r e z a の ブ ロ グ

r e z a の ブ ロ グ

  140 文 字 で 書 き 切 れ な い タ ワ ゴ ト。

 

( 映画に関するネタバレ若干あり )

初視聴ではないのだけどTV放映があった「タイムマシン」を観返した。’02年のSF映画でH.G.ウェルズ原作、また’60年制作タイムマシンのリメイクでもある。そっちは鼻垂れ小僧時分にTVで何度か観た、大好きな映画だ。原作に忠実にタイムマシンを駆る主人公が80万年後の世界に辿り着く都合上、トンデモ映画になってるけど子供心にワクワクした、面白コワかった。

 

 

そこを本作タイムマシンは'00年代最新のVFXを駆使、時間を跳躍するビジュアルは目を見張る組み上げ方だし、マシンの造形も設定は変わらず1895年辺りの製造だけど旧作より一段垢抜けている。マシンを発明した主人公は紆余曲折後やはり原作に従い80万年後の世界に辿り着き、やはりトンデモ展開がスタートするけどそれで良い。

 

時間旅行映画のいちベクトルとしてトンデモ展開は、葛飾柴又で生湯をつかった風来坊が毎回女性にフラれるのの次くらいお約束なのだ。そもそも(令和の今想像するのは難しいかも知れないが)昔SF映画はキワモノ映画orイロモノ映画扱いだったのだ、’68年に2001年宇宙の旅、'72年に惑星ソラリス、’77年にスタウォが公開される迄は。

 

 

タイムマシンは大手映画検索サイトのコメント欄や最近放映時のXを検索すると酷評が目立つ。それは私も分かる、突っ込みどころは多いよ、しかし皆まで言うな。時間旅行映画は時間旅行映画ならではの機微や滋味があるのだ。

主人公は80万年後への旅路の前に幾つかの時代に降り立つけどそのビジョンが伏線になっていたりする。あ、あの時代のあれがあぁだからこっちの時代はこんなんなってんのね、とか。80万年後の世界にも存在する物には慮るべき経緯がある。そういうディテールを自分なりに想像・補完するのも時間旅行映画の楽しさなのだ。

 

私は時間旅行映画好きだ。演技は今一なのにその出演作をつい追ってしまうアイドルファンのように。それでも良作や佳作が少なくないと思うから時間旅行映画は可能なら観る、繰り返しになるが好きだから。トホホなZ級作品かも知れないけどそれなら観終わってクサすれば良いのだ。それより見逃した作品がもしも面白かったらと考えると不安でたまらない。

 

 

 

 

タイムアフター・タイム(’79年)も好きな時間旅行映画の1つ。話は如上のタイムマシンに重なる。なんとH.G.ウェルズ本人が主人公として、タイムマシンを完成させてしまったという物語。なのでスタートはやはり1895年辺りでタイムマシンはお約束通りレトロデザイン。ウェルズ役は時計じかけのオレンジでキレッキレの外道を演じたマルコム・マクダウェルで同じ役者とは思えない、ちょっとおっとりした紳士っぷりが新鮮。その紳士が希代の凶悪犯罪者と対峙するのが斬新。

 

 

ある日どこかで(’80年)はタイムマシンを使わず時間を遡る。クリストファー・リーヴ演じる1972年を生きる劇作家は特殊能力者って訳でもないのに、1912年の時空で文芸大作のようなノスタルジックなロマンスを体現する。

やはり前世紀TV放映でやレンタルビデオで幾度か見たが、21世紀は’21年BS放映用に遂に吹き替えが新録された。リーヴを佐々木功(’78年作スーパーマンが日曜洋画劇場で初放映されて以来FIXと言われてた)の担当が叶った。佐々木さん収録時79か80歳で映画制作当時28歳のリーヴと見事シンクロ、日本語吹き替え洋画ファンの涙はチョチョ切れた(私)。もしも吹替の帝王が復活するならその第一弾はこれで決まりであろう。

 

 

タイムライン(’03年)は自分で映画監督やプロデュースもやっちゃう小説家マイケル・クライトン原作。消息を立った考古学者を救出する為その教え子の学生達が時空間転移装置で14世紀は英仏戦争只中のフランスへ飛ぶ。これぞ時間旅行と言いたくなる王道的な作りの映画で、英仏百年戦争の件りも丁寧に作り込まれていて見応えがある。

 

 

デジャヴ(’06年)は厳密には時間旅行したとは言えないかも知れない。極秘裏開発された巨大監視システムは4日と6時間前ならあらゆる事象を取り出す事ができる。主人公の捜査官はそれを軸に500余人が犠牲になったフェリー爆破事件の捜査を要請される。

捜査官はシステムのヘッドアップ端末を被り街に出て4日と6時間前を体験する。でもそれは視覚が4日と6時間前なだけで、例えば4日と6時間前の容疑者を見つけて追いかけカーチェイスを展開するにしても、リアルの捜査官の体とそれが駆る車両は現在の時間にいて現在の空間を移動する。ちょっと混乱しそうだがそこをトニー・スコット監督がエッヂを効かせて確信犯的に焼き付けている、観てると少し酔う。

 

 

 

 

他にも好きな時間旅行映画は数多あるけどバックトゥフュチャー(以下BTF)には言及しない。BTFは時間旅行映画と言うよりBTFというジャンルに至っているから。またサマータイムマシンブルース(’05年)や、ミッション:8ミニッツ(’11年)は移動する時間が1日とか数分と短いので今日は割愛する、好きな映画である事は言うまでもない。またTENET テネットは劇場で観て引き込まれたけど時間旅行ではなく時間遡行かな。主演がデンゼル・ワシントンの御子息なのが嬉しい。

 

駄文打ちながら他にどんな時間旅行映画あったかとググったら、タイトル知ってたのにそれが時間旅行ものだと知らなかった未見作が幾つかあった。危ない危ない、不勉強は敵、忘れずに観なければならない。