tabi tabi~ベトナム旅編~
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広島 w/18切符

日曜日に、片道over 5 hoursという相変わらず時間を無駄にかけての18切符旅に繰り出してきた。行き先は広島。当初の予定では、ちゃんと泊りがけにして、行きたいところを2箇所ほどピックアップしててんけど、ゲストハウスが予約いっぱいで。しかも天気もいまいちっぽかったから日帰りにしようと心変わり。土曜日に行こうかとも考えたけど、起きられず。なーむ。そういうわけで、予定が変わりにかわって、結局落ち着いたのが日時:日曜日、行き先:広島というわけです。まぁ、今回は一人旅やからなんでもありやねん。

広島は、今までに確か2回ほど行ったことがあって、両方原爆ドームのほうを見に行った。でも、今回は趣向を変えて、というか、たまたまインターネットで広島について調べてた時に見つけたんやけど、現代美術館があることを知ったからそこに行くことにした。美術館、最近全然行ってへんかったからなぁ。せっかく18切符があるし、どこか遠いところの美術館へ、そして現代美術ならなおよしっ!というわけで、広島の近代美術館いいじゃないですか。HPでみた建物の近未来的というか、宇宙的な感じも気に入ったし。

地元の駅を9時過ぎに出発して、岡山方面の電車へ乗り換えた。もうこの時点で人の多さにげんなり。今回の18切符が安いからなのか、それとも知らんうちにこんなにも18切符が世に普及しているのか、春休みやからなんか、とにかく人が多い。全然へらへんし、途中の乗換駅では我先にと席を確保するために人を押しのけ乗車する様がほんまに醜かった。岡山、倉敷をすぎてようやく18切符旅らしい車内になってきた。時刻表をひたすら眺めている人とか。私はというと、ひたすら寝ていた。ほんま、よくもあんなに練れるよなぁ、問いうくらいにぐぅぐぅと眠りこけていた。そして、起きたら本を読んだり、ぼんやりしたり、車窓を眺めたり、気ままなもんです。

尾道駅に差し掛かって、よっぽど降りようか迷った。なぜなら、尾道駅にはうまいラーメン屋があるからなのです。前に友達といった時には地元の人いわく「1番目においしいラーメン屋」が定休日やったから、「2番目においしいラーメン屋」にしか行かれへんかってんよな。でも、その2番目のラーメン屋すらものすごいうまさで、今までのラーメンでもベスト3に入るくらいおいしくて、その店にまた行ってやろうか、という考えがよぎったのだ。時計を見たら、昼過ぎてええ感じやし。でも、広島県をなめたらあかんのは、意外に横に長くて、そして、広島市は意外に西に位置しているということ。尾道はすでに広島やけど、そこからさらに1時間半だかなんだかかかるんやもんなぁ、広島駅。散々悩みぬいた末、途中下車をあきらめてまっすぐと広島へ向かうことにした。

尾道をすぎたあたりから、車窓には海が広がる。青空やったらもっと海がぴかぴかしてきれいんやろうけど、あいにくの曇り空で残念やった。でも、瀬戸内海に浮かぶ島々を眺めながらの鈍行列車での移動はなかなか贅沢な時間の過ごし方やなぁとしみじみ感じさせてくれる瞬間でもある。途中の駅で、おなかがすいたから乗り継ぎの時間で下車してコンビニでおにぎりとお菓子を購入。それとともに、一気に広島を目指す。

広島駅までの間、めっちゃうるさい謎の外国人の集団が乗ってきた。フランス語?スペイン語??なんだかよくわからへん言語を恐るべきスピードで操る、ほぼ半裸のような(背中が全部開いてた。)女の人の勢いがすごすぎて、思わずウォークマンの電源を切ってその会話をBGMにしてしまったわ。その人たちは、広島県からアウウェイな私から見ると何もなさそうなマイナーそうなローカル駅で下車していった。う~ん、謎。

広島駅にようやく着いて、「5番、5番」と念仏のように唱えながら市電乗り場へ小走りで向かった。ちょうど正面に止まっていたのが5番の市電で、乗り込むと割りにすぐに出た。路面電車の走る街ってなんかいいよな。自分の街がそうじゃないからか、妙にそわそわして窓の外や車内を眺めて、テンションがあがってしまう。でも、軽装で一人で市電に乗っても、まさか兵庫県からふらりと来た人とは誰も分かるまい。比治山下という駅で降りて坂道を登って美術館を目指す。

広島はちょうど桜が見ごろで、お花見をしているグループもちらほら。そんな中私はずんずんと美術館に入っていった。ちょうどしていたのが藤本由紀夫の「ECHO~潜在的音響」という展覧会。はじめて知ったアーティストやけど、彼はサウンドアーティストだそうで、「触りたがり」の私にはとても嬉しい「触るタイプの展覧会」やった。ペンを押したり、オルゴールのねじを回したり、トランプをオルゴールに差し込んだり、ほぼ全部の作品に触れることが出来て、そこから流れるランダムな、意味がなさそうで、ありそうで、その組み合わせは自分と他の人が奏でたその瞬間のものだけで、その作品だけでなくまさに空間を楽しむことが出来たような気がする。気に入った作品は、"here & there"というやつと、"broom"という作品。特に"broom"はかなり気に入った。廊下一面に落ち葉が敷き詰められていて、その上を歩くという作品なんやけど、一人で歩いているだけやのに、パリパリカサカサと音があたり一面に響き渡る。その足で踏みしめる感触と、響く音がとても心地よくて、いつまでもその上を歩いていたいような気分やった。

もう一つ、特別展はポートレートセッションというわけで、様々な表現のポートレートの作品が展示してあった。ポートレートといえば、見たままの人物画というのを想像していたけど、それよりももっと内面的なものを形や絵に表したという作品が多かったように思う。何と言うか、混沌とした内面を感じさせるものが多かった。そういうやつに限って、大きく見開いた目がじっとこっちを見ているからなんかドキッとしてしまう。

常設展では、アンディウォーホールや岡本太郎といった名前を知っている人の作品を見ることが出来て感激した。テーマごとに展示されてあったから、もっとじっくり見て色々考えたりしたら(あるいは、ああだこうだと話す連れがおったら)よかったんやけど、いかんせん、時間がなくてちょっと駆け足になってしまったのが残念。それにしても、岡本太郎の作品には感動した。絵は「黒い太陽」という作品やったんやけど、あの大胆な迷いのない線がほんまに潔くて気持ちよくて、力強さを感じさせてくれた。

再び駅に舞い戻って、腹ごしらえにと駅ビルの中の尾道ラーメンを食べた。う~ん、やっぱり前食べたところのほうがおいしかった。でも時間がないからそうも言うてられへん。さっさと食べて、家の人には広島に来ることを言うてなかったからびっくりさしてやろうと思ってお菓子でも買って帰ることにした。

もう1時間家を早く出ていたらもっとゆっくり出来たのに~、という気もしつつとてもいい時間を過ごすことが出来てよかった。あと、もう一つよかったのは、いつからかずっとだらだらと読んでいた本がついに読み終わったこと。三島由紀夫の「宴の後」という本で、あんまり興味のない政治の話で、ほんまにすすまへんかった。でも電車の中で一気に読みおわった。正直、「政治、えぐいな」くらいのしょうもない感想しかもたれへんかった。やっぱり、「金閣寺」のほうがひきつけられるものがあって面白かったなぁ~。

色々収穫もありでよかったんやけど。やっぱり、美術館とかには足をはこばなあかんなぁ、と思う。別に美術に特別詳しいわけでもなんでもないけど、斬新なアイディアとか抽象的なものを具体化しようとしたその作品を見るというのはめちゃくちゃ刺激的でええもんやなぁと改めて感じるばかり。

DAY01-02 中国は北京で乗換え!!

 今回お世話になるのは、中国国際航空。北京経由でホーチミンへ向かうルートだ。行きは4時間、帰りは8時間ほどの乗り継ぎの時間があるから、とりあえず行きしなに北京国際空港の様子を把握して、帰りにはちょこっと市内に繰り出そうという作戦を立てていた。飛行機は時間通りに関空を出発して、私はすぐに寝た。リムジンバスでもそうだったけど、とりあえず爆睡。仕事納めから1日休息とかなしで、本当に年末のばたばたした雰囲気そのままでこの旅が始まったものだから、すでに疲れがあるといえばあるのだ。だから、とりあえず寝まくって現地入りに備えることにした。どこでも寝られる体質でよかった。中国は、乗換えだけで立ち寄るのでも必ず出国手続きをしなければならないらしく、これになかなかてこずった。要領の悪い列に並んだだけなのかもしれないけど、かなりの時間待たされた。やっとこさ出国できたので空港の中をうろうろとしてみることにした。これもまた難儀で、まず、お金の価値がわからない。とりあえず、1000円分くらいを中国元に両替してみたはいいものの、ものを見ても高いのか安いのか、さっぱりなんである。試しに外に出てみると、めちゃくちゃ寒い風に出迎えられた。夕方で、日も沈んで何があるのかよく分からない空港の外は、景色がよくわからなかったけどこの寒さで『日本じゃないところにおるんやなぁ。』と実感した。帰りのためにと周辺の観光地図をもらおうにも、有料とか言われるしフレンドリーな人も見当たりそうにないしおとなしく入国手続きをすることにした。結局、のどが渇いたから無難にスプライトを買っただけの北京空港だった。


 指定されたゲートに着くと、まんまと出発ゲートが変わっていた。特に案内もなく……。まぁ、気付いたからいいけどさ。指定されたゲートに行くと、どうやら飛行機までバスで輸送されるタイプのゲートらしく、バスに乗らされた。そのバスが夜なのにも関わらず照明が一切ともされていないのが妙にわらけた。口から出る言葉といえば、『暗っ!!!!!』か『寒い!!!!!!』か『ありえへん!!!!(照明と寒さ、両方の意味で。)』くらいのものだった。確実に人の気配を感じるのに、真っ暗で一体何人くらいの、どんな人が乗っているのかは謎だった。日本人の女の子を見つけて少し話すと、彼女たちはその朝に北京についたので空き時間に天安門広場に行ってきたらしい。これはぜひ参考に、と思って行きかたとかを調査がてら聞いた。相変わらず真っ暗の中、ぼそぼそと響く日本語。あんまり居心地のいいものではなかったなぁ。そうこうしているうちに、バスは目的地に到着したようで、ドアが開いてまたあの例の寒い風が吹き込んできた。バスが到着した先には飛行機の入り口から階段が繋がっていた。テレビのニュースで見るような、ビートルズとか総理大臣的な特別な人が手を振りながら降りてくる、あの階段である。別にそんなタイプの便に乗るのがはじめてだったわけではないけど、空港のオレンジのライトでくっきりと黒にかたどられた飛行機のシルエットをみるとちょっとは興奮してしまうというもんです。でも、やっぱり寒さには勝てずそそくさと機内に乗り込んで離陸を待つことにした。バスの第2便が到着すると私の隣とそのまた隣の人がやって来て、3人が席におさまったかのように見えた。このお2人というのがなかなかの巨漢で、窓際の彼がすでに真ん中の彼の席にまたがっていて、必然的に真ん中の彼は通路側の私の席まではみ出してくるという始末だった。うーん……。これは辛い。人一倍にこやかな乗務員の人に頼むと『代わってもいい』といってくれたので、早速斜め後ろの席に移動した。彼らもハッピー、私もハッピー、よかったよかった。それからまたあの病的な眠さに襲われて眠りこけた。てっきりもう出発したものと思っていると、荷物の到着が遅れているとかで離陸は大幅に遅れた。

DAY01-01 いざ出発!!


雪

2006年12月29日(金)


 旅の幕開けは、なんと雪。暖冬といわれていた2006年の冬、初の雪が降った。この旅の波乱を予想させるものかはどうかは別として、実に冬らしい朝だった。いつものごとく、前日の夕方まで一切準備をしていなかった私は、夜遅くまでパッキングやら、インターネットで関空行きのバスの時間を調べたりしていた。飛行機は、午後2時発なので12時くらいに関空に行けばいいから朝もゆっくり寝る、という作戦だったのだ。まさか雪が降るとは思ってないから、お母さんにやけに早く起こされてむっとしたけど、外を見てびっくりした。『真っ白ですやん……。』

 もっと山間に住んでいるまさみからは、「予定よりも早く出る」とのメールが届いてこの旅はばたばたと動き出したのであった。駅まで車を運転したけど、相変わらず雪が舞っていて、運転しにくかった。でも、赤信号とかで車が止まると急に静けさの中にいるのを感じた。やっぱり、雪の音は「しんしん」がふさわしいなぁと思った。駅に着く頃には、雪はやんで青空も見えていた。なにやら、幸先がいい感じ。でも、新快速は少し遅れていた。家を早めに出てきてよかった。

 途中でリムジンバスに乗り換えて関空へ。バスはすぐに来たけど、乗客は思ったよりもたくさんいた。結構ご年配の人が多かった気がする。みんなスーツケースをごろごろ言わせて、一張羅のよそ行きジャケット着て。関空に着くなりメールが入ったかと思いきや、他でもないまさみであった。ちょうど同じくらいの時間についたらしく、4階で落ち合った。2人ともバックパックを嬉しそうに背負っていて、完全にテンションの上がった人たち丸出しで、顔のニヤニヤはとても隠せないでいた。関空内はというと、『これが噂のハイシーズンか』となるほど納得のツアー客の多さなんである。こんなににぎやかな関空はテレビのニュースでしか見たことないや、と思った。チェックインを済まして換金をしに空港内の銀行へ向かったけど、ベトナムの通貨ベトナムドンは日本国内での両替は不可らしい。でも、ベトナムではUS$も流通しているらしかったので、US$を持っておくことにした。毎度うっとうしいなと思うのが、この空港内の銀行の人。書き方がわからない人のためにお助けマンとして立ってくれているのだと思うけど、いちいちいちいち口を挟んでくるのがうっとうしい事この上ない。しかもしつこいし、口を挟んでくるタイミングがまた絶妙にイラっとするタイミングで、「leave me alone!!!!どっかいけ、ぼけぇえええ!!!!いる時に呼ぶわ!!!!!」と、発狂しそうになるのが常だ。こんなことで発狂している場合ではないけど、この過保護なまでのサービスは時として非常に迷惑なんである。


つづく。