僕たちに今、できることは①
正直、想像もしてなかった。
今のこの状況を。
開幕前には、独走での優勝を信じて疑わなかった。
最後のJFL。舞台は整った。
選手リストを見るだけで、胸が高鳴ってくる。
栃木県で、僕の街で、グリスタで、彼らのプレイが見れる。
仲間として一緒に戦うことができる。
期待通りの戦いぶり。観に行くのがたまらなく楽しかった。
苦しい試合も勝ちきってくれる。ホームでは負けるわけがない。
Jリーグ昇格は時間の問題。J2だってきっとやれる!
そんな風に思ってた。
負けが続いた時も、そこまで悲観してなかったし、
長いシーズンたまにはこんな試合もあるさ。
切り替えて次頑張ろう!
きっと次は勝つさ、って。
そうやって笑えてた。
もう3か月も勝ってない。
気がつけば、優勝どころか
昇格条件の4位以内すら、危険な位置にいる。
いつの間にか、
もう負けられない。負けちゃいけない。
絶対に勝たなくちゃ。
選手だけじゃなく、応援している僕らまで、
何か見えない重圧を感じてた。
ちょっと勝ってただけなのに、
常勝を義務付けられてるチームかのように、
上から目線で考えていたのかもしれない。
もしかしたら、僕たちの心の中に、
ほんの少しの甘えと油断があったかもしれない。
僕たちに今、できることは②
でも、思い出してほしい。
今から15年以上前。
初めてのワールドカップ出場を賭けて、ドーハで戦った激闘を。
ロスタイムの悲劇を。
夢は叶わなかったけど、彼らの戦いが
サッカーの厳しさ、怖さ、そして何より夢を与えてくれた。
フランス大会予選。
予選途中での監督更迭や、日本サッカー界初の暴動騒ぎ。
いろんなことがあったけど、僕らは信じ続けた。
決して諦めなかった。
結果、奇跡は起こった。
10年前の栃木SC。
みんなは知っているだろうか?
いや、10年前なんかじゃない。
ほんの数年前まで、栃木SCはみんなアマチュアだった。
グランドなんて、その辺の学校の校庭だったし、
昼間はみんな働いてたんだよ。
全員集まらない練習が当然だったし、
お客さんなんて数えるほどしかいなかった。
そのことを、もう一度、思い出してみようよ。
僕たちに今、できること③
今、僕たちはJリーグ昇格を目指して戦っている。
スタジアムには同じ夢をもった仲間たちが、
何千人も集まってくる。
あんなに恥ずかしかった県民の歌も、
今じゃ胸を張ってみんなで歌える。
ラジオだって、新聞だって、テレビだって、
僕らの戦いを後押ししれくれる。
こんなに幸せなことなんてないはずなんだよ。
僕らの街の、僕らのチームが、僕らの夢を乗せて。
Jリーグに向けて必死に戦ってるんだ。
その現実を、みんなでもっと楽しもうよ!
次負けたら終わり!?
いったい何が終わるんだよ!
僕らのサッカーは終わりなんかじゃないし、何も諦めてないよ!
4位以内は絶対守らなきゃ!?
おいおい、目標は優勝だろ?
まだまだ試合は残ってるんだぜ!
みんなの力を、今こそひとつにして
一緒に戦おうよ。
きっと、彼らならやってくれるから。
大好きなサッカーを、純粋に、心から楽しもうよ。
きっと、彼らは応えてくれるから。
2008.10.30. vsガイナーレ鳥取
グリスタ決戦
何も恐れることはない。
僕らの戦いは、まだ何も始っていない。