ご心配をおかけしております息子の体調は、おかげさまで回復傾向にありますが、今日はおうちで二人きり。
かたや病みあがり(と思えないほど元気)1歳児、かたや身重のアラフォー。
明日まで登園停止ですが、私、あと1日この子のお世話、何とか乗り切れるだろうか…?
それでは、今夜もお送りします。
【in the Dark】第11話です。
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#11 ある疑惑
彼氏ができて、はじめての夏が終わる頃。
外の気温が下がるにつれ、頻繁だった連絡が、だんだん取れなくなってきていました。
電話しても出ない、かかってもこない。
ケータイなんてない時代の話だから仕方ないんだけど、それにしても、寂しかったです。
大学受験を控えていた彼、そして私。
医学部を目指すと豪語していた彼ですから、きっと、勉強に集中したいのだろうと考えていました。
一方、私は、地元にある公立の大学なら、何とか通わせてやれないこともないと言われ、実質的にひとつしかない選択肢に向けて、一応頑張ってみようかといった感じでした。
そんな中、彼が同級生と組んでいたバンドのライブがあるというので、チケットをもらいました。
そのとき、私、違和感を覚えたんです。
彼が、たまたまチケットの配布リストを見ていたのですが、私の名前がだいぶ後ろ側にある…
一番ではないにしても、明らかに後ろから数えた方が早い位置にある自分の名前を見て、ちょっとモヤッとしました。
さらに、ライブ当日。
早めに行って驚かせようと思い、リハーサル中に会場入りした私に、彼の態度は素っ気なかったんです。
私、決してリハーサルを邪魔しようとしたわけではなく、ただ練習中の彼を一目見たかっただけ。
でも、本番を控えて緊張もしているだろうし、仕方ないかぁ〜…と思いながら、会場の外でライブが始まるのを待ちました。
一緒に行った友達にも、心配されました。
なんなら、本当につきあってるの?なんて思われたかもしれない。
そんなわけで、なんだかいろいろモヤモヤして、ライブも心から楽しめなかった私。
その日の夜に何度電話をしても、彼は出ませんでした。
結局、ライブの前後1週間くらい、彼とはまともに話せなかったのですが、この間に、あることを思い出した私。
夏休みの間に、彼は、友達数人と泊まりがけのキャンプに出かけたんです。
もちろんついていきたかったけど、私は母に阻止され、あえなく撃沈。
それは仕方ないのですが、一緒に行ったメンバーの中に、女の子が二人いたんです。
その子たちは中学が一緒で、一人は割と仲良くさせてもらった同級生、彼氏持ち。
で、もう一人、部活が一緒だった子がいたのですが、男まさりなキャラの子で、私も特に心配していなかったんです。
でもさ…
よくよく考えてみたら。
お泊まりしてるんだよね…一緒に。
もしかして…まさか…いや…ないか。
いや…ないない。あるわけない。
彼が、私を裏切るようなこと、するわけない。
〜第12話につづく〜