原因不明な痛みとの闘い①⑦

リリカを処方されてしばらく飲むがとくに副作用は感じなかった。

1回だけ、飲み始めてから2日目の昼間が眠いかなと思ったが痛みによる寝不足かもしれないし目立った副作用は無い。

体が痛くなり整形外科へ行き始めた時に、実家の母へLINEで体調不良を報告をしていたが、仕事をしばらく休む事になったと伝えると、心配して温泉へ行こうと誘って来た。

まだまだ寒い３月の上旬。痛みが強い時は昼間でも家のお風呂に入っているし、温泉なら今の体調でも行けるかもしれない。

仕事を休み始めて数日、ずっと家に引きこもっているし、これからの不安もある中、気晴らしに母と温泉へ行く事にした。

しかしこの時点でリリカを飲んでいても痛みの改善に効いている感じは無い。

医師にはリリカは１日合計で300ミリ飲んでも良く、もっと強めに出したいけど副作用が出る人が多いのでまずは弱めから処方すると聞いていたので効かないのはやっぱりかという感じだ。

朝25ミリ、夜75ミリだと合計100ミリ。

このまま何日か継続したら効いてくるのかな。

痛みとダルさを感じながら電車へ乗り実家へ向かう。

久々の母、久々の温泉。引きこもりからの久々の予定に痛くても電車の道のりを我慢できた。

実家の最寄り駅へ着くと母が車で迎えに来ている。

温泉の前にお昼ご飯で回転寿司屋へ連れて行ってもらった。 

何歳になっても体調が悪いと母に甘えたくなる

。手が痛くて力が入らないからお皿も箸も取ってもらった。

私は赤身の魚が苦手で、いつもエビ、ホタテあたりしか食べないけど、ネットで線維筋痛症関連を調べて筋肉を付けた方が良いっていう所から筋肉を作るには赤身を食べた方が良いという情報と、母が最近何かの健康番組でマグロが体に良いって見たらしく、久々にマグロを食べてみた。

だけどやっぱり苦手だ。

あんまり美味しくない、、と言う私に、マグロが大好きな母は「美味しいのに〜」とパクパク食べていた。

座りながらもお尻がピキッ、足首がピキッ、腕がズーンっと次々に痛みがきてモゾモゾ動いたり「痛っ」という私に理解が出来ない母は、普段の食生活が悪いとか運動不足だとか太り過ぎだとか説教をし始めた。説教はいつもの事だ。

食事が終わると車で20分くらいの所にある温泉施設へ行った。施設内は花が沢山咲いていて、花を目当てで来るお客さんも多く、母もストレス解消と運動に花を見ながら散歩をしようと誘って来たが、痛みでとにかく温泉で温まりたい私は花を見ている余裕が無く、素通りで奥の温泉へ行った。

平日の昼間で温泉はかなり空いていた。

ここ最近ずっと手が痛くてシャンプーが出来なかったから何日ぶりのシャンプーだろう。

後から考えると不潔だが、それだけ弱っていた。

温泉の広々している雰囲気に流されシャンプーが出来たのは嬉しかった。

その後しっかり湯船に浸かり、温まったら少し体調が良くなった。

湯船の中で母に仕事の事やこれからの不安を聞いてもらい少しストレスが発散できたかな。

帰りに花を見るまでの体力はまだ無かったけど、リフレッシュが出来た。

ありがとう、お母さん。

原因不明な痛みとの闘い①⑥

薬局を出た後、5ヶ月ぶりに親友のAちゃんに会った。

病院がある駅に来てもらいランチをした。

痛みが出た原因と思われる職場での出来事と、病院を転々として今に至る辛さによるストレスを少しでも発散する為、とにかく話を聞いて欲しかった。

高校で出会ったAちゃんとは長い付き合いだ。

大卒後大手企業で働き、結婚後パートタイマーで働くAちゃんからすると、高卒で美容業界を転々とする私の話はいつも「大変だねー。波乱万丈だねー。」と聞いてくれる。

休んでいる間に、今まで行った病院やスーパーの近くの本屋で線維筋痛症の本が無いか合計3店舗の本屋で探したけど見つからないと話したら、今から探しに行こうと提案してくれた。

Aちゃんは本屋に詳しい。

ランチのお店と同じビル内に本屋があるらしく、行く事にした。

エスカレーターで本屋のフロアへ向かっている途中、手帳売り場に遭遇した。

「新しい手帳欲しかったんだ！寄っていい？」

Aちゃんが言った。

立っているのは体調が辛かったけど、ランチや本探しに付き合ってくれているから断るわけにはいかない。

手帳は久々に見る。

前職は営業だったので手帳が必須だったけど、プライベートで私は使わない。

「手帳書かないの？使いなよ？」ってAちゃんに勧められたけど「書くの面倒だし私はいいや」って断った。

手帳選びをじっくりしているAちゃん。

体調の悪さの限界が来そうな私は近くにあったベンチで座って待った。

お互いマイペースな所もあるので成り立つ。

しばらくしても手帳を買う様子がまだ無いので見に行くと「これどう思う？」と一つの手帳を見せて来た。

「良いと思う！Aちゃんぽいよ！」

服とか趣味が全く違うので手帳の柄一つも好みが違うから最近じゃAちゃんぽいかどうかが基準だ。

「そうだよね、じゃ、買ってくる！」

やっと決めてくれて一安心。

そして再び本屋へ向かう。

本屋のフロアに着くとかなり広いので探すのが大変だ。人も多い。

上の方にあるカテゴリー表示を見ながら健康・医学のコーナーへ行き病気の本が並ぶ所へたどり着いた。病気の中でも何科か分別されており、沢山の本を目で追うが線維筋痛症は見当たらない。

するとAちゃんが検索機を教えてくれた。

私は本屋の検索機という物を初めて知り感動した。

普段本屋へあまり行かないし、機械で場所や在庫数等が探せるなんてビックリだ。

さっそくキーワード検索で線維筋痛症を入力すると、３冊ヒットした。場所はバラバラな所にあるらしい。1冊はわりと最近出版されたそうだ。

その最近出版された本の置いてあるコーナーの場所を確かめると、さっき見ていた場所だった。

再度そこへ行き、しっかり探すと発見！

手に取ると表紙の色味も良く直感でこれを買いたい思った。

Aちゃんが「他の2冊も見てから買ったほうが良いんじゃない？」と言うが「これが良い！」とすぐレジへ。

他の２冊は機械で見た時に出版年数が少し前だし4000円以上するのもあったから金額的にも厳しい。

線維筋痛症の本を買えて満足した私は体力が限界なので帰ることにした。まだまだ早い時間。今までならさらにお茶でもしてから帰るのに。

Aちゃんにお礼を言って帰りの電車に乗る。

家に着くとかなりダルくて本を読む気にはなれなかった。

ドクターストップで仕事はしばらく休むので後日ゆっくり読もう。

夜はさっそくリリカ75ミリを服用した。

副作用はあるのかな。

この時点で３月上旬の話しである。

原因不明な痛みとの闘い①⑤

膠原病を検索してもスケールが大き過ぎてよく分からなかった。そのうち疲れて検索をやめてしまった。

２日後

いよいよ待ちに待った線維筋痛症を診てくれる病院の予約日だ。ここまで本当に長かった。

７駅先までの電車の道のりは体調的に辛かったけどその先に”答え”があると踏ん張った。

駅から病院までは徒歩７分くらいだが、わりと大きな駅なので人が結構いて嫌な気分になった。

やっと病院に着いたら優しい色味の待合室とゆったりした雰囲気がさっきまでの嫌な気分を一気に吹き飛ばした。

座り心地の良いソファに座り問診票を書き、しばらくすると診察室へ呼ばれた。

診察室の中にいたのはホームページに載っていた写真通りの医師。髪型までホームページと変わらずだったので安心の意味で少し笑えた。

診察は問診票を見ながら話をしっかりと聞いてくれた。

いつから症状があるのかから始まり、今までの病院の流れも話した。

整形外科で線維筋痛症を信じていないと言われた事を話した時、「それはおかしい、、。安心して下さい。線維筋痛症はありますから！現にうちにも何人か線維筋痛症の患者さんが通ってますから」と言われた。

とても心が救われた気分になった。

痛みに対しては、またリウマチを疑われた。もちろんリウマチは整形外科で陰性だったことを伝えているが、「そこの医師の線維筋痛症を信じてない発言でその病院は信じれないからもう一回うちで疑いがあるものをしっかり調べさせて下さい。ただ検査は必要なものだけ最小限で調べますから」と優しく言われた。

再検査は良いのだけどやはり線維筋痛症なんじゃないかと質問した。

すると立つように言われ看護師立会いのもと体を次々押された。

これはネットで見たやつだ！

線維筋痛症の診断方法として、

特定の圧痛点を手指で圧した時に、18ヶ所のうち11ヶ所以上に痛みを感じるか（圧の強さは4kg）

らしい。

もちろん痛い。ほとんどが痛くて体が逃げたり、押された所から電気が走ったように痛くなったり大きな声で「痛い！」と何度も言ってしまった。

医師は「かなり痛いんだねー」と言い、看護師は「ごめんなさいねー」と。

やっと診断は終わった。

再度イスに座り話を聞くと

線維筋痛症の可能性も無くは無いが、もともと痛みが出たのがまだ最近だし、とにかく検査をしないと分からないから今のうちじゃ診断名はつけれないとの事。

たしかにネットでは線維筋痛症は痛みが３ヶ月以上続いた場合とあった。

とにかく今は調べるしか無いようだ。

長い戦いになりそう。

仕事はしばらく休むように言われ診断書を書いてもらった。仕事にならなかったから驚きは無く、当然のドクターストップだ。

そして神経痛の薬「リリカ」を処方された。副作用が出やすい薬との事でまず弱めから。

朝がリリカ25ミリ、夜がリリカ75ミリ。

様子を見る為、1週間後に来るよう言われた。

診察が終わり次は血液検査に案内された。

失敗されるかもと緊張したがこちらの看護師も無痛で無事に採血が終わった。

昨日も採血したし今回の症状が出てから３回目の採血。採血しまくりだな。

検査も終わり会計に呼ばれ来週の予約を取った。そして薬をもらう為、近くの薬局へ行った。初めて行く薬局だ。薬剤師に薬の説明を受けるが説明の紙には「線維筋痛症のお薬です」と書いてある。

診断名が付けれなくてもやっぱり線維筋痛症なのか？謎だがとりあえず今晩から服薬して痛みが落ち着くと良いのだが。

仕事を休む診断書は1ヶ月。どうなることやらと思った。