2009-10-30

電車通学

テーマ:シアワセのかたち

制服のリボンが

ほどける。

息切れする

駅への道。


毎朝こんなに

どきどきするのは

汗だくで

走ったからじゃない。


3両目の

1番前のドア。


走ったくせに

1本

電車を見送って


狙いだった

次の車両に

さりげなく

すっと滑り込む。


彼、だ。


名前は知らない。

年も。

どんな声かも。


それでも


無邪気な女子高生の

心を捕まえるのは

よく似合う

白いシャツだ。


ずっと

遠くから

見てた


同級生にはない

大人のまなざしが

ふいに

わたしに向けられる。


ipodで耳をふさいで

文庫本の活字を

ななめに追って

はしたない視線をそらす。


きっと

耳まで

赤くなっている。


なきたいような気持ちで

顔をあげると


人ごみごしに

想像していなかったほどの

やさしい微笑があって


もう

明日からは

ここに乗らない。








いざとなると

逃げていた。


10代で

大人のあのひとに

小悪魔的だよね、と

言われたときも。




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2009-10-23

抱擁から

テーマ:告白

だから


お願い

抱きしめてって

言うよ。


本当は

あなたを

抱きしめたいから。


疲れきって

それでも

強がっているあなたの

ふらつく体を支えるために。


はりついた

弱弱しい微笑。


回した腕で

久しぶりにみる

あなたの胸の薄さをはかる。


こんなわたしだけど

もっと体重を預けていいよ。


だれに、とは

聞かない。


負けたことない、なんて

一瞬

真顔になるあなたを

つかんだまま


ゆっくり

ひざを折って着地する。


そのまま横たわり

目を閉じて。


今だけは

ここでだけは

だれも

あなたを傷つけないように


ずっと

その寝顔を

みはっているから。






わたしにも

できることがあるかも。


みてられないよ。







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2009-10-19

つけまつげ

テーマ:開かれたマド

ざわめきは扉の向こう。


飛び込んだ

化粧室の鏡に

青ざめた顔の自分が映る。


はずれた

右のまつげは

頬に張り付いたまま、だ。


見たことのある

のかたち。


グロテスクな

黒い毛の束を

指でそっとつまんで


その縁に

新しい接着剤をつける。


わかってる。


はずかしいのは

仮面をつけていたこと

じゃなくて

その仮面の安っぽさ、だ。


鏡に向かい

目を大きく見開いて

つくりもののまつげをつける。


驚いたときのように

大きくまたたいて


みせかけの美しさを

懲りもせず

身にまとってみる。


大丈夫。


泣いても

笑っても

もう、はずれない。


遠い音楽のうねり。


あそこには

わたしを追い出した人と

同じくらい多くの人が

わたしを待っている。


誰かが呼んでいる

空耳。


あとは叩かれた頬の

赤みが少し

薄れるのを待つだけだ。






パーティの夢を見ることがあります。


わたしは踊ることが好きなので

それで、かな。

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2009-10-09

キッチン

テーマ:あなたが教えてくれたこと

早く目覚める朝がある。


一人分の食器を

あわ立てたスポンジで

かちゃかちゃ音をたて

洗う とき


くるしみと

よろこびの

日々の


感情と

行為だけの

やりとりの記憶が


不意に

生々しく

わたしの後ろに

寄り添っていることがある。


冷たい足先。


愚痴くらい

泣き言くらい

そういって

いつまでも話し続けるわたしを


自分の息で

暖めた手で

背中から

包んでくれたあなたの鼓動。


あれほどの

やさしささえ恨んで

あなたの不在を嘆くわたしに


静寂が

ようやく

ふさわしく訪れる。


音を刻まない

デジタル時計。


乾いたキッチンマット。


落ちた小さなしずくが

作ったしみは

誰にも見えない。







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2009-10-02

ぬれた瞳

テーマ:約束

こどもだった。


小さな頭で

選んでいた。


あのみちと

このみちを。


川沿いの土手の

まじりあった

雑草のにおい。


ホームと呼ばれる場所に

居場所はなくても

選択肢は

いくつもあった。


がんこだと

人に疎まれるほうと

臆病だと

自分を疎むほうと。


いつも

風の吹いている場所。


楽しい夢だけを

選べないように


退屈な

それより

最悪な


身もだえするだけの

時間を

だれもが

与えられている。


気がつけば


幸せの等しさではなくて

不幸の等しさに

癒される


そんなものの


人と自分の卑しさに

ほっと安心するとき


赤い夕日が

遠く向こう岸へ

ゆっくりと沈んでいく。






以前、友達に女神というあだ名を

つけられそうになりました。


「そんなに良い人じゃないよ」


そういうと友達は

嫌?と、意外そうな顔をしました。


嫌、だ。


そんな立派な人じゃないから

わたしは自分が好きなんだから。





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