太陽活動の異変 | 一灯照隅万灯照隅

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以下MSN産経ニュースから転載
【科学】
太陽活動に異変 黒点減少、磁場に異常 地球の寒冷期に酷似
2012.6.4 11:03
柴田繁和のブログ-scn12060411040004-p1.jpg
   太陽の磁場の変化
 太陽の活動が低下する異変が起きている。磁場や黒点数の変動周期が通常と全く異なる状態になっていることが、日本の衛星などの観測で分かってきた。地球の気温が低かった17~18世紀の状況に酷似しており、地球が寒冷化に向かう可能性も指摘されている。太陽でいったい何が起きているのか。(伊藤壽一郎)

謎の4重極構造
 太陽には地球同様に北極と南極があり、棒磁石の両端のようにN極(プラス磁場)とS極(マイナス磁場)に分かれている。北極と南極の極性は、約11年周期で同時にひっくり返り磁場の反転を繰り返してきた。最後の反転は2000年ごろで、北極がマイナス、南極がプラスとなった。
 だが、06年に打ち上げた日本の太陽観測衛星「ひので」による観測で今年4月、これまでにない不思議な現象が起きていることが判明した。北極では08年以降、プラスへ反転しつつあると確認されたが、呼応して反転するはずの南極はプラスのままで、ほとんど変化していないのだ。
 研究チームの塩田大幸(だいこう)・理化学研究所特別研究員は「プラス極とマイナス極はペアで存在するため、現在は北極と南極がともにプラスで、赤道付近に2つのマイナス極が出現した異例の4重極構造になっているようだ」と分析する。なぜこのような状態になったのかは全く不明だ。
活動周期にずれ
 磁場の反転周期も崩れている。極域の磁場の観測から、次回の反転は13年5月と予想されており、従来の約11年周期を大きく上回るのは確実だ。
 実は反転周期は、太陽の活動の周期に基づいている。太陽活動の強さは黒点の数に比例しており、黒点数が増える活発期と、減る静穏期を11年周期で繰り返し、最も活発な時期に反転が起きる。このため現在は、活発さを増している時期ということになる。
 一方、長野県南牧村にある国立天文台の電波望遠鏡「野辺山電波ヘリオグラフ」が過去20年間に行った観測で、太陽活動は次第に低下していることが今年5月に分かった。
 分析した柴崎清登(きよと)教授は「現在の周期の黒点数は、前の周期の半分近くまで低下しており、太陽活動も約7割に低下している」と話す。
 太陽全体の活動が低下している中、磁場だけは南北のバランスや周期を崩しながら、活発期のような反転に向かっている格好だ。柴崎教授は「明らかにおかしな状態」と首をかしげる。
日射量が減少?
 異変は地球にどう影響するのか。国立天文台ひので科学プロジェクト室長の常田佐久(つねた・さく)教授は「地球が今後、寒冷化する可能性がある」と指摘する。
 太陽活動が低下すると、地球を包み込んでいる太陽の磁場が弱まる。すると宇宙空間から地球に飛来する宇宙線が増え、大気中の水蒸気と反応して雲ができやすくなり、「日射量が減って雨や雪が増え寒冷化する」のだという。
 南極の氷床を分析して過去6500年間の太陽の黒点数を調べると、極端に減った時期は15回で、うち12回は欧州で気温が低下した寒冷期と一致した。
 特に1645~1715年の「マウンダー極小期」と呼ばれる時期は、北半球の平均気温が0・6度低下し、ロンドンのテムズ川が凍りスケートができたと伝えられている。日本でも京都の平均気温が2・5度下がったという。
 常田教授は「この時期に太陽は4重極構造になっていたのではないか」とみる。観測された黒点の大半は太陽の南半球にあったという記録があり、南北のバランス崩壊が明白だからだ。また、太陽活動が低下しているときは、活発期に戻る周期が13~14年に伸びるとの報告もあり、現在の状況と符合する。
 今回の異変は地球温暖化の議論にも影響を与えそうだが、常田教授は「寒冷化はあくまで可能性の話で、すぐ起こるわけではない」とくぎを刺す。その上で「太陽の活動は未解明なことばかり。将来の予測には、さらに詳細な観測が必要だ」と語った。