろん1年間で、デス。この保険に入っておけば安心、ではなく、さすがは強欲資本主義の国、アメリカです。いろいろ理由を付けて支払いを拒否したりしているのです。

そういえば映画「Shicko」を観ていたとき、あまりの異常さに笑いが出ていました。しかし、アメリカ保険会社の次の市場は日本です。福祉医療の支出を削り、民間に任せていった反面教師がアメリカであり、そのアメリカの追従をまさに日本をしています。まさに明日は我が身です。

とりあえず、ゴールデンウィークにアメリカに行かれる方。万が一のために保険は入っていた方が良い、と思います。



大学に入って本多勝一さんの本を読むまでは、アメリカにあこがれていました。そのsanregの価値観を変えた本は
「アメリカ合州国」
朝日新聞社 
著者:本多勝一 (なお、合州国は本のタイトルで変換ミスではありません。詳しくは本書で)

1969年のアメリカのルポルタージュの本ですから、今から40年前のアメリカですから、かなりの昔ですね。確かに人口構成などはプエルトリカンが増えるなど、大きく変わっていますが本質的なことは変わっていないような気がします。

この本を読んで一番衝撃的だったのは、本多記者が黒人と車で移動していると対向車から銃撃されてたこと。別にけんかでも何でもなく、ただ黒人と車に乗っている、というだけで銃撃をされる、これが40年前のアメリカです。

一部日本人は白人と見られるようなこともあるようですが、これは白人と一緒にいる場合です。基本的にはアジア系は差別される側です。

ご存じのように、アフリカ系ですがオバマ大統領が誕生するくらいですから、変わってきているとは思いますし、ぜひ変わってほしいものです。

そうそう、こんな話も書いてありました。 「アフロヘア」ってあるでしょ。日本だとファションの一部でしかありませんが、アフリカから連れてこられた奴隷の子孫、ということを発信する政治的なメッセージとなります。ニューヨークなどの都会はまだしも、保守的な南部の州で黒人がアフロヘアにしていることは、そのまま命に危険が迫るほどの大変な意思表示になる、と言うことでした。

なんのためにこの古い本を再度読み直したか、というとこんな本を読んだからです。 「ルポ 貧困大国アメリカ」
岩波新書
著者:堤未果

ルポルタージュを確立したのは本多勝一さんとよく言われましすが、現在のアメリカをよく書いてある優れたルポルタージュだと感じました。 サブプライムローンの話、医療の話などおそろしい話がいろいろ書かれています。 詳しくはまた次回に。