僕 -2ページ目

の答えは僕の中に。

「ねぇ、僕のことが可愛くないっていうの」

うるうると上目使いでこちらを見てくる俺の恋人(男だけど)

別にその顔が可愛くないと思ってるわけでもない、演技なのは分かってるけど。

花がさっきからスキンシップを図ろうとくっついたりしてきてはいたのを無視していた

というか気づかなかったのは悪かったかなとは思ってたけど

いつもどおりのことだったし、その後も怒った様子無かったから・・・。

「何で怒ってるんだ」

「怒ってなんかありませんよーだっ!」

べぇーっとあっかんべぇをされた、怒ってるとまではいかなくても拗ねているようだ。

だけど理由が分からない、この完璧な霜月竜さまに分からないことなんて悔しすぎるが

人の心を完璧に理解するのはいくら俺でもできないことなのかもしれない。

「なぁ、何をそんなに」

拗ねているんだと言葉を繋げようとしたところで口をふさがれた。

押し倒されてフローリングの感触が伝わってくる、クッションがないとやっぱり痛い。

びっくりしつつも冷静に考えてる自分がいる辺りに慣れてきたのかなとか思ってしまう。

そして、自由になったとたんに

「なんで、そんな冷静なの!!」

と大声で批判された。

「いや、さっきも不意打ちだったし・・・慣れてきたのかもな」

慣れてくれて嬉しいんだか悲しんだかだよとかブツブツいいながらしょげている姿がなんか可愛い。

思わず微笑む。

「・・・、あぁっぁあぁーーー駄目駄目駄目!竜はかっこいいけど可愛さとの比率が6対4くらいじゃないと!」

そんな笑顔反則とか言う花に俺はかっこよくて当たり前だろとか言いたいことはあったが

「一応聞くがどっちが6だ?」

「可愛さ」

そ、即答で答えやがった。

「お、おま、俺はかっこいい男だ!それはもちろん将来、監督のどんな要望にも応えられるように可愛さだとかも作れるようにしてるけどな基本はかっこいいんだよ!!将来のイケメン俳優捕まえといて何言ってるんだこの馬鹿っ!可愛いのはお前だろぉお!!」

さすがに息継ぎなしで言い切るのは辛かった、酸素が足りないので深呼吸する。

どうだ文句あるかと花を睨みつけてやったら、花は頬を紅潮させ

「やっぱり、竜ちゃん可愛すぎっ!」

とハートを散らせて抱きついてきた。

あれだけ言ってもまだ可愛いを連呼するので叱ってやろうかと思ったが花の笑顔を見ていたら

なんだかどうでもいいような気がしたので可愛い俺というのを認めることにした。




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甘々10のお題


ざわざわと周りの人たちがこっちを見てヒソヒソしている。

それも、そうだろう。私だって未だに信じられない

「手、繋ぐの、嫌?」

「い、いいい嫌じゃないよ!!」

私は今、あの那沖くんと手を繋いで校門をくぐっている。

なぜこんなことになっているのかというと私たちは付き合っているから!

話は昨日の昼休みに遡る。

頭の中に2人の会話が入ってこなかったのに

いきなり那沖くんからお前と付き合うことになったから宣言をされ

混乱する頭の中私は何かがおかしいと思った。

彼はこんな人だっただろうか、それとも私が思っていた彼はただの幻想だったのか?

普段は使わない脳をフル回転させていろいろ考えてみた。

「もしかして、あなた詩音?」

自分でもバカだと分かっている、名沖くんと詩音が入れ替わってると思うなんて。

ごめん、冗談と言おうとしたら

「すっっごい!!合格したのは香織ちゃんが初めて!」

さっきまで、不機嫌そうに言葉を発していた那沖くんが詩音の声で喋りはじめた。

「え、嘘、本当に…?」

詩音がウィッグをはずして那沖くんに渡し那沖くんがそれをつける。

詩音が那沖くんで那沖くんが詩音??

「え、確信は無かったの??」

詩音になった詩音が不思議そうに言う。

あー混乱してきた。

「うん、あ、てゆーかね冗談のつもりだったんだけど」

そういうと、詩音はじっと私を見つめた、吸い込まれそうな黒い瞳が綺麗だ。

なんだか、すべてを見透かされた気がしてあわてて

「ツインテール、ウィッグだったんだね」

詩音の長い髪が少し好きだったから残念と言う。

もちろん語尾を延ばすことを忘れない。

「…まぁ、いいや!ナオ、黙ってないで告白の返事してあげなよ」

すると、今まで黙っていた那沖くんがそういえばという風に言った。

「俺の、彼女、なって」

「…」

私が言葉を失った理由は3つ、

1つはあまりにも驚いてリアクションに困ったこと

2つめに那沖くんの顔があまりにも近くにあって見とれてしまったこと

最後に、私の脳の限界容量はとっくに超えていた。

それから授業中や家に帰ってからは夢だったのではないかと思ってもみたが

今朝、学校に行く時間に那沖くんがおむかいに来てくれたことで

その可能性は消え去った。

そして、今に至る。

那沖くんとこうしてお付き合いできるようになったのは嬉しい、とっても!!

何で付き合えているのかは今は置いておこう、考えても分からない

でも那沖くんはイケメンだ、美形といってもいい。

そんな那沖くんは今まで詩音としか話さなかったし近づかなかった。

それが私という金髪女が一緒に、しかも手を繋いで登校しているのだ。

好奇の目にさらされるのも分かるし嫉妬の目で見られるのも分かる。

あぁぁあーー幸せと苦しみの間に挟まれてる感じがする。

というか、那沖くんと話してから脳を使いすぎてるな

もっと、いつもの私でいれるようにしなくちゃ。

あぁ神様、今日も楽しく過ごせますように。


そして私は教室に入った瞬間、脳を使わなかったことを深く反省することになる。






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久しぶりに文書いたから何か変だ。。。。

いつも以上に読みにくいOrz

読んだ人いたらごめんね