お客様からの回答待ちで残業中の私。
そんな私なんかより、今日奔走していたのは隣のねえさんだ。
(※サクラギは結構年上のお姉さま型をよく「ねえさん」と呼んでいる。
もちろん、親しみを込めて。
気がつけば、好きではない人には使ってないかも・・・)
ネエさんは、とても仕事熱心な方で、
私とは「残業仲間」と言っても間違っていない(笑)
夜、パートさんが帰り、1人、また1人と帰っていくこのフロアで
2人で黙々とPCに向かい、仕事をしている・・・という状況は
この桜木町では少なくないのだった・・・。
* * *
そんな今日の残業中も、ネエさんは、とあるクライアント向けに作った
「マニュアルファイル(バインダー?)」を眺めて私に言った。
ねえさん「ねぇ、バインダーってさ、右開きだったっけ??」
(作ったファイルを眺めながら私に聞く。)
サクラギ「雑誌とかは通常、右ですけどね・・・
あ、でも、ファイルは左開きだと思いますよ。」
ねえさん「そっかぁ。・・・雑誌はそうなんだよね」
サクラギ「・・・それ、マニュアルですよね?
そういえば、『説明書』って、左開きじゃないですか??
これだと・・・『右開きのマニュアル』になっちゃいますよね」
ねえさん「やっぱり・・・。なんかおかしいよね!」
ねえさんはすぐさま受話器を持ち上げ、各担当に確認の電話を始めた。
* * *
私はWebの部署に来て1年以上が経ったが、
紙の媒体も作っている会社としては、こういうものが発注に大きく影響したり、
作るものを大きく左右したりすることを久しぶりに思い出した気がした。
(このバインダーはメインの媒体業務の品物ではないけれど)
質問されて、とっさに「雑誌」や「説明書」の開きが浮かんだけど、
確かにそうなんだよな。
モノっていうのは決して何らかの前でオープンに公言されていなくても、
暗黙のルールみたいなものに遵って作られているのかもしれないなぁと
改めて感じたのだった。
その後、
ねえさんの確認の電話は、一体どうなったかと言うと・・・
・・・結果、やっぱりねえさんの勘どおり、メイン担当者の発注間違いだったみたいで、
ギリギリ、最小限の負荷で何とか手配が済んだようだ。
「普段モノを使う感覚」と「モノの暗黙のルール」が、
大きなミスを防いだ現場に居合わせたサクラギの“気付き”でした。