葉月の終わりから長月をまたいで行われたこの公演。

台風10号「サンサン」の進路が迷走を極める中、尾張名古屋のターミナル駅の近くでその公演の幕が上がった。

二人芝居
「ふたりよがり」


この公演は5本の短編からなる物語。
5本の短編に登場する人物は二人だけ。
人生背景も職業も、それぞれ違う。
そこには笑いあり涙あり…。
様々な物語があった。

物語が始まる前、演出家の方による面白おかしき前説があった。
あぁもうここから既に物語が始まっているのだろうと思った。

第一演目
「こんな時に、こんな時だから」
二人のOLがPCでデータ改竄しながらどうでもいい事を話し合う。
「こんな時」の意味がかなり深いもので驚いた。

第二演目
「リストランテ」
文字だけを見た時、何故このタイトルなのか?がわからなかった。
レストランでの店員VSちょっとおかしなお客による攻防。
「こういう人、いるよなー。
困るよなー。」と正直思った。

第三演目
「無色透明ビニール」
自分を捨てた母親を探す女刑事と娘を捨てた母親の物語。
現在と過去が交錯し合う。
これは女刑事の妄想なのか?
母親が死の間際、大人になった娘に会いに行った幻なのか?
解釈は人それぞれで異なるだろうなと思った。

第四演目
「ふれる面会」
高校時代の同級生であった二人が囚人と弁護士として再会する。
面会室という二人だけしか
居ない場所で、互いの本音をぶつけ合う。
男優同士にしかできない迫力あるぶつかり合い。
最後は愛の要素もあり、
感動した。

第五演目
「卒業」
某映画作品を模した物語。
青年は花嫁と逃げようとしたが何故か一緒に逃げたのは男だった。面白おかしく描かれていて終始笑いが止まらなかった。

あまり観劇経験のない私は、
今回の公演を楽しめるか不安だった。でもそんな心配はなく、
終始楽しむ事ができた。

また観てみたいと思った。