皆さんこんにちは、ク☆タです。

報告が遅くなりましたが、7月22日に、半世紀以上の歴史を持つ
富士登山競走に参加してきました。
この大会は、麓にある富士吉田の市役所前(標高770m)から
富士山頂(標高3730m)までの約21kmを、制限時間4時間
30分以内で一人で駆け登って何が嬉しいの?るというレース
です。コースはこんな感じです。赤いラインが走った軌跡です。

$アミノバリュー ランニングクラブ in ぐんま  by GNRC

<コンディション>
天候 曇り→晴れ 気温:13℃→26℃ 湿度:77%
山頂の気温 :10℃→13℃

<結果>
レース全体完走率 56.3%
私の記録 4時間6分47秒
順位は真ん中ぐらいでした。

<前日>
群馬からでは始発電車で行ってもスタート時間に間に合わないのと、
体調に万全を期す為、前泊をしました。しかし、大会は平日の金曜日!
なので、「夏期連休前の慌しい時期に4連休休暇取得」という究極
奥義を駆使し、妻帯貧民(←独身貴族の対義語です)サラリーマンの
強い見方である青春18切符を武器に、サックリと会社を休んで現地
に向かいました。ダイタイ40な私でも問題無く使える、とても素晴
らしいチケットです。

宿は富士宮市内の民宿で、5~6人の相部屋宿泊でした。泊まる人は
皆、明日のレースに参加する人たちばかりで、ある種の連帯感と緊張
感が漂う中、晩御飯をモリモリ食べ21時に就寝しました。

<起床~スタート前>
お目覚めは3時30分。レース前にこんなに食べていいのかな?という
ぐらい豪勢な朝食を食べ、身づくろいをして、民宿のバスに乗って会場
へと向かいました。

会場につくと人でごったがえしていましたが、テキトーに場所を見つけ
て、最後の荷物整理をして、5合目へ上げる荷物と会場に残す荷物をそ
れぞれ別の場所に預け、日本山岳耐久レースの講習会で知り合った仲
間とエールを交わし、指定されたスタートブロックへ入り、号砲の鳴
る時間を待ちました。スタート直前には、恒例の「エイ、エイ、オーッ」
の3連チャンがあり、気分は最高潮に達します。

<スタート~馬返し(11.4km地点)所要時間:1時間1分13秒>
レース当日は「今日良い記録を出さないでいつ出すんだ!」ってくらい
の絶好のお天気でしたので、私も周りの人たちも結構なペースで走って
いきます。路面は舗装道路なので、ここではまだロードレース気分で
す。馬返しが近づくにつれ、だんだんと勾配がきつくなってきますが、
ここではまだ歩く人はいません。私も、走りとおして通過しました。

<馬返し~五合目(16km地点)所要時間:56分26秒
                   トータル1時間57分39秒>

ここからコースは登山道に入るので、木段や石畳、山小屋跡などが多く
見られるようになります。傾斜もどんどんきつくなり、早歩きがメインと
なり、平坦な箇所をみつけては走るようにして、ダラダラと歩いてしま
わないようにしました。5合目の通過時間は、ほぼ思惑どおりのタイム
でしたので、この時点で完走に微かな確信が持て、目標のサブ4に期待
が持てるようになりました。

<五合目~八合目(19.8km地点)所要時間:1時間35分51秒
                  トータル:3時間33分30秒>

5合目を過ぎると標高が森林限界を越え、視界が一気にひらけて見晴ら
しがよくなるのですが、上が見える分、登っても登っても頂上に近づか
ないという心理的攻撃をくらう様になり、足元も砂礫地帯と溶岩地帯が
交互に現れるので、確実に精神力・体力が削られていくのを感じました。
また、試走なしのぶっつけ本番でしたので、空気の薄さに体がうまく順
応しなかったのでしょう、見事に失速をしてしまい、ここで目標として
いたサブ4を諦め、確実な完走にむけて歩を進める様にしました。ただ、
この区間では、仲間からから激励をもらえたので、ペースダウンを最小
限にとどめることができました。

6合目付近。まだ元気でした。

$アミノバリュー ランニングクラブ in ぐんま  by GNRC

8合目のちょっと手前かな?
パッと見、元気そうですが、中身はカラッポ状態です。

$アミノバリュー ランニングクラブ in ぐんま  by GNRC

<八合目~山頂(21km地点)所要時間 33分17秒
                   トータル:4時間6分47秒>

ただひたすらに、九十九折れの坂を登っていくだけでした。

$アミノバリュー ランニングクラブ in ぐんま  by GNRC


9合目にある偽の鳥居(ゴールにもあるのですが、手前にもあって選手
に心理的ダメージを与えてくれるため”偽”と呼ばれていますが、これ
も立派な神社の鳥居の一つです。)をくぐってもまだ山頂は見えないの
ですが、ゴールをした選手らしき人がちらほら目に付く様になったので、
そんなに遠くない事を確信しました。やがて、山頂にいる人の声が聞こ
える様になり、その声に引っ張られるように最後の力を振り絞って、
フィニッシュラインを過ぎました。

<山頂で>
ビールを飲もうか迷いましたが、山頂で倒れて事件になるのはイヤだっ
たのでコーラでささやかな祝杯をあげ、お鉢の中をこわごわ覗いて、
富士山山頂神社で「ここでしか買えない」お守りを買って、体が冷える
前に帰路に着きました。

<山頂~5合目~富士吉田市役所>
こっからがシンドイ、自力下山の始まりです。大半の人は歩いて下って
いますが、私は「せっかく高地にいるんだから」と考えて、来年の為に
トレーニングがてら可能な限り走って下りました。永遠下ること1時間
あまり、ようやく五合目に到着し、自衛隊の方からおにぎりと水を貰い、
着替えの荷物を受け取り、食事と着替えをすませて、バス停まで行き
バスに乗り込みました。因みに、この時点までに軽く10kmの自力
移動が必要です。決して頂上で燃え尽きてはイケナイところに、富士
登山競走の過酷さがあります。

バスの中は、汗臭い臭いと疲労によるマッタリとした空気が立ち込めて
いますが、ほとんどの人は眠りこけています。バスに40分程ゆられる
とスタート地点に帰ってくることができます。ここで、デポした荷物を
受け取り、サービスの吉田うどんを食し、自分のタイムを確認して家路
につきました。

<感想>
競えるのは五合目までで、それ以降で無理をすると富士山にしっぺ返し
を喰らう。自分の力を把握して、着実に歩んだものだけが頂上に立てる。
そんな感じのする大会でした。来年は、体を鍛えなおして、サブ4を目指
し、また富士山に行こうと思います。

我こそはと思う方、一緒に行きましょうね!