システム開発の見積もりブログ
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販売数から豊洲市場への渋滞を予測する

豊洲市場のもう一つの問題として、渋滞問題がありました。「ありました」ってのは豊洲市場が開場する前に渋滞が懸念されていて、開場初日に渋滞が発生したものの、その後はとくに問題なく流通している(っぽい)ので、「ありました」という過去形である。

 

これ、豊洲市場に出入りするトラックの数をカウントすれば正確なのだが、卸売市場で扱っている販売数からも推測できるだろう、とおもって計測したのが以下になる。

 

水産の販売数をプロット

 

青果の販売数をプロット

 

多少でこぼこあるのは日によって販売数(キロ単位)が異なるので、特に問題はない。道路のキャパとしてはいくつかのピークで渋滞を起こさなければ良い。

豊洲市場開場当日(10/12)に極端なピークがあるのは、青果の場合は前の3日程度の販売数が加算されているらしいので、あまり気にしなくてよい。実は、水産のほうも1.5倍ぐらいの販売数があったので、実際に取扱量が多かったと思われる。

 

これは卸売での販売数なので、仲卸で扱っている量が入っていないそうだが、豊洲の開場前後で「仲卸で扱う量は変わっていない」と仮定したとき、この販売数を見る限り、築地から豊洲に移ってもさほど販売数が変わっていないことが分かる。

 

これを見る限り、築地市場でさばけていた量を豊洲市場がさばけているのでは?という現象が見える。もちろん、先の「仲卸で扱っている量は変わらない」という仮定があるので、極端に「仲卸で扱う量が減っている」場合には、扱う量が減った分だけ渋滞になる率が下がった訳なのだが...この場合、マクロ視点として販売数がさほど変わっていないところを見ると、卸売市場としては(いまのところ)量はさばけている、と思われる。

 

本当にさばけているのか?

「マクロ視点で言えば」さばけていると言えるのだが、本当に通常業務の中でさばけているかどうかは、ちょっと疑問がある。

 

鼻を突く生臭さ…豊洲市場の内外で漂い始めた「腐敗臭」|日刊ゲンダイDIGITAL https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240863

 

異臭の問題は脇においておくとして(作業手順が悪いのか?そもそもマグロ解体の台が設置されていないのが悪いのか?という問題があるので)、いくつかの手順を無視した形で「なんとかしてさばいてる」状態ではないだろうか?と想像できる。築地市場の頃の悪い作業手順を踏襲してしまっているのか?築地と同じ手順でマグロの解体ができない豊洲市場が問題なのか?という話はあるが、少なくともかなり非効率になっていないか、と思われる。

 

これ IT で言えば、新しいシステムを導入したときにも出てくるもので、利用者への講習やコンセンサス(共通認識や共通知識)が足りないと、このようなトラブルが起きやすい。豊洲市場移転に際しても講習会は開かれているようなのだが「足りなかった」のは確かなことではあるし、現状を正すような講習会が開かれるのか?と言えばそうではない。問題は、これらの対処が業者任せになっていることにある。

 

年末は捌けるのか?

森山さんもツイッターで言及してたけど、このような状態で年末年始の忙しい時期を乗り切れるのか?が問題になってくる。想定としては結構早めにギブアップが出るのではないかと思われたのだが、エレベーターが一基止まったりシャッターが下りなくなった程度ではギブアップはしないようなので、年末まで引きずる可能性が高くなってくる。

 

データは http://www.shijou-nippo.metro.tokyo.jp から取ってきている。前後を調べるために3か月ほどの販売数しか取ってきていないが、去年の年末年始の販売数を後でしらべてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

築地/豊洲市場の水道料金から下水の排水量を推測する

豊洲市場の下水処理能力が足りない、かどうかどうかを検証するためには、一回流してみる、てのがいいのだけど、実際に溢れてしまってはどうしようもない。

なので、築地市場で流れていた上水道から下水道に流れるキャパシティがどれくらいか算定してみて、豊洲市場で足りるかどうか?ってのを計算してみる。

 

ほんとうの排水量自体は下水道の管理局に問い合わせればいいような気もするけど(卸売市場では排水処理の途中で産廃がでるので、工場排水扱いになっているらしく測定義務がるのだろう)、そこは IT システム屋さんとしてはいくつかの測定結果から「推測」することをやってみる。

 

運用工程での測定もこんな感じでやるし。ちなみに、入りであり上水道から算定するのは、出である下水道にほぼ一致するから。ただし、築地/豊洲市場とも海水を使うので、上水道の量よりも下水に流れる量は多くなるだろうという想定もある。だから、少なくとも上水道の量程度は下水道に流れるていると推測できる。

実はトイレの下水(流す水は上水道)なので、これも含められるけど、市場としてトレイの水の量よりも圧倒的に市場で扱う量が多いだろうから、これは誤差として無視する。

 

データは何処にあるのか?

元となるデータは何処にあるのかというと、支払っている水道料金は 公金支出情報(中央卸売市場会計)|東京都中央卸売市場 から取得できる。ここに「水道料金」が含まれていて、各市場でどれくら払っているかを見ることができる。
 
 
去年(平成29年)と今年(平成30年)の2年間分しかないが推測するにはこれで十分だ。築地市場を見るといくつか分割されているが、これを加算する。
 
 
季節変動や日数の違いはあるが、月1,200万円程度払っていることが分かる。
 

水道料金から上水道の使用料を算出する

支払っているお金が分かったので、これを水道料金の単価で割って使っている量を出す。水道料金は、水道料金・下水道料金の計算方法(23区) | 手続き・料金 | 東京都水道局 を見るとわかる。
 
 
メータ口径はわからないけど、卸売市場だしたぶん一番大きいのだから「1立方メータあたり404円」で算出すればよいだろう。平成29年7月時点の水道料金から算出すると以下のようになる。
 
 
上水道は 3万トン位かな。
 

1日あたりの流量を算出する

築地市場では海水を多く使っているそうなので、2倍にして6万トン/月位で計算する。これが営業時間のときに流れる。おそらく午前5時から午前7時の間までの3時間で大量に流れる。
 
厳しい値を算出してもよいのだが、ひとまず緩いめの値を想定してみる。
  • 月に30日営業
  • 営業時間は6時間位
とすると、1分あたり6立方メートル(水なので6トン)の下水が流ていると想定できる。これらは最終的に卸売市場の下水道処理施設(卸売市場では数々のゴミを産業廃棄物としてあ使うので、月1程度?でゴミ取りをしている)の必要能力になるわけ。最終的な処理施設の前に汚水ますなどの中間の処理が市場内に散らばっているわけで、そのあたりは設計図から判断することになる。
 
これは後日算出しよう。
 
同じように豊洲市場の水道料金から算出できるだろうが、築地から豊洲へ移転したのだから「同じ程度の店舗数と同じ程度の下水が流れている」と想定できる。このあたり、ドライフロア等になった(なった?)から水の量は減るかもしれない...し、増えるかもしれない。そこは、豊洲の水道料金を見るとわかるはずだ。
 

ドライフロアの場合、どのくらいの下水能力が必要なのか?

水をあまり流さないドライフロアなんだけど(食品工場だとよく使わているそうだ 食品工場における床の洗浄・消毒方法|ウェットシステム・ドライシステム別)、ウェットとドライでどれくらい下水の量が違うのだろうか?
 
これは公金支出情報を見ていて分かったことなのだが、食肉を扱う芝浦市場の水道料金をみると、築地よりも断然多い。6倍近い料金を払っている。
 
 
 
築地の魚介処理では床を洗うために海水を多く使い清潔を保つという話があるのだが、それ以上に芝浦の食肉で水を多く使っているということは、「ドライシステムのほうが多くの水を使うのではないか?」という想像ができる。おそらく食肉の処理や機械の清掃に相当の水を使っていると想像できるのだがどうだろうか?さらに言えば、清潔を保つために水は大量に必要だし(食肉の場合は、海水で洗うことはできないだろうし)その分、下水に流れる水や同時にカスも多くなる。ここは想像なので、実際はもうちょっと調べないとよくわからない。
 
銘柄牛も大集合 ―東京都中央卸売市場・食肉市場― を読むと「東京市場の屠畜場で枝肉に解体処理される食肉は、汚水処理能力に合せて制限されているため、大動物が一日365頭、小動物は1710頭と決められており~」とあるので、汚水処理能力に合わせて処理頭数が制限されていることわかる。制限されたうえで、この上水道料金=下水道への量になっている。
 
これらを踏まえたうえで、豊洲の下水処理能力を見ていくことになるのだが、これは後日にしよう。
 
 
 
 
 
 

 

ドラッカー偽格言004

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名刺をもらって、いろいろ後ろに書いてあると、そう感じる、という話。

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