裏旋の超絶☆塩レビュー

主にアイドル・推理小説・スポーツ・ゲームについて日々感じたことを毒を交えて熱く語るブログ。


テーマ:

「映画史に残る衝撃のラストシーン!」

 

こちらも『最強ミステリ映画決定戦』で紹介され

第4位にランクインした

ビリー・ワイルダー監督の不朽の名作。

 

 

『情婦』

[Witness for the prosecution]

(1957年)アメリカ映画

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<あらすじ>

1952年のロンドン。法廷弁護士ウィルフリッド・ロバーツ卿(チャールズ・ロートン)は、素人発明家レナード・ボール(タイロン・パワー)の弁護をすることになった。彼は、親しくなった金持ちの未亡人エミリー・フレンチ夫人を殺した容疑で逮捕され、お金に困っていたこともあり、状況証拠は明らかに彼が犯人であると指し示していた。

弁護には難題な案件だったものの、ウィルフリッド卿はアリバイを証明できる彼の妻クリスチーネ(マレーネ・ディートリッヒ)を証人として彼の無実を勝ち取ろうとする。しかし、事務所にやってきたクリスチーネは明らかにレナードに敵意を持っており、しかも、彼女の夫は別にいて、レナードとの婚姻関係は正式な物ではないと述べる。仕方なく、ウィルフリッド卿は彼女の証言を得ることを諦める。

裁判が始まり、圧倒的に不利だった被告側だったが、直接証拠が無いということもあり、ウィルフリッド卿の手腕によって巻き返していく。そんな中、彼のアリバイを証言できる唯一の人物、クリスチーネが弁護側ではなく検察側の証人として現れ、レナードに「アリバイを証言するように頼まれた」と語る。一転して、レナードの有罪が確定的となる中、ウィルフリッド卿は彼女の証言は嘘であると直感するのだが……。

 

<スタッフ>

監督・脚本 ビリー・ワイルダー

脚本 ハリー・カーニッツ

原作 アガサ・クリスティー『検察側の証人』

製作 アーサー・ホーンブロウJr.

音楽 マティ・マルネック

撮影 ラッセル・ハーラン

編集 ダニエル・マンデル

 

<キャスト>

チャールズ・ロートン(ウィルフリッド・ロバーツ卿)

タイロン・パワー(レナード・ボール)

マレーネ・ディートリッヒ(クリスチーネ・ヘルム)

エルザ・ランチェスター(プリムソル)

イアン・ウォルフ(カーター)

ヘンリー・ダニエル(メイヒュー)

ジョン・ウィリアムス(ブローガン・ムーア)

ユーナ・オコナー(ジャネット・マッケンジー)

 

 

原作はミステリの女王

アガサ・クリスティーの

短編小説および戯曲の『検察側の証人』で

法廷劇の傑作として名高い。

 

心臓病の持病はあるが

腕は確かな老弁護士ウィルフリッド卿は

退院したばかりにも関わらず

未亡人殺しの容疑をかけられた男の

弁護を引き受けた。

容疑者の妻が唯一のアリバイ証人だが

彼女は検察側の証人として法廷に立ち、

夫は窮地に追い込まれる。

果たして勝ち目はあるのか?

……という法廷ミステリー。

 

 

いや~凄かった!

これぞTHEどんでん返し映画。

 

正直途中までは、

「おいおい、これが名作?

この程度じゃ俺は驚かないよ」と

見破った気になっていた。

しかしラスト7分間の畳みかけるような

連続どんでん返しで

予想のはるか上を飛び越えていきました。

終わり方も余韻があって上手い。

これは参りました。

ネタバレを知ってしまう前に是非観て欲しい。

 

登場人物では

チャールズ・ロートン演じる

ウィルフリッド卿と

エルザ・ランチェスター演じる

付き添い看護婦の

プリムソルとの掛け合いが面白い。

心臓が悪いのに休まずに動き回って

プリムソルに文句を言われ、

隠れてこっそり葉巻を吸ったり

仕事に夢中になって無茶して

また怒られる、というコメディ要素が

一服の清涼剤になっている。

2人は実生活でも夫婦だとか。

 

俺はカーター・ディクスンの作品に出てくる

ヘンリー・メリヴェール(HM)卿に重ねて

観ていたので楽しめました。

暴君みたいに周りを振りまわすクセに

頭がキレて頼りになる存在。

重要な証拠品●●を隠して

○○の方を見せて尋問をして

「そんな○○は使いません。いつも●●を使う」と

相手に言わせておいてから

その●●を出して

出した証拠が本物だと

相手の言葉で証明させるという

罠の仕掛け方が上手い。

ついでに○○が

バミューダ・パンツの請求書なのがウケる。

 

ウィルフリッド卿がラストで言う

「いずれ正義のハカリは元に戻り、

君に償いをさせる」という台詞も好き。

その後の行動も

HM卿みたいなやり方だった。

(詳細はネタバレ解説で)

『ユダの窓』を実写版で見たいな~。

 

50年も前のモノクロ映画なんて
古臭くて面白くなさそうとか思わずに

是非一度観ていただきたい。

名作はいつまでも

色あせないことがわかるはず。

(白黒だから色はあせないが)

 

なお、この作品で

レナードを演じたタイロン・パワーは

次回作の撮影中に心臓発作で亡くなったため

この作品が遺作となった。

 

★★★★☆ 犯人の意外性

★★★★☆ 犯行トリック

★★★★★ 物語の面白さ

★★★★★ 伏線の巧妙さ

★★★★★ どんでん返し

 

笑える度 ○

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 9.5点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここから先はネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかるネタバレ

 

 

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

エミリー・フレンチ夫人 ---●レナード・ボール ---金銭欲【撲殺:鈍器】

レナード・ボール ---●クリスチーネ・ヘルム(およびウィルフリッド卿) ---憎悪【刺殺:ナイフ】

 

<結末>

愛人に宛てた手紙から

検察側で証言したクリスチーネが

嘘をついていることが発覚し、

被告人レナードは

見事「無罪」の判決を勝ち取った。

 

弁護したウィルフリッド卿だが

あまりにも上手く行き過ぎていることに

胸騒ぎを覚える。

閉廷後にクリスチーネと2人だけで話して

それは確信に変わった。

 

クリスチーネは検察側で嘘の証言をして

わざと見破られることで

レナードを助けるつもりだったのだ。

なぜそんな真似をしたのかと聞くと

レナードが本当に

未亡人を殺した犯人だからだと言う。

 

すでに無罪の判決が出ているため

法律で裁けないレナードだが、

彼に新しい愛人がいたことで

クリスチーネと決裂する。

偽証罪で捕まるくらいならと

覚悟を決めたクリスチーネは

レナードを刺し殺してしまう。

一部始終を見ていたウィルフリッド卿は

今度は彼女を弁護する決意を固めるのだった。

 

 

どんでん返し

 

この作品のどんでん返しは

なんと5回もある。

 

まず最初に

裁判自体のどんでん返し

 

検察側で被告に不利な証言をした妻が

実は嘘をついて

被告を有罪にしようとしていた

悪い女だと暴露される。

ほぼ有罪で決まりかけていた裁判が

被告の無罪で結審すること。

ここまではよくある法廷ミステリーだ。

 

その後、第2のどんでん返し

人がいなくなった廷内で

クリスチーネが

ウィルフリッド卿に真実を告白する。

 

私が偽証をしたのは

被告を無罪にするための計画

通常なら妻の証言は

なかなか認められないので、

逆に検察側に立って不利な証言をし、

後でそれが嘘だとわかれば

被告側の心証が良くなるからだと言う。

 

クリスチーネの嘘を見破る

手紙を渡した謎の女は

変装したクリスチーネ自身だったのだ。

自分を落としめてでも

夫を助けたいという

愛情から出た行動だった。

しかしなぜ偽証罪で捕まってまでも

彼を助けようとしたのか?

そんな危険なことをしなくても

レナードを無罪にできたのに……

それがウィルフレッド卿には疑問だった。

 

そこで第3のどんでん返し

「彼が有罪と知っていたからよ」

クリスチーネは

レナードが未亡人を殺した犯人だと暴露する。

あの夜、

午後10時過ぎに帰ってきて

「彼女を殺してしまった。助けてくれ」

クリスチーネに泣きついてきたらしい。

レナードが今まで無実を訴えて来た

全ての行動は演技で

ウィルフリッド卿までも騙していたのだ。

 

そこに今までの話を

盗み聞きしていたレナードが現れて

「だから彼女は名女優だと言ったろ?」と笑う。

怒りを抑えきれないウィルフリッド卿だが

一度「無罪」の判決が出ては

もはやどうすることもできない。

これは

「一時不再理」と言って

ある人物が同じ事件において

一度「無罪」の判決を受けた後

たとえ有罪の決定的な証拠が出ても

裁判をやり直すことができないという法律。

だから陪審員は何度も協議して

間違いの少ない判断を下さなければならない。

そのために裁判が長引くのである。

 

ミステリー小説には

この一時不再理をトリックに使ったものも多く、

わざと犯人がダミーの証拠を残していって

その中できちんと抜け道を作っておいて

裁判では無罪を勝ち取って逃げ切るというものだ。

この映画の原作者アガサ・クリスティーも

一時不再理を扱った有名な作品がある。

(伏せ字)『スタイルズ荘の怪事件

 

煮え湯を飲まされたウィルフリッド卿は

レナードに言う。

「いずれ正義のハカリは元に戻り、

君に償いをさせる」と。

未亡人の遺産が入ったレナードは

上機嫌でやり返す。

「それなら弁護料を倍払おう。

みんなにもおこぼれをやるよ。

遺産がごっそり入るからね」

 

ところがここで

レナードに予想外のハプニングが起こる。

傍聴席にいたレナードの愛人が

この場に乱入してきてしまった。

これが第4のどんでん返し

レナードは数ヶ月前から

新しい愛人をつくっていた。

もうすでに海外旅行の計画もしており

法廷で話に出た

旅行社で一緒だった女とは

この女のことであった。

 

愛人はクリスチーネに敵意むき出しで迫る。

「あなたは妻でもないし邪魔しないでくださる?」

レナードのために偽証までして助けたのに

すでにレナードの心は愛人の方にある。

裏切られた怒りと悔しさで

愕然となるクリスチーネ。

 

目の前で何かが光っていた。

それはナイフ。

法廷で切れ味の鋭さが話題になった

あのナイフだ。

実はこのナイフに

片眼鏡で光を当てたのはウィルフリッド卿。

彼もまたレナードに怒りを覚えていた。

だから無言でクリスチーネに合図を送る。

“このナイフを使いなさい”と。

 

そして第5のどんでん返し

「偽証罪でも共犯でも何でもいいわ。

それなら、この罪で……」

ナイフを掴んだクリスチーネは

愛人と帰ろうとするレナードを刺し殺す!

法廷に悲鳴があがる。

 

倒れたレナードはもうすでに虫の息。

看護婦のプリムソルが

助からないと判断をくだす。

 

レナードを殺してしまったクリスチーネは

すぐに殺人罪で逮捕された。

一部始終を見ていたウィルフリッド卿は言う。

「いやこれは処刑だ」

自分がそそのかしたとはいえ

それを実行に移したクリスチーネを

大した度胸の女だと褒める。

 

そしてウィルフリッド卿は

療養の旅行に行くのを中止にして

ロンドンに残って支度をしろと言う。

クリスチーネを弁護して

無罪にするために……。

 

このエンディングは

最後にウィルフリッド卿が

クリスチーネを操って殺させているので

探偵役が犯人のミステリーの変形版です。

 

本来なら殺人ほう助は悪だけど

ただやはり視聴者の感情としては

レナードに対して怒りが沸いて

クリスチーネに同情してからの

因果応報ともいえる結末なので

俺はスカッとした気持ちになった。

もう法律で裁けないから

こうするしかなかったんですよね。

だからウィルフリッド卿は

処刑という言い方をしています。

 

上のネタバレなしの解説で

ヘンリー・メリヴェール卿そっくりと書いたが

ネットでも同様の意見が見られて嬉しく思う。

HM卿も最後にこの方法を選びそうですよね。

 

 

伏線解説

 

水色はミスリード紫色は伏線です。

 

まずはミスリードから。

クリスチーネが検察側に立って

裏切るという方向がミスリードになります。

 

クリスチーネというドイツ人妻は

登場時から「冷たくて嫌な女」という印象を

視聴者に与えている。

夫が捕まったことに動揺もしない。

マレーネ・ディートリッヒ自体が

悪女のイメージがあるのも一役買っている。

 

その一方で

クリスチーネが心底レナードを

愛しているという方向が伏線。

 

レナードが妻との出会いを語るが

そこでの恋に落ち方が意外なほど早い。

ドイツでの苦しい生活から救ってもらい

レナードを頼りにしていることがわかる。

 

結審の後

クリスチーネは偽証罪を問われるが

彼を愛していないと言ったことや

マックスというどうでもいい愛人の存在以外は

事件に対して全く嘘を言っていない。

レナードが午後10時10分に帰ってきて

上着の袖に血がついていて

洗ってくれと言ったのは事実だし

手の傷やアリバイの偽証を

頼まれたことも事実である。

 

レナードが悪人であるという伏線は

看護婦にばれないように

葉巻を吸うウィルフリッド卿を見て

静かにドアに鍵をかける。

それを見て「犯罪者の素質がある」と茶化すが

実際にその通りであった。

 

その他の伏線では

ウィルフリッド卿が

「溺れる者はカミソリの刃でもつかむ」

たとえ話をしていたのが、

「カミソリの刃の切れ味に

たとえたナイフ」をつかんだ

クリスチーネによって決着したこと。

 

クリスチーネの証言で

被告が追い込まれた時に

傍聴席の婦人が泣きだす

この人物がレナードの愛人。

旅行社に一緒に行ったという

黒髪の女性だった。

 

 

クリスチーネの一人二役

 

この映画の中でも

最初にあっと驚かされるのが

クリスチーネの一人二役。

 

検察側の証人として偽証した彼女は

嘘を見破る証拠を弁護側に渡すために

自分で変装して

ウィルフリッド卿の前に現れて取引した。

(代役を頼める知り合いがいないため)

下手な変装だと

視聴者にバレる危険もあるのに

大胆なことをするものだ。

 

俺は映画自体そんなに見ないので

役者さんに詳しくない。

だからマレーネ・ディートリッヒという

名前は有名だから知っているが

顔が想像できないので

何の疑いも無く別の人だと騙されてしまった。

 

バーの女は特に身長が低く感じるから

身長高めのクリスチーネとは

別人だと思いこみやすい。

(マレーネ・ディートリッヒは公式身長168cm)

しかし彼女がバーを出ていくところに

注目していただきたい。

これを踏まえて

この入口を入った時の

ウィルフリッド卿を見てみよう。

女の方は

バーの一番上の鉄の棒が

女の口のあたりにある。

ウィルフリッド卿は

鼻の下あたりにある。

つまり女の方が身長が高いはずなのだ。

 

それなのに

2人が会話している場面は

ウィルフリッド卿が

見下ろす形になっている。

彼女は少し猫背気味になったり

机にもたれたりして

常に身長を低く見せようとしていた。

 

ネットでは

別人が演じたんじゃないかとの疑いもある。

俺は同一人物に見えるけどなぁ。

せっかくなので

もう少し考察してみよう。

 

あごと頬骨のラインは良く似ている。

しかしマレーネ・ディートリッヒといえど

当時55歳という年齢をごまかすことはできない。

その年齢が最も出ているのが「手」である。

手は年齢をごまかせない。

ここでは手にクローズアップしてみる。

左がクリスチーネ、右がバーの女。

 

どうだろうか?

みなさんは同一人物に見えますか?

それとも別人に見えますか?

血管の浮き方を見ると

ほとんど同じに見えるのだが……。

 

いずれにしても

誰も真実を知らない謎なので

いろいろな方向から

考察してみるのも面白いと思う。

 

 

よくある疑問

 

Q,邦題の『情婦』は失敗では?

 

その意見は昔から多いようで

否定派は

「内容がわかりにくい」

「情婦なんて死語」

「淫らな想像をして誤解されやすい」

といった意見が多い。

 

一方で肯定派は

「情婦」とは「愛人」のことなので

結婚が成立していなかった

クリスチーネのことでもあり、

殺された未亡人のことでもあり、

最後に出てくる愛人のことでもあるという

多重の意味を持つ

上手い表現だとする意見が多い。

 

Q,どうして外国人は法廷で「かつら」をかぶるの?

 

イギリスではハゲてなくても法廷では

全員「かつら」を着用している。

日本人には不思議な習慣ですよね。

 

調べてみるとこんな話がある。

“昔の西洋では、ノミやシラミが流行していたことから、衛生状態を保つために地毛の頭髪を短く剃って、かつらを使用するのが、一般化した。時代が経って生活の環境が改善してからも、その習慣が残った”

「時代錯誤」や「近代化が必要」との意見があり

2008年から一部地方で

民事裁判に限って廃止されたが、

刑事裁判では今も「かつら」着用だとか。

全員が同じ髪型なので

個性や見分けが付きにくくなって

後で個人攻撃されるのを防ぐ役割もあるらしい。

 

Q,ウィルフリッド卿が片眼鏡で

光を相手の顔に当てているが

あれは何をやっていたのか?

 

光を当てて相手が

嘘を言っているのかどうかを見抜くテストです。

例えばレナードは目に光が当たっても

怯まずに話し続けたが、

クリスチーネは光を嫌って

ブラインドを降ろしてしまった。

人は嘘をつこうとする時に

あれこれ考えるため

瞳孔が開くと言われています。

ウィルフリッド卿は

その瞳孔の開きがわかるという設定なのでしょう。

(あまり現実的ではないけど)

 

それ以外にも

嘘をつく時に目をそらしたり

顔がこわばったり

そわそわした様子などからも

嘘をついていることが見破れるので

光を当てて相手をイラつかせる目的が

あったのかもしれませんね。

 

このテストの結果を信じるあまり

レナードが正しくて

クリスチーネが嘘をついていると

判断したのがウィルフリッド卿の失敗でした。

 

Q,レナードとフレンチ夫人が

映画館で観ていた映画は何ですか?

 

ジェシー・ジェイムズを主人公とした映画なので

1939年公開の『地獄への道』。

この映画でジェシー・ジェイムズを演じたのが

タイロン・パワーであり、

自分の映画を自分で観ているという

製作側の遊びの演出が入っている。

 

Q,レナードの手の傷は2日後にパンを切る時に

誤って切ったと証言したがこれは嘘?

 

洗った上着に血がついた理由は

殺人の時に返り血を浴びたものでした。

あの夫人が抵抗したとしても

レナードに怪我を負わせられるほどの

反撃ができたようにも思えません。

ハーン警部が抵抗した跡が

全く見られないと証言しているので

ついた血は夫人の血でしょう。

 

俺の推理としては

犯人も被害者も同じO型だったのを利用して

上着の血痕をごまかすために

2日後わざと自分の手を切って

同じ上着に自分の血をつけたのだと思います。

本物の傷が無いと

言い訳ができなくなりますからね。

 

Q,ウィルフリッド卿は

錠剤を並べて何をやっていたの?

 

あの薬は1時間で1錠

飲むように言われていた。

時間経過の暇つぶしに

並べていたのもあるが、

視聴者に時間の経過を

視覚的に教える役割があった。

 

初日に24錠あった薬も

3日目には5錠に減っていた。

つまり19時間が経過している。

錠剤を並べて見せることで

長い戦いになっていることが

一目でわかるのである。

 

Q,ラストでプリムソルが

ココアの魔法壜にブランデーが入っていることを

実は知っていたことがわかるのですが

いつ気づいたのか?

 

魔法壜のココアを飲むのを

傍聴席から見守るシーンがあって

まだ薬の時間がきていないのに

興奮を抑えるために

魔法壜の中身を飲んでいたから

中身が違うことを見抜いていた。

 

ちなみに

ウィルフリッド卿の持っている魔法壜は

執事のカーターが家を出る時に

ブランデーにすり替えてくれていた。

プリムソルが魔法壜をチェックしている間に

ウィルフリッド卿がカーターに

しきりに目配せして

合図を送っているのが面白い。

しかしながらプリムソルには

お見通しだったようだ。

 

 

隠されたどんでん返し?

 

Yahoo知恵袋より。

ラストでディートリッヒが机の上のナイフで、タイロン・パワーを刺殺しますね。ディ-トリッヒがナイフを手に取る場面の前に、弁護士のロートンが片眼鏡をくるくる回す一見、意味不明な場面があります。
実はここが重要な場面なのです。ディートリッヒがナイフに気付く場面、よ~くみると片眼鏡の光がナイフに当たって、ナイフがあるのに気付いてるんです。つまりロートンが『ここにナイフがあるぞ』とディートリッヒに教えて、殺人に誘導したんですね。これが『情婦』の隠された、どんでん返しなのです。

 

それは隠されたどんでん返しというより

普通に見ていれば誰でもわかります。

 

ウィルフリッド卿が

クリスチーネを誘導したわけですが

彼のやったことは犯罪として立証できません。

催眠術を使ったわけでもなく、

クリスチーネ自身の意志で

レナードを刺したので

全ては彼女の責任だ。

 

ただしクリスチーネが頭の良い女なら

ウィルフリッド卿の「提案」に乗っかり

無罪までのシナリオを画策して

あえて殺したということも考えられる。

最後に法廷から連れ出されるクリスチーネは

夫の死体ではなく

ウィルフリッド卿の方を見ています。

この謎のワンシーン気になりませんか?

わたし気になります。

 

クリスチーネは振り返る必要はなかった。

殺人者として力なく頭を下げて

連行されている方が自然です。

それなのに

どうして振り返ってウィルフリッド卿を見たのか?

「あなたの指示通りに殺したので後は頼むわよ」

そんな意味があったのではないか?

 

決定的な証拠はないので

深読みにしかすぎませんが

もしそこまで彼女が考えていたとしたら

恐ろしい女だと言わざるを得ない。

これこそ「隠されたどんでん返し」でしょう。

 

 

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観た映画のレビューを
検索したい時に便利なように
まとめた記事です。
 
 
評価(10点満点)
★どんでん返しが凄い作品
『タイトル』(公開年)主要キャスト
※タイトルを選ぶと感想のリンク先につながります。
 
10点
『時をかける少女』(2006年)仲里依紗、石田卓也
『オーロラの彼方へ』(2000年)デニス・クエイド、ジム・カヴィーゼル
 
 
9.5点
『シックス・センス』(1999年)ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント
『アイデンティティー』(2003年)ジョン・キューザック、レイ・リオッタ
『情婦』(1957年)タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒ
 
 
9点
『ベイマックス』(2014年)ライアン・ポッター、スコット・アツィット
『ゲーム』(1997年)マイケル・ダグラス、ショーン・ペン
『アフタースクール』(2008年)大泉洋、堺雅人
『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007年)濱田岳、瑛太
 
 
8.5点
『イニシエーション・ラブ』(2015年)松田翔太、前田敦子
『サマータイムマシン・ブルース』(2005年)瑛太、上野樹里
『サスペリアPART2』(1975年)デヴィッド・ヘミングス、ダリア・ニコロディ
 
 
8点
『テキサスの五人の仲間』(1965年)ヘンリー・フォンダ、ジョアン・ウッドワード
『ピエロがお前を嘲笑う』(2014年)トム・シリング、エリアス・ムバレク
『シャッターアイランド』(2010年)レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ
『キサラギ』(2007年)小栗旬、ユースケ・サンタマリア
 
 
7.5点
『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)ケヴィン・スペイシー、ガブリエル・バーン
『ファイト・クラブ』(1999年)エドワード・ノートン、ブラッド・ピット
『サイコ』(1960年)アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー
『下妻物語』(2004年)深田恭子、土屋アンナ
『真実の行方』(1996年)リチャード・ギア、エドワード・ノートン
 
 
7点
『ショーシャンクの空に』(1994年)ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン
『忘れないと誓ったぼくがいた』(2015年)村上虹郎、早見あかり
『プレステージ』(2006年)ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール
『インセプション』(2010年)レオナルド・ディカプリオ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット
 
6.5点
『エスター』(2009年)ヴェラ・ファーミガ、イザベル・ファーマン
『オールド・ボーイ』(2003年)チェ・ミンシク、カン・ヘジョン
 
 
6点
『殺人の追憶』(2003年)ソン・ガンホ、キム・サンギョン
 
 
 
 
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「約束です!

決して、ひとりでは見ないでください……」

 

洋泉社の『最強ミステリ映画決定戦』の

100人の映画ジャンキーが選ぶ

「ミステリ映画オールタイムベストテン」において

見事第1位に輝いたのがこの作品。

 

『サスペリアPART2』

[Profondo Rosso]

(1975年)イタリア映画

 

 

<あらすじ>

ローマで開催された欧州超心理学会で、心を読む超能力を持つヘルガ・ウルマン(マーシャ・メリル)が突然錯乱した。彼女は、かつて残虐な殺人を犯した人間がこの会場内にいて、今も殺意を持っていると宣言する。その後、部屋に戻ったヘルガは何者かに惨殺された。偶然その瞬間を窓越しに目撃したイギリス人のピアニスト、マーク(デヴィッド・ヘミングス)は、茶色いコートの男が逃げてゆく姿を目撃する。

事件に巻き込まれた彼は、殺人現場に奇妙な違和感を抱く。部屋から絵が1つ消えたのではないか?何かとても大事なことを見落としている気がする……と。

マークは、自分に好意を寄せる女性記者のジャンナ・ブレッツィ(ダリア・ニコロディ)と協力して事件の謎に挑むが、最後に辿り着いた真相は想像を絶するものだった!


<スタッフ>

監督・脚本 ダリオ・アルジェント

脚本 ベルナルディーノ・ザッポーニ

製作 クラウディオ・アルジェント

音楽 ジョルジオ・ガスリーニ

    ゴブリン

撮影 ルイジ・クヴェイレル

 

<キャスト>

デヴィッド・ヘミングス(「マーク」マーカス・デリー)

ダリア・ニコロディ(ジャンナ・ブレッツィ)

マーシャ・メリル(ヘルガ・ウルマン)

ガブリエレ・ラヴィア(カルロ)

グラウコ・マウリ(ジョルダーニ)

ピエロ・マッジンギ(マリオ・バルディ)

クララ・カラマイ(カルロの母)

ジュリアーナ・カランドラ(アマンダ・リゲッティ)

ニコレッタ・エルミ(オルガ)

エロス・バーニ(カルカブリーニ警部)

 

 

外国から来たピアニストのマークが

偶然目撃した殺人事件に巻き込まれて

男勝りの女性記者ジャンナと協力し、

犯人の正体を探るサスペンススリラー。

 

1975年に公開され、

シッチェス国際ファンタスティック映画祭で

グランプリを受賞しカルト的な人気を得て

イタリアン・ホラーの魔術師

ダリオ・アルジェント監督の名を

不動のものにした代表作。

サウンドトラック・アルバムもミリオンセラーを記録し、

これがデビュー作となったバンド、

ゴブリンにも注目が集まった。

 

原題は「Profondo Rosso」(英題「Deep Red」)

つまり「深紅」を意味する。

日本では『サスペリアPART2』という

続編のようなタイトルですが

内容に何の関係もない別物で、

2年後に作られた『サスペリア』が

先に日本公開されてヒットしたため

便乗してこのような邦題になってしまった

という紛らわしい経緯がある。

 

『サスペリア』と関係無いとは言っても

ところどころ連想させるものがあり

ジョルダーニが襲われる時に

急にドアが開いて

人形が笑いながら歩いてくるシーンは

『サスペリア』の最後のアレを

思い出して背筋がゾクッとなる。

この人形トラウマ級の怖さだ。

 

赤い血しぶきや熱湯で焼けただれた顔など

赤い色にこだわりが伺える。

血がやや赤過ぎてドロッとしているため

ニセモノとすぐわかるのが残念。

 

超有名な話だが

実は序盤で大胆にも

犯人が一瞬映りこんでいる。

この絵の中に手掛かりがあるのだが

本編を見なければ意味がわからないだろう。

二度目に観た時ビックリします。

Blu-rayの高画質完全版だとはっきり見える。

 

残酷な殺害方法、

気味悪い自動人形、

幽霊屋敷の秘密、

突然消えた絵の謎、

湯気によるダイイングメッセージや

大胆な伏線と意外な犯人、

さらにどんでん返しもある。

イタリアン・ジャッロ(推理物)の金字塔と

呼ばれるにふさわしい名作だ。

 

★★★★☆ 犯人の意外性

★★☆☆☆ 犯行トリック

★★★★☆ 物語の面白さ

★★★★☆ 伏線の巧妙さ

★★★★★ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 ◎

エッチ度 △

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 8.5点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかる結末

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

ヘルガ・ウルマン ---●カルロの母 ---口封じ【斬殺:斧】

アマンダ・リゲッティ ---●カルロの母 ---秘密保持【火傷ショック死:熱湯による顔の火傷】

ジョルダーニ ---●カルロの母 ---口封じ【刺殺:ナイフ】

ジャンナ・ブレッツィ ---●カルロの母(もしくはカルロ) ---口封じ【刺殺未遂:ナイフ】

カルロ ---●車のドライバー ---事故【圧死:車に頭を轢かれる】

カルロの母 ---●なし ---事故【斬死:エレベーターに引っかかったネックレス】

 

<結末>

屋敷の隠し部屋でミイラを発見したマークは

屋敷にあった子供の落書きの主を

突き止めるため、

小学校の資料室を調べて

その主がカルロであることを知った。

そこに現れたカルロがマークを襲うが

警部の突入でマークは助かる。

 

逃げたカルロは車に轢かれて死亡。

これで事件は終わったかに思えたが

マークはまだ腑に落ちない。

ヘルガが殺された時、

カルロは自分と一緒にいたので

犯人ではありえないのだ。

そこでヘルガの部屋にもう一度調べに戻る。

 

通路に飾ってある絵を見て

違和感の正体に気づく。

あの夜、部屋に入った時、

鏡に犯人が「絵と一緒に」映り込んでいたのだ。

出る時に犯人の姿が消えていたから

同じ絵を違う絵だと思いこんでしまった。

その犯人とは……!?

 

「恨むよ。お前がカルロを殺したんだ!」

後ろにいたのはナイフを持ったカルロの母。

マークがナイフを避けた時に

カルロの母のネックレスが

エレベーターの扉にひっかかった。

そのままエレベーターを下降させて

母の首は食い込んだネックレスで切断される。

血の海の中を茫然と見つめるマークだった……。

 

 

どんでん返し

 

まずは犯人の意外性。

 

マークたちは

殺人の落書きの主を突き止めようと

レオナルド・ダビンチ小学校の資料室で

その人物の名前を知る。

犯人はマークの友人カルロであった。

 

カルロは

「だから首を突っ込むなと

忠告したじゃないか」とマークに銃を向ける。

なぜか涙を流しながら。

 

カルロが昔住んでいた屋敷に

ミイラが隠してあったことから

彼が誰かを殺して口を封じているのだと

視聴者は思うだろう。

そのカルロが逃走中に事故死する。

これで事件が終わったかに思えたが……。

 

マークが「違う」と思ったのは

カルロはヘルガを殺していないこと。

ヘルガが殺された時、

マークと一緒にいたから

彼女を殺すことは不可能だ。

ではいったい誰が?

 

ヘルガの部屋であの絵を確認して

ついに真犯人に辿り着く。

後ろを振り向くとカルロの母がいた。

カルロは母の犯行を庇っていただけだ。

全ては母の仕業だった。

 

水色はミスリード紫色は伏線です。

 

カルロの母は少々ボケていて

女優だったことを何度も話したり

マークを技師と間違えたり

ただの脇役にしか見えない。

確かに意外な犯人だ。

 

ミスリードとして大きいのが

性別の誤認で、

犯人は茶色いコートの「男」だと

強く印象付けていることだ。

それもそのはず、

超心理学会のトイレに入った犯人は

男子トイレに入っている。

 

マークやジョルダーニを襲う時に

名前を呼ぶ声が聞こえるが

男の声に聞こえる。

カルロの母は元女優なので

声色を変えることができるのかもしれない。

 

性別誤認というと

女性でも男性的な人物が

1人登場する。

それがジャンナだ。

彼女はマークと腕相撲したり

男勝りな部分が強調されているし、

マークの行く先を知っていて

次々と人が殺されているので

もしかしたら犯人では?と

疑った視聴者も多いはず。

こういう怪しませるオトリの人物を

レッド・ヘリングと言います。

 

 

伏線では

消えた絵の手掛かりが一番だが

これは後で別項目で解説。

 

犯人がアイシャドウをするシーンが2回あるが、

これは犯人が女性であることを

示唆しているとも思える。

ただし女性の心を持つゲイの

マッシモ・リッチという男も登場するので

男がアイメイクしている可能性も示唆してある。

 

ところで本作のシーン以外の驚きでは

このマッシモ・リッチを

実は女優が演じていたこと。

そうオカマ役を女性が演じていたのだ。

BD特典でダリア・ニコロディが教えてくれるまで

全く気付きませんでした……。

 

ちなみに目のアップは

カルロの母役クララ・カラマイが演じ、

手袋をはめた手のアップは全て

ダリオ・アルジェント監督が演じている。

監督は効果的な手の動きを知っているから

自分の作品の手袋のアップは

自分で演じたいらしい。

 

ジャンナがマークと腕相撲をするが

不意打ちや作戦を使って

ジャンナが2回勝っているのは

非力な女性でも

不意を突けば男を殺せるという

犯人が女性であることを

視聴者に納得させるための伏線。

 

犯人がジャンナではない伏線としては

マークが襲われた時に電話を掛けてきたこと。

携帯電話の無い時代に

襲いながら同時にアリバイを作ることはできない。

ただし協力者がいれば

例えばカルロが犯人役になって

襲うと同時に電話を掛ければアリバイは作れる。

 

 

消えた絵の謎

 

ヘルガの部屋に入ったマークは

出た時に違和感を覚えた。

入る時に見た廊下の絵が

1枚消えたように思えて仕方ないのだ。

実は絵が消えたのではなく、

絵に映っていた“何か”が消えて

違和感になっていた。

 

その何かとは犯人の姿

犯人であるカルロの母は

殺人の後で逃げようとしたが、

マークが入ってきたから

廊下の曲がり角に隠れて

咄嗟にマークをやり過ごした。

その時、絵と一緒に

自分の姿が鏡に映ってしまったのである。

 

事件の後、

犯人の姿が消えているから

同じ絵なのに違う絵だと思いこみ、

入った時と出た時で

「絵が消えてしまった」と感じたのだ。

 

 

その犯人が一瞬映っているという

問題の恐怖シーンがこちら。

 

 

 

↓↓↓↓↓

 

 

奇妙な絵がたくさん飾ってある廊下を

マークが歩いている場面。

 

左側にちらっと絵が映る。

その絵の中に

はっきりと犯人の顔が映っている。

 

こちらは同じ状況で鏡に映った

本来の絵(犯人なし)だ。

 

この大胆な手掛かりは

当時、多くのリピート客を呼んだらしい。

DVDのない時代だから

顔も鮮明にわからないし、

この短いワンシーンに気づくことは

初見ではほぼ不可能だろう。

俺も全く気付かず

ネタバラシ段階でやっと気づいた。

 

 

アマンダのダイイングメッセージの謎

 

犯人に襲われたアマンダは

死の間際に

湯気で曇った鏡面に指で文字を書いた。

被害者が死の間際に文字を書いたり

犯人を指し示す手掛かりを残すことを

ミステリーの世界では

「ダイイング・メッセージ」と言いますが

アマンダは何を残そうとしたのか?

 

その文字は「ESTAT」と読める。

この文字の謎は長年議論されてきて

英語版では「ITWA」になっている。

「IT WAS」とすれば「それは」という意味になり、

その後に何か文字が続いていたのではないか?

または「ESTATE」じゃないか?とか

どちらにしても

これを見たジョルダーニがわかったのだから

何か犯人を指し示す言葉で

なければいけないのだが……。

 

正解をBlu-ray究極版のブックレットで

解説の荒井氏が書いている。

“最後に、作中でアマンダが浴室に残したダイイング・メッセージに触れておこう。湯気で浴室の鏡に浮かび上がった文字だが、英語版では、「IT WAS」イタリア語版では「E STATO」と読める。どちらも「それは…」という意味であり、意訳すれば「犯人は…」となる。「…」の部分以降はスクリーンからはみ出して観客には読めない工夫がされている。ジョルダーニは「…」の部分を読んで、犯人の手掛かりを得たために、犯人に狙われてしまうのだ。英語圏の観客やイタリア語圏の観客にはスムースに伝わる部分だが、日本の観客にとっては、「あれは何と書いてあったのか?」「犯人の名前ではないか?」など、いろいろ憶測が飛んでしまった。なので、ここに補足的に記しておくことにする」”

この場面を観直してみたが

俺は少し疑問に思うことがある。

ジョルダーニは「E STAT」の後の「…」部分を

そこまで目で追っていない。

少なくとも長い文章ではないはずだ。

アマンダが腕を伸ばせる範囲で考えても

「…」は少ない単語でなくてはならない。

 

ジョルダーニは家政婦から聞いた

「子供」という言葉で

何かに思い当たっている。

それは事件の鍵を握る

幽霊屋敷(カルロの元家)に

関わる言葉ではないだろうか?

 

アマンダは殺される前に

「子供……お屋敷……幽霊が出てくる」

自分が書いた本の内容を思い出していた。

その記事が

「LA VILLA DEL BAMBINO URLANTE

(子供が叫ぶ屋敷)」である。

 

ジョルダーニが家政婦から

「BAMBINO(子供)」と聞いて

幽霊屋敷を思い出したとしたら

この「E STATO」に続く言葉は

もうひとつの重要な単語

「VILLA(屋敷)」であると推理できる。

 

 

よくある疑問

 

Q,マークとジャンナは

いつから親密になった?

 

腕相撲の前に

マークが服を着ながら

ボタンを震えずにはめているから

「少しは落ち着いたのか」と

ジャンナが聞いています。

女性の前でわざわざ男が服を着る。

ということは裸だったわけで、

この直前に2人は

セックスしていたと考えられる。

 

腕相撲でジャンナが勝った後

文句を言ってくるマークをなだめるように

「そうね、あなたは強くてたくましいわ」と

皮肉っぽく言ったのは

直前の行為と合わせて下ネタを言ったのかも?

 

Q,不気味な人形がたくさん登場しますが

何か意味ってあるの?

 

人形自体には特に意味は無いでしょう。

不気味なホラー映画の定番です。

人形の吊るされ方や刺され方が

殺され方を暗示している?かも。

 

ジョルダーニを襲ったあの人形を

どうやって急に飛びださせたのか

全くわからないですが……。

 

Q,アマンダが熱湯に顔を突っ込まれて

そのまま溺死せずに顔の火傷を負い、

その後で死亡したけど

これはどういうこと?

 

火傷ショック死の場合

以下の原因が考えられます。

  • 高熱に晒された事による熱中症。
  • 皮膚組織の損傷に伴う体液の損耗、及びそれによって発生するショック状態。
  • 皮膚の持つ抗菌作用が損なわれる事による感染症。 
  • 熱湯を飲み込んだことによる呼吸器の損傷など。

つまり火傷により体液が喪失し、

熱湯で喉をやられて

呼吸できなくなったと考えればいいと思う。

皮膚の損傷による感染症の疑いもあります。

 

Q,何でジョルダーニを

机の角で何度も口をぶつけて殺したの?

 

これは脚本の

ダリオ・アルジェントとザッポーニが

ピストルの痛みは観客がわかりにくいから

熱湯の火傷や

机の角にぶつけて殺そうと話したらしい。

 

Q、トカゲにピンを刺していた女の子は異常なの?

 

オルガは

ちょっと頭のおかしい子です。

父親に殴られて舌舐めずりしたり

学校で見た殺人シーンの絵を模写したり

まともではないと思う。

オルガ役を演じたニコレッタ・エルミは

『血みどろの入江』や『悪魔のはらわた』でも

邪悪な少女を演じている。

 

Q,あのババアに大柄なジョルダーニを

ぶん回して机に打ちつける力があるとは思えない。

マークの部屋に忍び込むのだって無理では?

 

下の項目で合わせて説明します。

 

Q,カルロはいつ母の犯行に気づいたのか?

 

カルロは母の精神がおかしいことに

前から気付いていました。

 

発端は父の殺害現場を目撃したことです。

精神病院に入れと勧める父に反発して

母は子供の目の前で父を殺した。

幼いカルロにとっては

さぞショックだったことでしょう。

さらに母は

父の死体を屋敷に隠してしまった。

その秘密を抱えきれないカルロは

残酷な殺害シーンの絵を描いてしまう。

 

さらに言うと

母は解離性同一性障害

つまり多重人格症だった。

マークの職業を間違えたり

元女優の話を何度もするのは

ボケているのではなく

別の人格の記憶が無かったからだろう。

 

精神病理学の教授ジョルダーニが

こう分析している。

「(犯人像は)まず典型的な精神分裂症であり、発作的な衝動に襲われて無意識で殺人を犯しているのです。ですから、普段はきわめて普通の人間にしか見えません。罪を犯すのは何かのきっかけで自制心が効かなくなった時で、決まった日、決まった時間に別の人格が現れてしまうのです。その結果、殺人鬼になることもある」

本編の登場人物が

はっきりと多重人格を指摘していた。

 

上の項目で

ババアにそんな力はないだろと

確かにそれは思いますが

人格が変わると力持ちだと思いこんで

怪力になった症例もあるので

一概にあり得ないとは言えない。

 

一部ネットで

カルロが自分が父を殺したと

思いこんでいるという意見もあるが

その可能性は無いと思う。

自分が殺したかどうかは

さすがに判別できますよ。

 

ヘルガが殺された時に

母の犯行だと知ってしまったのは

噴水のところで逃げていく

茶色いコートの母を見てしまったから。

その日から

カルロの様子がおかしくなったのは

マッシモ・リッチが証言している。

 

Q,ジャンナは誰に刺されたの?

 

カルロは母を尾行してついて来ただけで

母を庇ってマークを殺そうとしますが

涙が出て親友を撃てなかった様子を見ても

誰かを傷つける勇気があるように思えません。

 

それとカルロがジャンナを傷つけるなら

ピストルを持っているのだから

わざわざナイフで刺すというのは

心理的に矛盾しています。

ピストルを撃てばいいのですからね。

 

しかし、

カルロの母がジャンナを刺したなら

もっとめった刺しにするはずで、

それはヘルガやアマンダや

ジョルダーニのむごい殺し方と矛盾する。

虫の息でも許さないだろう。

 

それを踏まえて考えると

ジャンナを刺したのは

カルロと考えた方が納得できる。

優しい性格なので

ひと思いに殺すことが

できなかったのではないか?

屋敷の中で

マークの後頭部を殴って気絶させたのも

カルロの仕業ではないか?

 

あれはジャンナが犯人っぽくて

見過ごされがちだが、

ここでもマークが殺されていないことが

カルロの母ではないことを

証明しているように思う。

 

Q,ジャンナは刺されたけど死亡したの?

 

手術が成功して

一命は取り留めたようです。

気の強い女性だから

すぐ回復しそうだと医者が言っています。

 

Q,犯人の動機がよくわからない!

 

ヘルガ殺しのそもそもの発端は

ヘルガがカルロ母の殺人を

テレパシーで見破ってしまったことです。

ヘルガは強い殺意を感じたその人物のことを

後でレポートに書くと他の教授に話していましたが

その言葉を

ホールの影に潜んでいたカルロ母が聞いて

口封じのために殺害するしかなくなった。

 

何の目的で超心理学会に来ていたのか

説明はありませんでしたが

カルロの母は元女優の有名人きどりなので

有名な超能力者が来るということで

私も顔を出さなきゃと思ったのかもしれません。

 

アマンダ殺しは秘密の保持。

カルロたちが住んでいた屋敷を

「子供が叫ぶ屋敷」として

本にしたのがアマンダです。

マークがアマンダに

話を聞こうとしていたから

先回りして殺しました。

どうやって知ったのか謎。

 

ジョルダーニは

アマンダのダイイングメッセージに気づいて

真相に近づこうとしていたから殺されました。

 

ようするに根本的な動機は

屋敷の秘密を知られたくない事。

屋敷には殺した夫(カルロの父)の

ミイラがあるからです。

 

余談ですが「1分でわかるネタバレ」の

動機の項目で

「口封じ」は被害者が秘密を知っていて

攻撃される可能性があるから

先に殺した場合のこと。

「秘密保持」は被害者が秘密を知っていて

攻撃されるまでの危険はないが

秘密を守るために殺した場合のこと、

という使い分けにしてある。

これは俺の他のミステリ系の

レビューでも統一しているルールです。

 

 

『サスペリア』との比較

 

邦題が『サスペリアPART2』であるため、

どうしても比較されてしまう。

『サスペリア』から入って

オカルト的なものを期待すると

「思っていたのと違う」という

悪い印象になってしまうし、

逆に『サスペリア』が嫌いな人は

『PART2』を観たいと思わない。

これは邦題が悪い。

 

『サスペリア』は昔観たけど

マジで怖かった。

殺人方法が奇抜で

コードが絡みついて首吊りしたり

目に釘を刺したり、

カーテンの向こうから

いないはずの理事長のいびきが聞こえたり、

最後はゾンビが笑いながら襲って来たり、と

印象的なシーンばかり。

そういえば

最初のタクシーの運転手の後ろに

幽霊が映っているというのが話題になった。

(あれは監督のいたずらだったというオチ)

「オカルトホラー映画」として

外すことのできない傑作だった。

 

そして『サスペリアPART2』である。

斧で身体を切り裂き、

熱湯で顔面大火傷、

最後はエレベーターにひっかかった

ネックレスで首が飛ぶのだ。

これまた印象に残る残酷な殺し方。

そして最初の殺人シーンには

誰もが驚愕する手掛かりを仕込んである。

『サスペリア』ほどの恐怖は薄いが

犯人探しの謎解き感が強い。

「サスペンススリラー映画」として傑作だ。

 

あえて比較することもないが

俺の好みで言えば『2』の方。

もちろん『サスペリア』も好きだが、

どちらも別ジャンルの作品なので、

あえて比べることもなく

「どちらも好き」「どちらも凄い」で

良いんじゃないかな。

 

 

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