2月の二十日の面接で採用内定したときは病院を退職させられたショックもあって、
働けることが嬉しくて職場環境など冷静に考えられなかった。
もちろん入ってみないとわからないことはたくさんあるが、
体力に自信ないからゆっくり話し相手してるくらいのほうが自分にはいいかもと思っ
ていた。
視覚障害者のことを知らない人の中で働くことは大変だとはわかっていたし、
理解してもらうためには根気が必要だともわかっていたつもり。
しかし、通勤ルートの確認で指導員の先生と一緒に職場に行った時、
私物の置き場所や更衣室がないことを知らされたり、
白衣の購入の件で約束していた話が全然すすんでなかったことなどから務める前から
、
悪いイメージと不安を持ってしまった。
とはいっても就職難の時代、
やめれば次があるかどうかもわからないので、
ハローワークの人に相談したりもしたが、
とりあえず勤めることにした。
嫌な予感は初日から的中した。
私の初出勤の日から施設の利用者に加わったおばあさんには丁寧に挨拶をする職員、
私には何も言わなかったの。
こちらが新人なんだからこちらから挨拶すべきなんでしょうけど、
ばたばた動き回っているしどこにだれがいるか見えないんだからわからないんだよね
。
新しく入った職員の紹介がないというのもどうかと思ったがさすがにむっときて、
社長に訊いてみると、
「障害者に接するのが初めてなのでどうすればいいかわからなかったんだと思う、悪
気はないから許してやってくれ」とあちらの見方だった。
社長の言い分もわからなくもないし、
仲間がかわいいのはわかるがそれはないだろうとさらに気分を害した。
毎日の行き返りの車の中での短い時間にいろいろ話をし、
訊かれた事に答えたりもしたが、
口ではわかったようなふりをして調子のいいことばかりいうが何一つ約束を守ってく
れず不信感が強まっていくだけだった。
施設にお金を払ってくれる利用者さんはだいじにするが、
職員はいいかげんに扱うんだとのイメージも持ってしまった。
ある時、認知賞のおばあさんのマッサージを
マッサージ用のベッドではなく隣に置かれている別のベッドでするようにと支持され
た。
揉んだらいつもすぐに寝てしまうし、
移動が大変だからだ。
小柄でやせたおばあさん、
ベッドが低くて立ったままでは腰が痛いので、
座ろうとして右膝を強打、
あまりの痛さに声も出なかった。
確認してなかったのも悪かったのだが、
ベッドと床との間に空間があると思い込んでいたがそれがなかったのだった。
しかし、利用者さんに心配をかけてはまずいと思って痛みをこらえて仕事を続けた。
揉み終わってから言ってもよかったが我慢できる痛さだったので黙っていたが、
帰る時間になった頃うずきだした。
事情を話すと、
「送迎できる時間は今しかない、急にそんなこと言われても内には薬もないし処置の
仕方もわからないから困る、
自分の身体は自分で管理してもらわな困る、ヘルパー頼んで帰れ」などと信じられな
いようなことを言われた。
母校の先輩に話すとそれはひどい、施設側に職員の危険回避義務はあるはずだ、
何かあったときのために今回のことはしっかりメモしておくように」とのアドバイス
をくれた。
翌日出金したときに足を気遣ってくれた人が一人もいなかったのはいうまでもない。
またあるとき、背もたれ付の椅子が廊下に出ていたのを知らずぶつかりドンと結構
大きな音を立ててしまった。
その音に利用者さんが驚いたそうで、
警戒心を持つとそれを取り除くのに時間がかかるから気をつけろと帰りの車の中でか
なり強く言われたこともあった。
その他いろいろあったが狭い部屋の中での移動にはリスクが伴うこと、
職員はぎりぎりの人数で利用者の世話をしているため、
私の施設内での移動時の危険回避が難しいこと、
自分からこの日に手続きや電話をしますって言っておきながらその約束を一度も守っ
てくれず、
遅れた理由の説明もないから社長や施設庁に対して不信感を持ったこと、
利用者さんとの会話がままならず職員としての自覚がないといわれここは自分のいる
ところじゃないなと感じたこと、按摩マッサージのスキルがいかせないこと、
等等の理由で母校の先輩が見に来ないうちにやめてしまったのだった。
先輩からは電話でこんこんとやめないようにと諭された。
「見えない人と接したことのない人たちには気長にこちらから提案していかないと状
況が変わらないよ、
待っているだけで愚痴ってもだめ、
努力もせずにやめるのは自分勝手だ、
そんな状態ならどこに行っても勤まらないし、成長もしない。
思ったことをいわずに我慢しているからストレスたまって体調崩すんだよ。
今回のことをいい試練だと思ってやめずに頑張ってみてそれでも変わらなければ考え
ればいいんだ」などと。
けれど、先輩からの電話がかかる前日にやめると決めて社長に伝えていたので1時間
あまりかけて説得されても私の気持ちが変わることはなかった。
やめてからやっと3月にさかのぼって採用の手続きやら雇用保険手続きをすると言い
出した。
それで、雇用保険被保険者証を送るようにといわれた。
しかし、利用者さんの飲み薬をぐちゃぐちゃにしてなくしたり衣服をなくして大騒ぎ
したりなど物の管理がずさんなことを知っているから、
原本を送ってなくされると困るので、
近所の喫茶店に頼んで差出人名と送るもの、手続きをお願いしたい旨を書き添えてフ
ァックス送信した。
しかし、さすがはアバウトな人たち、
届いたとも手続きをいつ頃する予定など何も連絡がなく一週間が過ぎた。
次の職場の採用が内定し3月分の給料ももらってないから黙っていられなくなって事
務員にメールで問い合わせると明後日しますと社長が言っていると返信が来た。
多分黙って待っていたらいつまでたっても動かなかっただろう。
その問い合わせメールの返信に信じられないことが書かれていた。
去年の12月から給料をもらっていないんだと。
それならもしかして自分ももらえないんじゃないかと不安になったと同時に先輩のア
ドバイスを無視してやめてよかったとしみじみ思った。
手続きをする予定の日を過ぎてもなんの連絡もなかったが、
その三日後に日本通運から不在だったので荷物を持ち帰ったとのメールがきたので
再配達の手続きをしてその日の夜に配達してもらった。
デイサービスからの荷物で頼んでいた給与明細と給料がふうをしていない封筒に入れ
られ白衣と一緒に入っていた。
後日ヘルパーに見てもらうと明細は便箋に走り書きされたものだった。
しかも雇用保険はちゃんとかけてくれていたが、
白衣は誰も着ないので1万円ご負担願いますと書かれていた。
白衣はどうすればいいかとは聞かれたけど1万円の負担は知らされてないよ、
一ヶ月でやめたんだから負担させられてもしかたないとは思うが、
承諾なしで一方的に言ってくるとはいかがなものか……
こういうのって法的にはどうなってるんだろうな。
しかも便箋の給与明細なんか申告には使えないじゃないですか。
いくら普通の文字が読めないからって人を馬鹿にするのもいいかげんにしろ。
便箋を見たヘルパーもこれ見ただけでちゃらんぽらんなところだとわかるよ、
利用者さんになにかあったときちゃんとしてくれるんだろうか、
私の母もデイサービスの施設でお世話になっているが、
こんないいかげんなことはしないよとあきれていた。
怒りがおさまらないので、
数年前にお世話になったライトハウスの指導員に電話して話を聞いてもらった。
「そんないいかげんなところと戦っても糠に釘だよ、
なにを言ってもこたえないと思うから、
はらがたつだろうけどやめるというあなたの選択は正しかったと思うよ、
気持ち切り替えて次の仕事に取り組んだほうがいいよ」と優しく言ってくれた。
ありがたいアドバイスに感謝している。
働けることが嬉しくて職場環境など冷静に考えられなかった。
もちろん入ってみないとわからないことはたくさんあるが、
体力に自信ないからゆっくり話し相手してるくらいのほうが自分にはいいかもと思っ
ていた。
視覚障害者のことを知らない人の中で働くことは大変だとはわかっていたし、
理解してもらうためには根気が必要だともわかっていたつもり。
しかし、通勤ルートの確認で指導員の先生と一緒に職場に行った時、
私物の置き場所や更衣室がないことを知らされたり、
白衣の購入の件で約束していた話が全然すすんでなかったことなどから務める前から
、
悪いイメージと不安を持ってしまった。
とはいっても就職難の時代、
やめれば次があるかどうかもわからないので、
ハローワークの人に相談したりもしたが、
とりあえず勤めることにした。
嫌な予感は初日から的中した。
私の初出勤の日から施設の利用者に加わったおばあさんには丁寧に挨拶をする職員、
私には何も言わなかったの。
こちらが新人なんだからこちらから挨拶すべきなんでしょうけど、
ばたばた動き回っているしどこにだれがいるか見えないんだからわからないんだよね
。
新しく入った職員の紹介がないというのもどうかと思ったがさすがにむっときて、
社長に訊いてみると、
「障害者に接するのが初めてなのでどうすればいいかわからなかったんだと思う、悪
気はないから許してやってくれ」とあちらの見方だった。
社長の言い分もわからなくもないし、
仲間がかわいいのはわかるがそれはないだろうとさらに気分を害した。
毎日の行き返りの車の中での短い時間にいろいろ話をし、
訊かれた事に答えたりもしたが、
口ではわかったようなふりをして調子のいいことばかりいうが何一つ約束を守ってく
れず不信感が強まっていくだけだった。
施設にお金を払ってくれる利用者さんはだいじにするが、
職員はいいかげんに扱うんだとのイメージも持ってしまった。
ある時、認知賞のおばあさんのマッサージを
マッサージ用のベッドではなく隣に置かれている別のベッドでするようにと支持され
た。
揉んだらいつもすぐに寝てしまうし、
移動が大変だからだ。
小柄でやせたおばあさん、
ベッドが低くて立ったままでは腰が痛いので、
座ろうとして右膝を強打、
あまりの痛さに声も出なかった。
確認してなかったのも悪かったのだが、
ベッドと床との間に空間があると思い込んでいたがそれがなかったのだった。
しかし、利用者さんに心配をかけてはまずいと思って痛みをこらえて仕事を続けた。
揉み終わってから言ってもよかったが我慢できる痛さだったので黙っていたが、
帰る時間になった頃うずきだした。
事情を話すと、
「送迎できる時間は今しかない、急にそんなこと言われても内には薬もないし処置の
仕方もわからないから困る、
自分の身体は自分で管理してもらわな困る、ヘルパー頼んで帰れ」などと信じられな
いようなことを言われた。
母校の先輩に話すとそれはひどい、施設側に職員の危険回避義務はあるはずだ、
何かあったときのために今回のことはしっかりメモしておくように」とのアドバイス
をくれた。
翌日出金したときに足を気遣ってくれた人が一人もいなかったのはいうまでもない。
またあるとき、背もたれ付の椅子が廊下に出ていたのを知らずぶつかりドンと結構
大きな音を立ててしまった。
その音に利用者さんが驚いたそうで、
警戒心を持つとそれを取り除くのに時間がかかるから気をつけろと帰りの車の中でか
なり強く言われたこともあった。
その他いろいろあったが狭い部屋の中での移動にはリスクが伴うこと、
職員はぎりぎりの人数で利用者の世話をしているため、
私の施設内での移動時の危険回避が難しいこと、
自分からこの日に手続きや電話をしますって言っておきながらその約束を一度も守っ
てくれず、
遅れた理由の説明もないから社長や施設庁に対して不信感を持ったこと、
利用者さんとの会話がままならず職員としての自覚がないといわれここは自分のいる
ところじゃないなと感じたこと、按摩マッサージのスキルがいかせないこと、
等等の理由で母校の先輩が見に来ないうちにやめてしまったのだった。
先輩からは電話でこんこんとやめないようにと諭された。
「見えない人と接したことのない人たちには気長にこちらから提案していかないと状
況が変わらないよ、
待っているだけで愚痴ってもだめ、
努力もせずにやめるのは自分勝手だ、
そんな状態ならどこに行っても勤まらないし、成長もしない。
思ったことをいわずに我慢しているからストレスたまって体調崩すんだよ。
今回のことをいい試練だと思ってやめずに頑張ってみてそれでも変わらなければ考え
ればいいんだ」などと。
けれど、先輩からの電話がかかる前日にやめると決めて社長に伝えていたので1時間
あまりかけて説得されても私の気持ちが変わることはなかった。
やめてからやっと3月にさかのぼって採用の手続きやら雇用保険手続きをすると言い
出した。
それで、雇用保険被保険者証を送るようにといわれた。
しかし、利用者さんの飲み薬をぐちゃぐちゃにしてなくしたり衣服をなくして大騒ぎ
したりなど物の管理がずさんなことを知っているから、
原本を送ってなくされると困るので、
近所の喫茶店に頼んで差出人名と送るもの、手続きをお願いしたい旨を書き添えてフ
ァックス送信した。
しかし、さすがはアバウトな人たち、
届いたとも手続きをいつ頃する予定など何も連絡がなく一週間が過ぎた。
次の職場の採用が内定し3月分の給料ももらってないから黙っていられなくなって事
務員にメールで問い合わせると明後日しますと社長が言っていると返信が来た。
多分黙って待っていたらいつまでたっても動かなかっただろう。
その問い合わせメールの返信に信じられないことが書かれていた。
去年の12月から給料をもらっていないんだと。
それならもしかして自分ももらえないんじゃないかと不安になったと同時に先輩のア
ドバイスを無視してやめてよかったとしみじみ思った。
手続きをする予定の日を過ぎてもなんの連絡もなかったが、
その三日後に日本通運から不在だったので荷物を持ち帰ったとのメールがきたので
再配達の手続きをしてその日の夜に配達してもらった。
デイサービスからの荷物で頼んでいた給与明細と給料がふうをしていない封筒に入れ
られ白衣と一緒に入っていた。
後日ヘルパーに見てもらうと明細は便箋に走り書きされたものだった。
しかも雇用保険はちゃんとかけてくれていたが、
白衣は誰も着ないので1万円ご負担願いますと書かれていた。
白衣はどうすればいいかとは聞かれたけど1万円の負担は知らされてないよ、
一ヶ月でやめたんだから負担させられてもしかたないとは思うが、
承諾なしで一方的に言ってくるとはいかがなものか……
こういうのって法的にはどうなってるんだろうな。
しかも便箋の給与明細なんか申告には使えないじゃないですか。
いくら普通の文字が読めないからって人を馬鹿にするのもいいかげんにしろ。
便箋を見たヘルパーもこれ見ただけでちゃらんぽらんなところだとわかるよ、
利用者さんになにかあったときちゃんとしてくれるんだろうか、
私の母もデイサービスの施設でお世話になっているが、
こんないいかげんなことはしないよとあきれていた。
怒りがおさまらないので、
数年前にお世話になったライトハウスの指導員に電話して話を聞いてもらった。
「そんないいかげんなところと戦っても糠に釘だよ、
なにを言ってもこたえないと思うから、
はらがたつだろうけどやめるというあなたの選択は正しかったと思うよ、
気持ち切り替えて次の仕事に取り組んだほうがいいよ」と優しく言ってくれた。
ありがたいアドバイスに感謝している。