こんばんは。
大人でも読める面白い少女漫画をオススメするこの企画‼︎
今回ご紹介する漫画は、「キスの花束をキミに」です。
1巻〜2巻(継続中)
it COMICS KADOKAWA
全体的オススメ度
★★★★★
恋愛度
★★★☆☆
ストーリーの深さ
★★★★☆
テンポの良さ
★★★★☆
先に言っておきます。
この作品は、主人公と少なからず似たような思いを抱えている方はまず涙は必須です。
色々我慢して抑えてる人であればあるほどこれは読んで欲しい!そしてむせび泣いて欲しい!
また、物語の設定がちょいと特殊なので、ありきたりな少女マンガの設定に飽きた方にもオススメ。
言ってしまうと、表紙の「彼」は人ではないんです。
漫画を紹介する上で、どんな感じのストーリーなのかは面白さを知ってもらうためには、ある程度説明せざるを得ないのですが、
この漫画に関してはしょっぱなから設定を説明しないことには始まらないっちゅーね。
この物語の世界では、人は誰しも生まれた時に神様からの祝福として「乳母の木」というものが贈られることになっています。
この「乳母の木」に赤子が触れることで「人」の形になり、3年間親と共にその子供の世話をしてくれるというまず設定ありきでして。
~誰しもがそんな前提ありきの中で、もし自分だけ「乳母の木」が目覚めなかったとしたら…~
主人公である高校生の女の子、つるは両親を亡くしており、おばあちゃんのもとで育てられました。
その唯一の家族である大好きなおばあちゃんも体を壊してしまい入院してしまいます。
ところが17歳になった日になぜか今まで目覚めなかった「乳母の木」が目覚めます。
このキス設定も実はカラクリがあるのです。ここでは言いませんけど。
つるとつるの「乳母の木」である「シロ」(のちにつるが命名)はやたら自分たちのことを「ケッカンヒン」と表現するんだけど、そこら辺もこの作品の重要な鍵だと思います。
つるは生い立ちなどの影響もあって、人に自分の意見や意思を伝えることがとても怖いんです。
こんな「ケッカンヒン」な本当の自分がバレてしまったら嫌われてしまう。
知られてしまったら自分から離れていってしまう。
そう思い込んで、頑なに心を閉ざして人と距離をとろうとします。
泣きたい時も絶対人に知られないように、こっそりと声を殺しながら泣くのです。
つるの心を感じとることのできるシロはそんな固く閉ざしたつるの心を少しずつ溶かしていくようにあたたかく包んでいきます。
つるに怒られるたびに「しょぼーん」とするシロがまたかわいい笑
それでもシロは片時もつるから離れず、
つるが甘えたい時はそれを敏感に感じ取って、まるで赤ん坊を抱きかかえるように甘えさせるのです。
人に初めて自分の好きなものを言えたり、周りの人達から色んなものを受け取れるようになっていきます。
2巻からはつるとシロの関係性が「主と乳母の木」だけではないそれ以上の気持ちにそれぞれが気づいていきます。
そして、シロはつるに初めて「つるの意思」「どうしたいか」答えを求めるのです。
人に自分の意見を言うことがとても怖いつるにとってはそれはとても酷なこと。
それを承知で…
それはぜひ読んでみてください。
この作品を読んで、改めて思うんです。
たとえ自分の意図しないことでも、それが起こるタイミングは必ず意味があるということを。
起こるべくして、必要なタイミングでこの世の出来事は起きているんだと。
シロはなぜこのタイミングで、今ごろになって目覚めたのか?
それは「ケッカンヒン」だからでもなく「今、つるにとって必要だから」
「ケッカンヒン」だからこそ、
「ケッカンヒン」にしかできないことがあるから必要なのです。
いや、やたら本人たち「ケッカンヒン」言うてるけど、そもそもそれが本人の勝手な思い込みだけどね。
最初の方で「乳母の木」は普通なら3年間、主の世話をして枯れていくと説明しました。
そうなんですよ…
となると、つるとシロも普通なら3年間だけしか一緒にいられないことになります。
なんて事を考えると、とても切なくなるお話ですが、
これも成るべくして成っている出来事なら、きっとつるはシロから必要なだけの沢山の愛を受け取り、今度は大切な人達に愛を与えられるようになるんでしょう。
シロは「ケッカンヒン」なら、3年間とも限らないしね〜。
そもそも「普通の」乳母の木は喋れないらしいっすから。
シロ、普通に(笑)喋ってますからね。
2巻から恋愛色が少しずつ多くなってきていますので、今の段階では恋愛度の評価は★3つにしてます。
今後の展開次第では★を増やすことになるでしょう。
もうキスシーンもただのエネルギーチャージではなく、心を通じあわせてる恋人同士そのものです。
この作品、最近の中では1番と言っていいくらい今後の展開が気になる個人的にオススメの作品。
ぜひ、ご一読ください。