2006-12-30

誤解

テーマ:喪失

もう

君は、いない。

通いなれた部屋の

見慣れない表札を後に

音を立てて

アパートの階段をおりると

今年初めての雪が

人通りの少ない

夜の道に

はらはらと落ちてくる。

つもりそうもない

細かい雪を

ほてった顔で受け止めながら

僕を見上げて

微笑んだ君の

唇のあたたかさを

思い出させるように。

どうして

信じなかったんだろう。

君は

いつも

微笑むだけだけど

あんなに

まっすぐに

僕を見ていたのに。

僕を知ってほしくて

重ねたコトバの多さが

何よりも

君を傷つける。

だれよりも僕をわかっている

そんなことがまったく

わからない僕の

致命的な間違い。

君の感じる距離。

無表情で

受けるキス。

悪意がないから

つらい、と

唇をかんだ君の

いない

星のない

静かな夜。

空を見上げ

降りかかる雪を

顔に受けるけれど

涙がすぐに

溶かしてしまう。

突然訪れた

取り返しのつかない

別れに。

年末です。

それなのに暖かいですね。

寒いのは嫌いだけど

雪は好きです。

来年になれば

東京にも雪が降るのかな。

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2006-12-22

テーマ:喪失

あなたの指が好きだった。

あなたの

細く

長い先端。

それは

きれいで

そっと

わたしに

触れるときの

優しい接点だった。

そして

そろえられる。

わたしの目の前で。

みぎとひだり。

ひじから

まっすぐに続く

オトコひとの

大きな手の甲を見せて

すきまなく覆われる

あなたの顔。

かたい関節は

こころを守るように

複雑にゆるく

内側へ曲げられている。

いち。

に。

あなたの唇が

カウントを刻み始めている。

その声音から

見えない表情を

想像しようとするけれど

さん。

し。

わたしの思考は

時をさかのぼり

あなたの指の温度を

思い出してひたっている。

ご。

ろく。

震える声。

し、ち。

は、ち。

見えない。

あなたの。

行くな。

かくされた涙が

あごを伝って

光る。

あなたの指を

強引に

その顔からひきはがして

塩辛いはずの

涙をすべて

なめてしまいたいと

急に。

行くよ。

目をそらし

冷たい声で

かかとを。

ふたり

幸福なときに

小指でした

約束どおりに。

20日、

山川健一さんの

ブログ文章講座に参加しました。

山川さんが

影の部分を書かないのがロックで

自分の得意分野だと思ったから

断定を重ねる文体ができた、

とおっしゃったのが面白かった。

もっと

文章の話が聞きたかったな。

それから

来ていた人たちがどういう人たちか

知りたかった。

面白いネットワークが

またできそうだったのに。

山川さんからいただいたサインには

「ひよりちゃん へ。」と書いてあった。

わたしを、ひよりちゃんと呼ぶ人は

他にいないなぁ、と思った。


なんだか、

少しくすぐったい感じだった。

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2006-12-15

聖夜

テーマ:オモイデの輪郭

知らないひとの手は

あたたかい。

その

知らないひとの手は

服のなかで

ただ

大丈夫、と言いたげに

そっと

わたしを。

あたたかい。

なにも考えなくていい。

こどものころ熱を出して

往診の先生に

診てもらったときみたいに

熱いからだ。

荒い息。

すうっと

訪れる安堵。

こわくない。

このひとは

あなたじゃないから

嫌われることを

もう

嫌われてしまった後でまで

こんなふうに

心配する必要なんかない。

メリークリスマス。

思い出の

クリスマスソング。

思い出すのが苦しすぎるから

真っ黒なペンで

ぬりつぶすみたいに

知らないひとの。

メリークリスマス。

瞳の中の

笑っていないわたし。

そらされる瞳の

いいわけみたいな

あたたかい唇。

知らないひとの

やさしい。

もうすぐクリスマス。

去年もこれに似た

詩をかいたなあ、と思いつつ書きました。

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2006-12-08

蹂躙

テーマ:コトバにできない

あなたが

汚い手で

乱暴にさわるから


わたしの心は

直線で

デザインされていく。


どこまでも鋭く

鋭角にとがって


あなたの

あたたかな

体温さえ拒絶する。


いつも

無防備な

このカラダのかわりに。


誰かを


愛さないようにするのは

愛そうとするよりも

ずっとつらい。


もう

わたし自身も

なにもかも捨ててしまって


あなたの笑顔に

微笑み返しそうになるけれど


あなたを

楽しませているという屈辱が

かろうじて

わたしを正気にもどす。


どうして

こんなに簡単に

あなたの

挑発にのって


勝つ見込みのない

あらそいを

引き受けてしまうのだろう。


乾いた空気を

いやす

窓の外に雨。


ただ

求められることに

嫉妬して


ぱらぱらと

ガラスを打つ

雨粒をみつめる。


その光

涙のように

流れるのを。






とうとう

わたしも風邪をひいてしまいました。



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2006-12-01

この世の

テーマ:開かれたマド


konoyono



あるいは道

あるいは川


その両側で。


離れていても近く

遠くても交ざる


ふたつの

まっすぐな視線。


そこ、なんだ。


あなたが一人だったから

わたしが一人だったから


あなたが

わたしだったから


すぐに。


笑わなくても

手をふらなくても

いいよ。


伝わる思い。


ここ。

その適切な距離。


あなたが泣いた夜

かけた電話を

まっていたのは

あなただったわたし。


たのんじゃいない、と

愛が重い、と

どなっていたのは

わたしに似たあなただったから


いまさら


手をつなげば

もつれて

抱き合えば

苦しくて


本当に

つながっていたときの

記憶さえ薄れている。


もうすぐ

その時がくる。


はかったように

適切な距離を保って


許しは請わない。

どちらも罪ではなかったのだから。


光に満ちた明るい朝。


はれやかな笑顔と引き換えに


あなたは

わたしを亡くした悲しみを

永遠にはらむ。






母親たちに。

娘たちに。





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