Veach 論文に関する私的補足(18) pp.264-267 | Chandler@Berlin

Chandler@Berlin

ベルリン在住

p.264 Balance heuristic 1

式 9.8 は私の好きな Laplacian operator で使われる重みととても似ている.ここではheuristic と言っているが,ここで使われている条件は性質の良いことがわかっているものが多い.たとえば,Positibity と Partition of Unity である.これらの条件からはこの解の上限と下限が sample の range を越えないことを保証できる.誤解を恐れずに簡単化してしまえば,この operator は平均の拡張である.平均の重要な性質に,個々の値の上限と下限を越えることはない.たとえば 5 と10 の平均は必ず 5 と 10 の間にある.なにか簡単なことを難しく言っているように聞こえるかもしれないが,それぞれの値にここで言う重みをつけた場合にもこれは正しい.(式 9.8 の重みの条件はサンプルの Affine combinationを与えるから.)これはちょっと考える価値があるのではないだろうか? 複数の解空間を組み合わせることとして最初に出てくるものとしては自然な形であると思う.こういう自然な所もこの論文のいい所だと思う.

p.267 Balance heuristic 2

Figure 9.3 は blance heuristic estimator の Pseudo code である.

$Chandler@Berlin-balance heuristic

この疑似コードは大切そうに見えるので,ちょっと annotation をつけておこう.

  • i は i番目のサンプリング技術を示す.k も同じ意味で使われているが,iteration が異なる場合に異なる添字として使われている.
  • n は本文ではサンプリング技術数を示している.したがって,i = 1, 2, ..., n である.k も同様である.
  • n_i は i番目のサンプリング技術でのサンプル数である.だから,2 行目の N は全サンプル数である.たとえば 1 番目の技術で5回サンプルし,2番目の技術で3回サンプルした場合,n_1 = 5, n_2 = 3, N = 8となる.
  • p_i は i番目のサンプリング技術の密度関数である.
  • X は サンプリング点である.


謝辞
いつものことですが,Leo に感謝します.